雑記帳


死火山から活火山へ
日本の北端の島は北海道の礼文島。そのすぐ南に、単一の火山でできている島があります。ご存じ利尻島です。
利尻島を構成する山は利尻山。この山は遠望すると美しい円錐型の山ですが、山は解析が進んでおり、登路にしても仙法志稜といわれる山稜は岩峰の連続でとても危険だそうです。山頂部にしても風化が進んで、ほんとうの最高点である南峰に行くのはかなり危ないとか。みな祠の建つ北峰を山頂として下山していきます。
要するに最後に噴火してからかなり経っているわけで、わりと最近のガイドでも「死火山」と言われています。「死火山」という言葉は「有史以来噴火の記録がない山」として20年前くらいまで使われていたのですが、かつてこの山を島のあちこちから間近に見上げ、登りもしたときも、確かにこれは死火山だな、と思ったものです。島には1996年に掘り当てるまで火山活動の象徴である温泉もなかったわけですし。


その利尻山が、活火山と呼ばれることになろうとは。昨日の新聞発表によると、火山噴火予知連絡会が活火山にいくつか追加したそうで、そのなかにこの活動を停止したとしか思えない山が入っているのでした。気象庁が活火山の定義を拡大し、噴火記録が2000年以内のものから10,000年以内のものにする方針を受けてのことだそうです。
そうかー、あのときわたしは活火山を眺め登ったんだなぁ、と遠い目になってしまいました。しかし地元のひとたちも驚かれていることでしょう。ちなみに、いままで日本には活火山が86あったそうですが、22増えて108になるようです(煩悩と同じ数ですね)。ニセコや後方羊蹄山なども活火山になったのだそうです。
(日本の活火山の頂に全て足跡を記すという挑戦はどうでしょう?もちろん無謀の極みですね。実際に噴火中のものもあれば、そうでなくとも登山禁止のものもあり、加えて海底火山までありますから。)
2002/5/29記

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