D:(…喉渇いた…。)
じーっと給水機を見つめるハムスターダイナモ。
D:(仕方ない…命には変えられないし…。)
いやいや給水機から水を飲む。
D:(の…飲みにくい…。)
それでも一生懸命ねばってなんとか水を飲むことが出来た。
D:(はぁ…、水を飲むだけでこんなに疲れるのか…、ハムスターってのは…。)
ひゅう〜。
クーラーの風が入ってくる。
D:(さ…、寒くないか…ココ…??)
小屋に逃げ込むハムスターダイナモ。
ティッシュペーパーが中に詰められている。
D:(ああ〜〜寒かった。)
丸くなるハムスターダイナモ。
D:(さぁ〜〜って、さっき会ったイカ野朗…じゃなくてイカ女に会うには…夢の中に行くしかない…。よし、寝よう。)
?:(無駄よ…。寝たって。)
あの声がハムスターダイナモの頭に響き渡る。
D:(!?あんたか!?)
?:(言ったでしょ…???愛の涙をその身に受けなさい…って。それまで戻れないわよ。)
D:(ワケわかんないこと言うなよ・・!!)
?:(ふふふ…。)
D:(オイ!!答えろ!!)
声は答えなくなった。
D:(畜生!!一体どうすれば…。)
がちゃり…。
ドアの開く音。
D:(ん…??エックスが戻って来たか…??)
A:『ダイナモーー!!遅くなってゴメ…アレ?』
誰もいない休憩室を見渡すエイリア。
D:(エエエエエエエイリア!?)
ダッシュで小屋からでるハムスターダイナモ。
腕時計を見るエイリア。
A:『まだ10分前…だものね。
そうよね。ダイナモだってたまには速すぎずに時間きっかりに
来るコトだってあるわよね。』
D:(あう〜。今日も2時間前にはきてたんだよぉ〜。キミに会いたくていつだってなにがあっても約束の20分前にはきてるんだぞぉ〜〜。(←意味なし))
A:『待ってよっと。』
椅子に座って本を読むエイリア。
D:(うううう。ココからでたい〜!!)
ケージを一生懸命かじるハムスターダイナモ。
D:(あう・・、疲れた…。ハムスターの体ってこんなに体力ないのか??)
ハムスターは1日をほとんど寝てすごす。
だが、ハムスターダイナモはここ1時間半ほど全くねていない。
ハムスターにあるまじき行為だ。
D:(眠い…あああでもでも!!エイリアがそこにいるのにぃぃぃぃ!!)
D:(エイリア…エイ…リ…ア…。)
そのまま、飼育用チップの上に崩れ落ちるハムスターダイナモ。
やはり、体はハムスターなのだ。

夢は、見なかった。

?:『大丈夫か…エイリア…。』
男の声で目がさめたハムスターダイナモ。
D:(ん…??)
眠いが、根性で2本足で立ち、ケージの外を見る。
なんとゼロだ。ゼロがいる。
D:(だぁぁぁぁぁぁ!!!ゼロ!!エイリアに近づくなぁぁぁぁ!!)
A:『ん…大丈夫…。』
涙声である。
D:(涙声…!?)
Z:『連絡はしてみたのか?』
A:『うん…、通信機と家のほうと両方…、電話してみたんだけど…でてくれなくて…。』
Z:『変だな…、約束の時間からはどれぐらいたってるんだ…??』
A:『3…時間ぐらい』
D(ささささささ3時間!!??)
時計を見上げるハムスターダイナモ。
D:(うわ。マジだ。)
音がするとすぐ起きるハムスターもいる。
だが、ハムスターによっては
震度5の地震があっても起きずに5、6時間連続でねるものもいるのだ。
通信機を取り出すゼロ。
Z:『ちょっと待っててくれ、エイリア。』
通信機を耳に当てるゼロ。
Z:『あ、ホーネックか??今ドコだ…?
ああ、そうか。ちょっと頼みがあるんだが…、
ダイナモが家にいるかどうか確認してもらえるか?
…ちょっとワケアリでさ。ああ。サンキュ。』
エイリアの方に向き直るゼロ。
Z:『…俺もとりあえずその辺を探してみる。もしかしたら奴が来るかもしれないから、
  エイリアはココで待ってろ。』
そういってハンカチを渡すゼロ。
D:(だぁぁぁぁぁぁアノ野朗!!!エックスにだけにしとけぇ!!そういうことは!!)
