ほろこぉすと教室
北倉(真桜)明美(以降明美):ぢつは、今回はわたし達では手に負えないの。
真桜冬実(以降冬実):姉さん。いきなり職務放棄しないで下さい。
明美:だぁってぇ……
冬実:だってもなにもありません。良いですか姉さん。私達はこのほろこぉすと教室のガイドなんですよ。
明美:…ぷぷ。
冬実:何がおかしいんですか。
明美:だって、だぁって、『ほろこぉすと教室』って、みーちゃん、もぉ可愛い♪
冬実:--# ぶち
しばらく おまちください
冬実:ふぅ。
玲巳:相変わらずですわね。
冬実:(*_*;
玲巳:それで今回のお題はなんですの?
冬実:唐突に現れないでください。全くあなたも…
玲巳:お叱りは結構。ともかくお題を。さもなければほら、もうこんなにも無駄におしゃべりしてますわよ。
冬実:ぐっ……。こほん。…今回は、『世界樹理論(Yggdrasill theory)』についてです。
玲巳:成る程、ですわ。あなた方だけでは説明はおろか、何を言って良いのか判りませんものね。
冬実:悔しいですがそのとおりです。ここに一応脚本はあるんですが(ぺらぺら)。
玲巳:今回も私の領分でしょう?お任せ戴けないかしら。
冬実:構いません。では質問形式で行きませんか?
玲巳:結構でしてよ。
冬実:では第一問。
玲巳:…何故出題形式ですの?
冬実:そこに突っ込みはできません。世界樹って何ですか?
玲巳:世界樹(Yggdrasill)ってのはよく語られる言葉ですわね。北欧神話にある世界を支えると言われる巨大なトネリコの樹の事を言うのですわ。
冬実:あのラグナロクで燃えると言われる樹のことですね。
玲巳:そうですわ。良いこと?あの樹は世界そのもの。だから、様々な力があると言われますのよ。
無論ここで語られる『世界樹理論』での世界樹はこれに見立てたものではあるんですが…
冬実:では第2問。
玲巳:…結構……強烈ですのね、あなた。
冬実:よく言われます。何の理論なんですか。
玲巳:…人間が世界に干渉する理論ですわ。
冬実:それだと判らないです。
玲巳:--# 良い事?人間というのは何らかの形で世界に干渉しようとするんですわ。それは本能みたいなものですから。
冬実:それは、『一個人』が、という意味ですか?
玲巳:ええ。一個人が、一個人に対してでも勿論その考えは通用しますわ。だから普通は人間は社会を作ろうとするんですから。
冬実:それと『世界樹理論』っていうのは
玲巳:簡単に説明すると『一個人の行動と言う物が世界に与える影響と世界の概念』という物なんですわ
冬実:--# (゚o゚メ)/!
玲巳:そんな謎の顔文字で叫ばれても困りますわね。続けますわよ。
この世の中というのはある一個人の選択によって出来上がる世界の集合体だと仮定しますわ。
すなわち、それは各人毎見ている世界ですわね。ここまでは良いかしら?
あくまでそこに存在するもの、たとえ意志のある人間であったとしても、その世界を構成する全ては中心にいる個人の選択が作り上げるんですわ。
冬実:あくまで仮定から組み上げられているんですね。
玲巳:それが魔術理論(The Theory)の始まりだから、ですわ。
各人毎、選択によってできる世界が有りますわね?それとは別に、各人それら世界を持つ(意志を持つと言い換えても良いですわ)存在を点と仮定しますわ。
すると、彼らの意志による『可能性』が球状に喩えられるのは理解できて?
冬実:今のところは。
玲巳:よろしいですわ。
各人が世界を選択によって構成した際、可能性の球体は0になり直線へと変化しますわ。
同時に交錯していた可能性の球体は一度にその可能性の重なりを解きますわね?
その残された選択による世界との交わりが、彼が選択した世界におけるそれらの存在なんですわ。
冬実:……ええと……団子の串?
玲巳:ふふ。そんな感じですわね。もっとも中心を通ることはありませんし、それぞれに意味合いを持たせる必要はあるんですが。
今のはあくまで時間というベクトルをスカラー化して喩えたんですわ。
もしこれを時間軸上に展開すれば、丁度時間軸に対して垂直な方向に可能性を引き、幅、面積で彼の可能性が積算される。
そして選択によって選択直後の面は線へと変化し、点の上では可能性は0へと変わる。
理解できまして?
