1997年11月2日  中野サンプラザ 1階
 
 当然にオレもアコースティックギターを新たに購入したんだけど、扶養家族は増えており、ブラックモアと同様のヤイリだとかテイラーだとかを購入するなんて夢の夢。4万円の国産品を大切に使っている。こんなことなら、人生で一番金持ち(自由に使える金の意)であろう就職後かつ結婚前に駆け込みで買いまくってしまえば・・・・・失敗した・・・。本格的なアコギは2003年7月7日のLakewood購入まで、約6年間お預けとなる。

 更にハイポジションが容易に弾けるギターも欲しくなり、ブラックモア使用のAlvarez Yairi-WY1を生産中止につき特注しちまった。NHKのドキュメント番組でヤイリが紹介されてた(2004.2.27放送)。30人の職人がすべてハンドメイドで製作するとのこと。自らも職人の社長以下社員たちの姿勢を垣間見て、職人肌のブラックモアがこの小規模メーカーのギターを手にするに至った理由がよーくわかった。随分待たされる2004.7月頃の納品予定にも納得。あの作業所でこれから私のギターも製作されるのかと思うとワクワクしてきた。ただし、女房には一切内緒なので、発覚したときのこと考えると頭が痛い・・・・。

    2014.5.30 日経夕刊より↓
 2004.6.27、正に女房の誕生日に予定より早めに納品されました。これはラッキー!、数千円のプレゼントして、家事労働をすべて免除してやり、色々祝ってご機嫌をとった上、値段は7万円(納品時の残金)と嘘ぶっこいて凌ぎました。音は・・・4万円の国産アコギよりは遥かに良い!・・が、Lakewoodよりは劣る。アコギの場合、値段と音の良さはかなり比例している。

    
 話を1997年に戻そう。この何日か前、新聞をいつものように読んで、最後にテレビ欄をチェックしていたら、ニュースステーションにブラックモアが出演するのを発見した。よく外タレが出るのでそろそろ来日している頃なので、まさかとは思うけど、なんて一応チェックを入れてみたら第6感的中ってとこか。
 Spirit Of The Seaをギター1本、全編フィンガーピッキングでの演奏だ。ビデオでチェックしたところ、1箇所アルペジオトーンがつまってしまった以外は完璧だった。ギター1本のため完コピやりやすそうなこの曲もテープに落としてコピーさせてもらった。この曲で今までに使用したことのないコードポジションを発見、ローコードのAm(ちなみにチューニングを1音下げてるので実際はGm)に6弦G音を小指で押さえるポジションで(ネームはAm7onGとでもなるのかな?)、Memmingenや後にNow And Thenにも登場する。ブラックモアズナイトのコピーは、コードポジションとの戦いだ。
   

   

            
 
 中野サンプラザは東京郊外の多摩地域に住んでるオレとしては中央線1本で行ける上、中規模ホールということでかなり視覚的にも期待できそうだ。確か1987年頃、デートかなんかで中村雅俊のコンサートに行った記憶がある。
 
 クラシックコンサートのように静まりかえっている中、ブラックモアのエレアコの開放E音が鳴り響き、この音でナイトが歌いだす。後にWritten In The Starsになるメロディーだ。1曲目はShadow Of The Moon。Aadd2とAsus4のアルペジオでイントロが静かにスタートする。アコースティックになってもアドリブは健在で、オブリガートのみならずボーカルのバックにもどんどんシングルノートが音階を重ねていく。

           

