フェイドイン奏法
 
 ヴァイオリン奏法(音色的にはチェロ奏法というべきか・・・)ボリューム奏法とも呼称されているが、アルバムで最初に使用したのはAlbum Deep PurpleのLalenaと思われる。Made In JapanのSpace Truckin'後半のFools部分ので同様にヴァイオリントーンをロードのコードプレイをバックに聴かせてくれる。
 Catch The Rainbow、MistreatedDifficult To Cure等のライブでも多様されており、ピッキングによる当たりが必要ないことからブラックモアはピッキングせず、ハンマリングオンを利用してフィンガリングのみで押弦し、右手の小指側面あたりを利用してボリューム操作するのが基本だが、キャッスルドニトンの第9メロディをゆっくりと弾く場面では、そのまま指先でつまんで回している。
 ちなみに、ヴォリューム調節は大半がギターのノブで実施し、時にアンプ側のノブにて大幅な調節を行ったりする。フットスイッチはエコーのみとし、決してファズ系のエフェクトをフットスイッチにてOn-Offしてペンペンサウンドとディストーションサウンドを切り替えてはならない。76年時のMistreatedの中間インプロでは、弦の生音近くまで音を絞った中に突如フィードバックまで音を上げ、間髪いれず静寂サウンドへ戻したりと、巧みなヴォリューム術を展開している。同様に76年12月初来日公演においてStill I'm Sadのソロでは大音量でブレイクさせ、間髪いれず時節を得たジングルベルをボリューム2辺りでペンペン弾いているが、一瞬の操作で適音へ絞る技術は正にプロフェッショナルな技術といえよう!
 
  


スクラッチ奏法

 70's年代前半頃はパフォーマンスの一環として、特にギターを破壊する直前の演奏で連発していた。80's年代に入ると一過性若しくは効果音的にしか使用しなくなり、80's年後半にはアーミング同様ほとんど使用しなくなった。
 若い頃のブラックモアはそれこそピックに限らず、手の甲・肘・アンプ・モニター・PA・ベースシンセペダル・足の裏・おしり等様々なところでスクラッチさせていたが、年齢を重ねるとともに落ち着いたステージとなりこれらは影を潜めていく。
 余談であるが、べっ甲ピックが手に入らない今、ピックスクラッチはやめた方が無難である。あまりスタジオでは演ってないような気がするが、筆者が真っ先に思い出すのはHight Ball Shooterだ。

      

        

  


スイッチング奏法
 
ピックアップを切換えるピックアップセレクターのスプリングを外すことにより、高速での連続切り換えが可能となり、コードをかき鳴らしたときや、よくやるのがダブルノートのトーン時に連続切り換えをして、音切れ感(と言ってもセンターピックアップ位置を無音状態にしていないようなので、完全な音切れではなく、高速ワウのようなさり気ない効果に留る。)を演出する。ちなみに私はストラトを楽器店に何回かリペアに出したことがあるが、そのうち2回についてしっかりとセレクターのスプリングを取り付けられて返却され、もう一度取り外すという作業を強いられた。逆手フィンガリングでノイズを出すときは特にフロント・リアを高速で繰り返し、グババババー!と特殊音効果的に行う。
               
      
 
 さて、RB奏法の極意のひとつとして胆に銘じて欲しい。考える必要はない。フレーズが途切れたらスイッチング!兎にも角にもフレーズ中(←参照)右手に余裕が出来たならトグルスイッチに手を向けるべきである。キメ技以外でも、彼のピックアップチェンジはかなり頻繁に行われており、疑似感覚にまで共鳴する崇拝者として意見するなら、インプロヴィゼーションにおける調子、タイミングを計る指針的な挙動であり、かなり強固な癖レベルにまで達していると思われる。本人も無意識にスイッチに触っていることが大半で、70's年代後半に入ってから特に堅調に見受けられ、80年代90年代には異常ともいえるくらい、スイッチ及びコントロールノブに触れている。(70's年代前半ころはスプリングを外していなかったのかも・・・大したチェンジは映像上見れない)
 もちろん意識して触る場合もあるが、手癖とみられるのが大半であろう。 このスイッチングは嵐のように、それこそフレーズの切れ目ごと、またはフレージング中のわずかなレガート中(H&P・・・)においても行うくらい頻繁に実施するのがRB流で、ここに焦点を当てているyou tube等の模倣演奏者は視聴する限り皆無で、並み居る演奏マニアを差し置き管理人唯一のアピールポイントと自負している。
 
    

   

 実際これらの癖も含めてマネしていて、ブラックモアの心境がわかるようになった。1秒程度音を伸ばすフレーズの合間に、右手が手持ち無沙汰となり(長い場合はアクションなんかをする)、スイッチにほとんど無意識に手がいってしまう。更に2秒程の音符にはヴィブラート替わりに高速チェンジにてクワワワ〜と鳴らしまくる。癖までコピーしたので彼の奏法時の気持ちまである程度理解できたつもりだが、全く知らない人はおそらく「ピックアップチェンジを頻繁に行うことにより、サウンドに対する変化を常に意識している」なんて評論を書きそうだ。
 すでにリアもしくはフロントに入っているのに、更に入れようとしている仕草も頻繁に行っており、この場合は本当に意図した方へスイッチが入っているかが気になり、確認がてら無意識に手がスイッチにいくのだと推測できる・・・通常ギタリストは右手、ピッキング、ボディ部分へは目線をやることはほとんどなく、このことからもスイッチの位置を目で確認するのではなく、右手で直に確かめているのだろう。ましてや明後日の方向を見ながらギターを弾くことが多いブラックモアだ。当然にスタジオでもスイッチングは癖になっているようで、Snowman のラスト付近やSon Of AlerikHungry Dazeソロ中あたりではっきり音切れ感を聴くことができる。
 
      
 
 管理人
にとってスイッチングは無味に自然と手が伸びるまでに常態化しているとはいえ、次のプレイ(Still I'm Sad '95.10.9 live solo)は流石に高意識下でしか再現できなかった。おまけに1弦14フレ15フレの半音P&Hのヒネリは中・小指での運指だし・・・゜〇゜ι

              
   
 
 ちなみにスイッチング同様、過度ともいえるほどフレージングの合間にボリューム及びトーンコントロールを回す映像が散見されるが、これについては、演奏中いつの間にか(スイッチングの回数を重ね上げていくうちに触れてしまうのだろう・・)特にフロントのトーンコントーロールが甘く絞られていく(いわゆるウーマントーン)ため、それを改善する操作を行っていると推測される。フロントピックアップがやたら篭るので目視すると、4とか5までいつの間にか絞られている経験を何度もした者として、あの操作は絶対そうだと確信する。