Winged-White 【スコットランドについて】 Notes
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 『イギリス』という日本語は、"Inglez(ポルトガル語)"から日本語化している。語源的にはイングランドと同源で『アングロ人の国』を意味する。
 片やスコットランドはイングランドと血まみれの戦いをして併合されたグレートブリテン島の北部にある国/地方で、スコットランド人は主にケルト系民族だ。

 もともと地元意識が強く、映画『ブレイブ=ハート』などで一気に民族意識が盛り上がった。また北海油田という富が地域にもたらされたという経済的条件なども、地域的な結束に拍車をかけた。

 このような点から、"Scottish(スコットランド人)"を、"English(≒アングロ国人)"と、ヘンなくくり方で呼ぶのはふさわしくない。
 同様に日本語で『イギリス人』と呼ぶのも、やや遠回りしているものの同義になるので、避けるべきだ。今後は出来得る限り、日本国内での使用も改めていくべきだろう。

 "British(ブリテン人)"なら、地理語に近くなるので、双方とウェールズを含めた、我々の本来言いたいニュートラルな『イギリス人』に近い英語になる。
(ただし狭義でのブリテン人は、正体不明の民族としてイギリスの歴史に存在しており、正確さを欠くかもしれない。)
 "Scot(s)"も、スコットランド人自らが誇りに思う名称なので、スコットランド人に対しては、オッケー。

 ただし、スコッチ=ウィスキーの"Scotch"は、心無いイングランド人が、『ケチ』などという意味をこめた卑語としたらしいので、特産品以外は言わない方がいい。(ウイスキーを"Scotch"と略すのは、かなりオッケーのようだ。)
 (ちなみに、セロテープはアメリカなどでスコッチ=テープとも言われるが、『ケチ』テープ(開発当時は品質が悪く、よく切れた)という意味から来ているらしいので、これもやめた方がいい。

 ……あーややこし。
 ちなみに僕が出会ったスコットランドの人々は、大概温和で知的な人でしたヨ。




 2002/07/19: ……と、ある本に書いてあったのだが、原典を失念。 いくつかの辞書で牽くと「スコッチ=テープ」は「商標」になっている。アレレ?
 典拠も無しに商標を非難することはできないし、それは当サイトの趣旨にまったくそぐわない。 再調査が必要だ。

 アメリカでは"Scotch"という語に対する蔑視感は無く、気楽にいろんな物に使っていたりする。 そんなわけで、アメリカ人がスコットランドを旅行すると、無用な反発を買うこともままあるそうだ。

 18世紀ごろまでは、スコットランド人自身も"Scotch"を普通に用いていた。 その後19世紀後半イングランドの権勢が独占的になるにつれ、この語への反発が高まったとされている。――「悪意は良意を駆逐する」。

 このような「単語」に対する受け取り方の相違も、考慮すべき問題のようだ。 もちろん、知っている方が、国際的な人間関係において、賢明な選択ができるだろう。



【呼称問題・追加】

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