今回はハロウィン・こすぷれでアップなんだけど。
 前年の話で引っかかったので、ちょいとしたまめちしき。
 お月見はなんと二回もあるのでした。
 なんだかついこの間、中秋の名月と同時にハロウィンをやった気がした。
 きせつはずれのはろぅいんとお月見のひめやかな関係である。
 でも実際に中秋の名月と呼ばれるのは八月一五日の満月(現在の九月末ぐらい)のこと。まだまだ暑い最中の満月のことをさすのである。
「でもさー、なんだか寒い時期にお月見って気がしない?」
「実はそこで調べてみたので御座います、陛下」
 相変わらず怪しいハロウィンコスプレのまお。今回はカボチャに顔を描いたようなまるいスカートをはいて、死に神もびっくりの鎌を抱えている。
 なお、ランタンピアスは相変わらず付けている。多分お気に入りなんだろう。
「とりっくおあとりーと!」
「はいはい、アメあげるからだまって説明聞こうねー」
 と言いながら懐から(用意していたらしい)ぺろぺろきゃんでーを差し出す。
「わーいってまて!」
 一瞬喜ぶまおだが、思わず素に返って叫ぶ。
 が、マジェストはいそいそと紙芝居の準備を始めている。
 仕方ないので、取りあえず包み紙を強引にむしりとると、まおはアメにかぶりついた。
「元々中国の風習だった『中秋の名月』に対し、純粋に日本文化である『後の月見』と呼ばれる風習があります」
 紙芝居なのに、絵の中には表が描かれている。ただのぷれぜんじゃん。
「これは丁度今時分、十三夜の月を眺める風習のことなのです、陛下」
 ちなみに今年は既に過ぎたが10月15日。なお著者は見た。
 なおこの更新は別に月見ではなくはろーいんの更新なので、昨年の話の説明だったりする。
 なんだけど、どうやらこの十三夜のお月見を混同している地方もあるようである。
「を!2009年ははろいんとかさなりそうでかさならないよ!」
「2009年は10/30でございます陛下。しかも金曜日。まさにはろいんとお月見には関係があったのです」
 と、次のコマに進めるまじぇすと。
 満月ではなく、少し欠けた月が昇った世界を闊歩するじゃっくおらんたん。
 ちなみに、ジャックさんの魂がこもったカブのランタンを差しているのですが、アメリカでカボチャ化しています。
 また十三夜のお月様のかけ方はかなり満月に近く、見慣れていないと満月かな?と思ってしまうかも知れない。
 つまり、十三から十七までの一週間は満月週間なのである。今名付けた。
「って、毎年違うなら関係ないじゃないの」
 至極当たり前の感想を述べるまおに、マジェストはびしりと背筋を伸ばし、僅かに十五度ほどさっとお辞儀して、右腕を自分の胸の前で水平に折り畳む。
「E.X.actly!」
「なんのまねだ」
 まおはジト目で取りあえず突っ込んで、あごをしゃくる。
 マジェストは次のコマにすすめる。次のシーンでは、何故か子供の落書きみたいなよぞらとドレスを着た女の子が描かれている。
「ともかく、こうして陛下はハロウィンとお月見を同時にとりっくおあとりーとでした。めでたしめで」
「なんでーっ!なんでそう言うオチが来るのっ!」
 まおが否定すると、マジェストは酷く哀しそうな顔をしながら紙芝居を片付ける。
「何故ですか。魔王陛下がオチなのはお約束ですよ。全く」
「まーじー!なんでそんなに哀しそうな顔なのよっ!あーっ!」
 どたばた。
「そんなに癇癪起こさないで、取りあえずおだんごでもどうです」
 そう言って、月見団子を差し出すと、マジェストはお茶を煎れて団子のそばにおく。
 団子をみたまおはぴたりと暴れるのを辞めて、ぽてんとそのそばに座ると団子にぱくつく。
「ほらほら、慌てて食べないように。そも、ハロウィンの風習も、基督教徒が魂のケーキを貰う巡業みたいな事を11月2日に行う風習が元らしいんですが」
 遡るとケルトのサウィン祭であり、祭りの時に焼く「小さな角」と呼ばれるケーキがあるそうだ。
 どっちにせよ、日本で言うお盆に近い概念だと言えるだろう。
 なお魂のケーキは四角い干しぶどう入りパンのこと。
「ふーん」
 今のまおには、お盆だろうがハロウィンだろうが関係ないようだが。
 マジェストはため息をついて両肩をすくめると、団子を一つつまんでお茶をすする。
「今年もこんな感じで終わるんですなぁ。やっぱりオチは魔王陛下で決まりでしょう」
 まったく。