冬実:結論を教えてください。
玲巳:せっかちですわね。質問形式って言ったのは、あなたですのよ?
冬実:黙りなさい。ここは私の世界です。
玲巳:(゚w゚)
冬実:何がおかしいんですか。
玲巳:おかしいですわ。こうして会話を続ける私達は、今、『私』と言う存在として意志を持っているようで、その実誰かの世界の選択の結果であり、可能性を既に一本の『世界』にまとめられているのかも知れないですのよ。
冬実:う…
玲巳:私の世界かも知れない。あなたの世界かも知れない。しかし、違うかも知れない。
冬実:言い切れないんですか?
玲巳:ええ。これが世界樹理論の恐ろしいところなんですわ。
先程串は団子の中心を通らないと言いましたが、もし通ったらどうなると思いますの?
冬実:とある時点で、完全に世界が交叉するんですか?
玲巳:その通りですわ。この際、より大きなベクトル、すなわち可能性を動かす意志に対して『引きずられる』という現象が起きますわ。
もっとも『強さ』と言うより近い振動数を持つ波に吸収される『引き込み』現象にちかいですけど。
よく『惹き付けられる』って言葉がございますわね?アレを想像して頂きたいですわ。
冬実:今、もしこの時点でそれぞれ団子の中心にいる私達が、同じ団子として中心に構築される、と言うことですね。
玲巳:少し違いますわ。可能性の団子…領域と呼びましょう。領域の属性が『極めて近い』場合、の話ですから。
それに『時』をパラメータとして含ませた場合、可能性の交錯はあくまで面積であって体積を確定する物ではありませんわ。
冬実:じゃあ、その領域っていう体積は何ですか?
玲巳:ある時点に対する表現ですわ。それが時間軸方向に伸びていく形を取るので『世界樹理論』というのですわ。
ある個人の『意思』の時間軸方向に伸びた世界を『意志』と呼び、それら『意志』の形状を樹に喩えるのですわ。
もっとも、『世界樹』は各人の可能性全てを展開した、むしろ球状の世界なんですけれども。
冬実:と、言うことは、完全に可能性が重なった場合には『同じ世界に生きる』事になるんですか?
玲巳:ええ。但し、『同時に同じ意志』を持つとは限りませんから、途中で違う方向にそれる事だって有りますわ。枝分かれ、ですわね。
場合によってはホントに重なるのは一瞬ということもございますわ。
冬実:ああ、ようやく世界樹の意味が分かりました。
玲巳:ふふふ。
冬実:私という個人は『私の選択によって固定した個人の意思』であって、それが存在できる可能性に近い交わりがある世界をつないでいく方向を『意志』と呼ぶわけですね。
玲巳:!飲み込みが早いですわね。
だから今あなたの『意思』ではないあなたというのは、どこかの誰かの世界の部品へと姿を変えるわけですわ。
決していなくなったり、消えたりするわけではありませんの。
誰かの『意思』の決定した『意志』の一部になる、と言えば確実ですわね。
その辺は某破壊魔で語られる予知能力(と言うより世界決定能力)の『世界の破壊』はあり得ませんのよ。
もっとも、『なくならない』だけで基本はほとんど変わらないかも知れませんわ。
冬実:じゃあ、『そう、これはあなたの世界なのね』はどういう意味なんですか?
玲巳:ふふふ。……それは言えませんわ。
冬実:何故?
玲巳:だって今回のお題とは関係有りませんし、何より、私のプライベートですわ。
冬実:それは逃げと思っていいですか?
玲巳:いいえ。誘っているんですのよ。
冬実:?
玲巳:冬実ちゃん。素質も有りそうだし、ほら、こんなに可愛いし。
冬実:……(((*_*
玲巳:ああ、引かないでくださる?
冬実:だって、あなた、そう言うヒトなんでしょう?
玲巳:何ですの。言いがかりですわ。可愛い娘に可愛い以上、何を見返りに求めるというんですの。
冬実:からだ。
玲巳:……やっぱり、あなた、強烈ですわね。
冬実:よく言われます。
玲巳:それより、次回はどうするんですの?
冬実:…思いつき次第、考えます。
玲巳:バッタですのね、この企画。
冬実:そりゃ、あの作者ですからね。
玲巳:と言うわけで
冬実:次回も、あるかも知れないのでお楽しみに。質問も受け付けます。