第3回 小説の書き方 2’
※ 前回だけでは詰め込みすぎだとのご意見を頂きました。そこで急遽付け足しました
今回の焦点は、これだけ語っておいて、結局『まず始めに何をやらなければならないか』です。
とりあえず、小説初心者がまずやらなければならないことは、『とりあえず書けるようになる』事。
経験を積みたくても書けなければ話にならない。が。
以外に、真っ白なキャンバスに絵を描くことが難しいということに気がつくだろう。
前回までで最低限度必要なことは詰め込んだので、頭でっかちになってると思う。
実際に書いてみようと思った人、『これじゃ国語の教科書と変わらないじゃん』と投げた人。
どちらにせよ、大事なことは『言葉は人に伝えるものである』という頭でいられること。
意味不明な羅列を書いていては思いは伝わらないし、会話にしてもそうである。
自動文章作成プログラムのようなものを見たことがあるだろうか?
ある文法に沿って、辞書から単語を並べるだけの代物である。
恐らく適当なフリーウェアの在処で手に入れられるであろう。もし興味があれば、その文章を見てみると良い。
ちぐはぐな文章もあるが、以外に面白い文章ができることがある。
彼らは――いや、『プログラム』はただ文法にそって単語を並べているに過ぎないのに。
少し話題を変えよう。
最近会話ができるプログラムが多数できている。
音声認識という観点からも面白いのだが、『擬似的なコミュニケーション』の点において少し参考になる。
色んな情報源から、人間は情報を得る。
1回目にも書いたが、小説ではそれが言葉のみに限定されてしまう。
チャットでもそうだ。
書かれた文章のみでの対話である。
もし、書かれている文章が全く文法を無視したものであった場合、読み手はどう感じるだろうか?
おそらく意味のない羅列として認識し、『文字』だと感じても『言葉』とは感じないだろう。
逆に何かしら意味のある羅列であれば、その前後を『補完』しようとして人間は思考を開始する。
大抵の場合、自分の頭の中にある記憶に照らし合わせる作業を行う。
だから、全く前後の脈絡のない言葉が現れた時、それが完成された文ならなおさら違和感を感じるのである。
『この文章の前には必ずこういう文がくるはずだ』
それが文章として浮かぶ場合や、情景で浮かぶ場合など人それぞれだが、こうして人間はたった一つの文から『文章』を組み上げることができる。
たとえばドラマを途中から見たり。
たとえば連載小説の途中だけ読んだり。
前後が気になると、気がつくと勝手に頭の中で物語を作ってしまう。
SSと呼ばれる二次創作は、基本的に誰もがやっていることなのだ。
こうして人間は足りない情報を無意識のうちに埋めてしまおうとする。
その情報は通常『完全な動画』だったりする。
これを文章に書き起こせるようになれば、誰もが小説家に(SS書きに)なれるだろう。
多分書きたくて書けない初心者は『どうしていいのかわからない』状態であることが多い。
だからここで一つ助言したい。
何でも良いから、書きたいと思ったことを自分の言葉で文章にしてみよう。
たった一文でいい。
そうすれば、その文が、書きたいことが、必ず頭に浮かぶはず。
そうしたら、頭に浮かんだものをもう一度文章にしてみる。
気がつけば一つの話になっていることもあれば、ただの落書きに過ぎない事もあるだろう。
脈絡のないただの妄想かも知れない。
そう言った『素材』を、いかに料理するかを知りたければ。
その時、自分の好きな小説家の小説を読んでみればいい。
読み慣れた本で構わない。
好きな表現が、何故そう表現しているのかを考えるようになれば、もう小説家の世界に踏み込んでいるだろう。
あとは、書くだけだ。