雑記帳


最寄り駅周辺での食料調達(その一)
八海山を登りに友人と二人で上越新幹線の浦左駅に行ったときのこと。二人して昼飯を調達しようと思っていた駅のまわりは、弁当のようなものを売っているところがまるでなく、駅の両側にお土産屋が一軒ずつ店を開いているだけだった。
駅周辺案内板で商店街のあたりをつけて町中に出たものの、開いているのは酒屋に薬屋に文房具屋とかで、肝心の食べ物を売る店が開いていない。やっと開店しているスーパーを商店街の端に見つけ、携帯に便利そうな「おこわ」を見つけて嬉々としてレジに行くと「それは蒸かさないと食べられませんよ」。「....お弁当を売っているコンビニのような店はありませんか」「ここから(来た道を逆にたどって)スキー場の向こうにありますよ。....10分くらいかな」
仕方なく長い商店街を逆戻りし、途中で毘沙門堂という陽明門を模した山門があるお堂を見学し、さらにこれまた長い浦佐温泉街を通り抜け、スキー場の脇を抜けるが、ない、コンビニが。もう列車を下りて一時間近く経っている。さっき「10分」と言われたのは、「車で10分」のこととようやくわかる。あとでわかったのだが、二人とも各々が極端な寝不足だった。

 

最寄り駅周辺での食料調達(その二)
同じく浦左駅でのこと。ようやく昼飯になる弁当が調達できて、駅前に戻って登山口まで行くタクシーを捕まえることにする。黄色い穂並みの向こうに高く見える八海山の鋸歯状の頂稜部を眺めながら「もう俺たちは浦佐の通だぜ」みたいなことを言って歩いていくと、町中に無人野菜販売所が。キュウリ8本入り200円。これは安い。
 「でも8本は多いな」
 「半分にならないかね」
そこに地元のおばさんがひとり、我々と同じくキュウリを買いに来た。私の連れが「あの、これ多すぎるんで半分にしたいんですが」と言うと「(そう言われても)私もここの家の人じゃないので」。
 「いえ、半分差し上げたいのです(もちろんただで)」
 「それだったら、私のキュウリを半分あげましょう」
 「それじゃお代を出します」
 「いいですよ、山に行くんですよね、上でおいしいキュウリを食べて下さいな」
かくして二人はただでキュウリを4本入手した。山の上で食べたキュウリはみずみずしく新鮮で、歯ごたえがあってとてもおいしかった。浦左の方の親切さに感謝。

 


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