「アコースティックはギタープレイを裸にされたようだ」とインタビューでも語っていたが、やはり速弾きはミスの可能性が高まるのでなるべく避け、テクニックよりメロディーを聴かせるよう丁寧に演奏しているようである。オレも30過ぎたせいか、昔のように速弾きテクやパフォーマンスばかり追い求めてたのが嘘のようである。人間は変わるんだなぁ。でも同じ音楽をペイジやベックが演っても興味はわかないだろうな。カリスマとしての魅力は相変わらず大きい。
 Memmingenは2フレット分キーを下げて演奏しているようだ。アルバムのキーはちょいと辛いコードポジションだからな(アルバムではおそらくカポを使用していると思われるので、実際はどちらもレギュラーチューニングであろう)・・・・
 それより16th Century Greensleeves(←On Stageは最高のテイク)がライブで演奏されようとは・・・実を言うと初期Rainbowで一番好きな曲なのである。'76年'78年のライブを経験できなかったオレにとっては、アコースティックとはいえ感慨深い曲だ。
 さてライブはインプロヴィゼーションされまくりつつ、ラスト曲に入る。ここまでずっと弾いてきたブラックのFenderエレアコから2フレにカポタストが装着されたAlvarezの12弦ギターに持ち替え、The Crork Ticks Onで盛大に終わる。
 
          

 アンコールを求める拍手の中、ボン!というシールドを抜いたのか、繋げたのかノイズ音がなる。何やら道具を更に持ち帰る気配。暫くすると、往年時ほどのパワーがないとはいえ、ブラックモアのストラトがうなりをあげ、聴衆が一気に盛り上がりスタンディング状態となる。Still I'm Sadをはじめ、リッチー節をストラトサウンドで数曲聴かせてもらった。
 
 最後はニュースステーションでも披露していたSpirit Of The Seaで締めくくる。ギターはTV出演時同様Taylorだが、レギュラーチューニングにピック弾きだ。わずか数日でプレイ方法は様相が異なり、コピーする側としては嬉しいやら、悩ましいやら。

          

 この日がBlackmore's Nightのデビューコンサートだと最近(2003年1月)他のサイトにて知った。これでやっとニュースステーション出演のとき、久米宏のインタビューにキャンディスナイトが「初めて人前で歌うので緊張する」なんてことを言ってた謎が解けた。ギタープレイ以外にはあまり興味を抱いてないとはいえ、こういった類の情報は本当に疎い・・・。


 1997年11月8日 東京国際フォーラム 2階
 
 有楽町までちょっと遠かったけど、初めて足を運ぶ会場である。新宿に移転した東京都庁跡に建築されたばかりで非常に新しく綺麗な会場だ。座席にはセットリスト予定表が置いてある。うーん、クラシックのコンサート並の配慮だ。でもこの通り演奏されるのかはわからない。
 さて、またも隣りの席に親子連れが当たってしまった。5・6歳の女の子と30代のお父さんだ。3曲目が終わったころから、「もう終わり?」「次で終わる?」子供は早くも飽きている様子。「まだまだ続く!」うんざりしながら答えるお父さん。興味のない子供をコンサートに連れてくんなよ。静かな曲が多いため、子供のおしゃべりがバンバンテープに録音されている。とほほほほ・・・・
 
 今日のライブは、静まりかえった中、Am、Fmaj7、Amのコードが響き、ナイトのボーカルで始まる。最初の音とりひとつとっても、インプロヴィゼーションしている。 前回とほぼ同じのセットリストでライブは進んでいく。静まりかえっている曲間中、アンプのレベルを調整中のブラックモアに誰かが、「リッチー!」と声援を送ると、「イエス!」アンプをいじりながら答えるブラックモアに、会場は笑い声に包まれる。会場はやっぱり小さめのとこが絶対いい。2000人くらいまでのとこが限界かな。できたら、小ホールやライブハウスみたいな場所でブラックモアのプレイをじっくり見てみたいものだ。さて、帰ったら録音したテープで練習しなければ・・・・ 
 この時期、ストラトは半年くらいハードケースに入ったままとなり、アコースティックばかり弾いていた。力がいるし、最初指も痛かったけど、慣れてから久しぶりにストラトを弾いたらすごい違和感だったなぁ。特にチョーキングはほとんどやってなかったから・・・・フィンガーピッキングばかりしていたので、ピックを持つのもすごい違和感を感じたっけ。テクを維持するには、両方適度に弾いておくべきかな。
 

 ここに16回に及ぶ私のブラックモアのライブ体験記を、憶えている限り再現してみました。後半になるにつれ饒舌となるのは記憶が新しいための結果である。さて、17回目はいつ実現するんだろうか。大変待ち遠しい・・・・・・・