戻る
トップに戻る

同人誌の作り方

※注意
 このコラムは『コピー本を製本するには』というはっきり言って著者の趣味のコラムです。
 別に初心者向けの『こうやって漫画をかけ』とかそういうんじゃないです。
 嫌な人はさっさとおふせに手を出しなさい(笑)。最近は手軽なんだから。
 あくまでも小手先の技術のお話で、ものを作る事が好きな方向けです。
 苦情等はメール、BBS、毒電波等でお願いします。

 このコラムは、『安くて良質』をモットーとするHenachoco industryの提供でお送りします。

第3回 実際に作ってみよう


 今回は、コピー誌を実際に製本するということで、必要な機材についてから始める。
 まずはステープラー。普通に見かけるのは20枚綴じという奴だ。
 PPCで20枚、対して綴じる能力はない。
 一回り大きな針を使うのが30枚綴じ、これはPPCで40枚を越えると針が足りなくなる。
 自分が使っているのは(少々値が張ったが)75枚綴じだ。
 針が大きくなる分、物も大きくなる。尚針も少しばかり高くなる。
 但し小さい奴よりは丈夫なので、製本の際には重宝する。
 60枚までは余裕で綴じる事ができた。90枚を越えると針が足りなくなったので、まず無理だろう。
 実売は\4000程。余裕があれば選択したい。
 外から綴じる際にあれば便利な製本テープ。
 布のように丈夫なものでできているので表紙の保護には最適である。
 きちんと本のサイズで張り付けるのがポイント。
 ただ、表紙に糊代ができるのでどうも…と思うかも知れない。
 これについては後ほど。
 ちょっとお値段も張るので、これも量産には向かないかも知れないが…頭に入れてもらいたい。
 最後に切り裂く物
 はさみ、カッターはお好みで使用しよう。
 できれば直角のはかれるラインを刻んだカッティングマットなどがあると尚いい。
 どうしても懐が余ってて、綺麗に製本するつもりだという剛気な人は裁断機を購入しよう。
 実売\3000〜で実はさほど高くない物も今は売られている。
 裁断能力は通常10枚と少ないので、あまり多量に切りすぎないようにしよう。
 尚著者はB5の10枚切りで\8000もした。ちょっと馬鹿を見た気がする。

 機材はこのぐらいである。工夫するならあとそれに必要な機材もそろえた方が良い。
 あるコピー誌でラミバッジを表紙につけたものや、印刷したOHPシートをつけたなど、良い工夫をしてるところもあるのだ。
 これはコピー誌の良いところの一つだろう。
 余談になったが、製本の話に戻ろう。
 印刷して、機材もそろった。
 ここで迷うのは、前回も少し述べたが綴じ方だろう。
 中綴じにしたいと思っても、A4クラスの紙では『中綴じできない』はずだ。
 できるステープラーも実は売られている。馬鹿みたいに長い火箸のような奴だ。
 90°回転する奴は貧弱な上構造的に脆いので止めた方が良い。
 どちらにせよ、高くつくだろう。
 実はガンタッカーという商品名で、銃のように握り押しつけて打ちこむ奴がある。
 これを真似て、本をあらかじめ綴じるように折り畳んで、ずれないようにして真ん中に打ちこんでやろう。
 紙の枚数が少ないうちは(能力限度内)これで充分だが、越えてしまうと難しい。
 とはいえ、20枚も綴じると(P.80もあるから)今度は本にならない。
 よっぽど上手く作らないと、しかも綴じた後でそろえて端を切ってやらないと良くない。
 一度、20枚のPPC用紙を真ん中で折り畳んでみれば判るだろう。
 そう言った綴じ方をした週刊誌をよく見て欲しい。だいたいは表紙と一番内側は紙のサイズが違う。
 外側から綴じる場合、中綴じよりも枚数は稼げない物の、よりしっかり本らしくなる。
 但し欠点は、前回述べたとおりである。
 そこで仕上げに製本テープを使う。色が結構あるので、好きな色を選択しよう。
 さて、ここまででは通常のコピー誌にしかならない。
 それに製本テープを使うと確かに綺麗になるが、表紙に糊代が必要になる、不格好だという意見があるだろう。
 ここで提案したいのが綺麗な紙を使ったカバーの制作である。
 カバーなら製本時にせっかくの印刷が痛むこともなく、又本自体を保護する役割もある。
 ぺらぺらの紙でも問題ないので自前で印刷できる等メリットも大きい。
 さらに、製本テープ(白)を選択すれば目立ちにくいので私は良いと考えている。
 尚、内容を綴じた後に表紙だけ糊付けする等それに変わる方法もあるので工夫してみてはどうだろうか。

 少しの工夫で立派な物ができる。
 別に工夫なんかいらない、と言うのであっても、せめて紙をそろえて綴じる位の気遣いは欲しい。
 折角買ってもらうんだから、読みやすい方がきっと良いはずだ。
 作品じゃなくて、本にけちを付けたくなるようなコピー誌はいらない。
 安易にオフセじゃなく、少しでも手の込んだ同人誌を作ってみてはどうだろうか。
 私は、こう提案したい。


 はい、終了です。
 いかがだったでしょうか?
 オフセットの方が、本としての出来は確かにいいです。自分もやりたいです。
 でも、だからといってコピー誌を蔑ろにしては行けません。
 全て自前で、というのが一番大切な『愛』がこめられるんです(笑)。
 だから、私はコピー誌こそが同人誌、即売会に行く価値ではないかと思います。
 まぁ、だからこそ少しでも綺麗なコピー誌を作って欲しいなぁって思って書いてみました。
 なお提供はHenachoco industry(Project Henachoco内部製本協同組合(組員一人))でした。