お月見、ハロウィン。大事なネタなのに、仕事にかまけて使えなかった。
 目が醒めてみたらもう11月をとうに過ぎたせいで、これから年末まで次々にネタを押し込む。
 そんな、豪華なネタ。

 世に言うハロウィンはとうに過ぎ去り、ネタは終了したかに見えた。
 だがそんな事は関係ない。
 第一元々ここはネタだけのためにあるページである。
「とりっくおあとりーと!」
「んー、しかし魔王陛下は魔王で御座いますから、小悪魔というか、ハロウィンというか、にあいませんなぁ」
 そう言いながら、マジェストは満月を見上げながら団子を差し出す。
「むぐむぐむぐ」
「こらこら陛下、あんまり食べ過ぎると太りますぞ」
 カボチャを被ってマントを羽織ったまおが、月見団子をほおばる。
「うるさい」
 がつがつ。
「そもそもねー。月見もハロウィンもせんげつじゃないの」
 そのとおりである。
 マジェストは急須でお茶を注いで、まおの隣に置くと自分の分をずぞぞとすする。
「ふぅ。まあまあ。いいではございませんか。今日は良い満月ですぞ」
 ※ついでに言うと11/27(ど)が満月である
「あ、ありがと。……うー、今日はもう少し早めに夜にでればよかったなぁ」
 熱いお茶をふーふーとさましながら口に運ぶまお。
 彼女にとっては、結構大きめの湯飲みだ。両手で持っても余っている。
「?なぜでございますか?」
 ちなみにマジェストはいつもの通りの恰好だ。
 但しローブの下には燕尾服を着込んでいる。何故か。
「うん。ほら、月の出が見たかったのよ。まーっかなおつきさま」
「おお。確かにこのぐらい良い満月でなければ見れませんな」
 満月は、大体日が沈む前後に登ってくる。
 巧く見ることができれば、夕焼けならぬ焼けた赤い月を見ることができる。
 これが、日が落ちて暗くなるに連れてオレンジから黄色へ、白に色を変えていく。
 満月を『黄色』と喩えるのは、まだ登りかけた低い月の事なのだ。
 満月の場合天頂に到達するのは丁度0:00。通常お月見で見る場合、早い時間で有れば黄色く見えるという訳だ。
「まだみたことないからねぇ。むぐむぐ」
 まだまおは団子に夢中である。
 ヘルメットみたいなカボチャのかぶり物は、気に入っているのかかぶったままだ。
 ちなみに、耳にあたる部分にピアスみたいに小さなランタンが揺れている。
 何かのギャグだろうか。
「ご安心を。陛下、簡単にごらんになりますぞ」
「?」
 ずぞぞ、とお茶をすするまお。
 かぼちゃと湯飲みのせいで、かなり小さく見える。
「有名な隕石爆弾を次々に投下すれば」
「古き良きアニメの話をするんじゃない!」
 むう、と困った顔をしてマジェストは眼鏡を光らせる。
「しかし陛下。……もう準備は終わらせてしまったんですが。そうですか。では撤収させることとします」
「まて、何を準備したんだ、まじー」
 すくと立ってマジェストは答えずに背を向ける。
「これでも結構大変なんですよ、あれだけの艦隊を揃えたのは苦労したんですが」
「まてまてまてまてっっっ!なんのはなしー!いったいなんなんだよーっ」