続・千葉の猫
―その時、奇跡的にたまたま所持していた猫さん専用固形食品(注1)を差し上げて、なんとか許してもらい、無事に生還できたのでした。
「今日はこれくらいで勘弁してやるから、有難く思いニャよ。」
夕方や深夜、一人で知らない街を歩いていると、こうして猫町(注2)に迷い込んでしまうことがあるのでした。
(注1)「しまった!これ、KalKanブレッキ―ズ・ビーフミックスじゃあニャイか?あの野郎!」
(注2)「猫、猫、猫、猫、猫、猫、猫。どこを見ても猫ばかりだ。
戦慄から、私は殆んど息が止まり、正に昏倒するところであった。
これは人間の住む世界でなくて、猫ばかり住んでいる町ではないのか。」
萩原朔太郎 『猫町 他17篇』 (岩波文庫)