雑記帳


自虐登山観
2001年7月23日付けの朝日新聞夕刊で、7大陸最高峰登頂者の野口健氏がエベレスト(チョモランマ)のごみ回収を始めたことに関する記事が出ていた。2000年から4年計画で取り組んでいるという。野口氏より前にごみを回収しようと考えていた人はいたらしい。だが実現しなかった。
2000年と2001年の2回を実施して、集まったごみは3トン。酸素ボンベ、テントの残骸、缶類、そして汚物。ごみの大半が日本隊のものだったらしい。
帰国すると、山岳関係者から「スタンドプレーだ」とか、あまつさえ「暴露しやがって」とすら言われたそうだ。
サッカーのワールドカップ、1998年フランス大会では日本代表は三戦全敗して予選リーグで消えたが、スタジアムでその代表を応援した日本サポーターは世界から高く評価された。遠地まで駆けつけた熱意とかではない。応援に際して出たごみを自主的に回収する姿が驚きをもって迎えられたのだ。いままでそんなことをする代表のサポーターなどいなかったのである。
「日本人の誇り」みたいなものが少し前から話題に上ることが多いが、尊敬されるに足る誇りでないならそれはただの自己満足。
ヒマラヤの日本隊のゴミを問題にすると、「自虐登山観」とか言われるのかもしれない。
2001/7/26 記

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