顔学講座
未来の日本人はV字型

朝海猛(日本顔学会)


  現代の日本人の顔は、いにしえに南から渡来した。目やロが大きく髭面の野生タイプと、北方経由で渡ってきた、目も口も小さく平板な知性タイプとが融合してできた、とされる。欧米に比べると凸凹に乏しく、極端な特徴がない。それは2つの極端なタイプが、それぞれの特徴を消して平均化されたせいだろう。


  さて、人相学では、まず顔の正面を3分割する。額から目までの3分の1、鼻までの3分の1、そして鼻下からあごまでの3分の1。この3分の1ずつが人相的特色を表現する、とされる。上から知性を、真ん中が意志を、下が情緒を主張しでいると信じられてきた。


  額の広い人物には学者や作家が多い。確かにそういえる。芥川龍之介や太宰治を思い浮かべるといい。鼻の大きい、鼻翼の張った人物にはワンマン型財界人や政治家が多い。意志は強固だが、身勝手なタイプ。そして、あご、ロの大きい人物は清濁合わせて飲む大物。人情家でもあるが、男だど情緒に負ける好色家。


  この分類でゆくと、実はこれからの日本人に大問題が起きそう。ある分析によると日本人のあこがどんどん細く、小さくなっているという。未来の日本入はV字形の顔になる。原因はファストフードなどに代表される柔らかい食べ物。固いものを食べない生活が幼時から続くとあこは退化する。下の3分の1の退化は、人相でいえば情緒の退化鈍化であり、最近の若者による犯罪や非行は、あごの貧弱化による情緒の欠乏ととらえられる。いかが?

(地球人通信1996.7)