A:『うん…アリガト…。』
部屋からでていくゼロ。
D:(俺はココだぁぁーーー!!!!エイリアーーー!!)
ガリガリガリガリ・・・・・。
ケージを一心不乱にかじり続けるハムスターダイナモ。
A:『え…??』
どうやら音に気づいたようだ。
ケージの方に歩み寄り、ハムスターダイナモを見るエイリア。
A:『かわいい…。』
にこっと笑うハムスターダイナモに微笑みかけるエイリア。
D:(キミの方が可愛いいに決まってるじゃないかぁぁぁ。)
がちゃ!
ドアが開いた。
X:『エイリア!話はゼロから聞いたよ!!大丈夫!?』
A:『うん…大丈夫。あ、そうだ、エックス。』
X:『何?』
A:『この子…。』
そういってちらっとハムスターダイナモを見るエイリア。
A:『ケージからだしてみてもいい??』
X:『うん!いいよ!でも逃がさないようにね。
俺、ちょっとこれからヴォルト・クラーケンと約束があるから…、また後で!』
そう言うとエックスはダッシュで部屋をでていった。
A:『噛まないでね…。』
そういうとエイリアはケージの入り口を開けた。
D:(噛むもんか!大切な君の手を噛んだりなんてしないさ!)
A:『おいで…。』
素直にエイリアの手に乗るハムスターダイナモ。
A:『いい子ね…。』
包みこむようにハムスターダイナモを両手の真中あたりに乗せるエイリア。
A:『あのね…、私のすっごく大切な人がね…来るはずなのに来ないの…。』
D:(ここにいるよ!!ちゃんと来てる!!)
A:『ダイナモって言うんだけどね、ふふ。デートの時、すっごく早く来るのよ。だから…来ないの…変だよね…。』
D:(エイリアぁぁぁぁぁーーーーーーーーー!!!!!!!!)
A:『どうしよう…何かあったのかもしれない…。』
D:(キミの前にいるんだってばぁぁ!!)
A:『そしたら…私…。生きてけないよ…。』
D:(エイリア…。俺…ここにいるんだよ…。ちゃんといるよ…。)
A:『私さ…、最近…ちゃんとダイナモと話せなくて…、ダイナモに嫌な思いさせてたんじゃないかなって思ってて…、だって、すっごく寂しそうな顔、するんだもん…。だから今日…、ちゃんと謝ろうと思ってたの…。』
D:(あ…謝るって…、そんなコト…。ってか俺そんな顔してたんだ…。)
確かにそうかもしれなかった。
D:(なんか最近ギクシャクしてるみたいな…、そんな雰囲気してて…、確かに俺、ちょっと寂しかったかも…。)
A:『どうして…話せなかったんだと思う…??』
D:(どうして…??教えて欲しいさ…。)
A:『あのね、私、誰かをすっごく好きになると、逆に緊張しちゃうの…、目、見たりするのとか、なんか…、恥ずかしいっていうか…。何話せばいいかわからなくなっちゃたり…。』
D:(エイリア…、そういうこと…だったのか…。)
嫌われたんじゃないか。と思ってた自分が馬鹿らしくなってきた。
エイリアはこんなにも自分を想っていてくれたというのに。
A:『ダイナモ…どこ行っちゃたのかな??』
D:(どこにも行ってない…、どこにも…行ってないよ…。)
D:『キュ…キューキュー…。』
自分でも驚いた。
D:(ハムスターってこんな声だせるのか…!!)
A:『キミも心配してくれてるの…??』
D:『キュ…!!キュー!!キュー!チチーー!!(ダイナモだ!!俺だよ!エイリア!)』
D:『キュー!!キュキュキュー!!キュー!!(謝るのは君じゃない!!俺の方なんだ!)』
A:『そうだよね…。』
D:(…え??)
一瞬止まるハムスターダイナモ。
A:『ダイナモが…、何も言わないで…どこかに行くわけ…ないよね…。約束破るわけ…ないもん…。きっと、ゴメンゴメンエイリアとか言って、ドア開けて入ってくるんだから…、あの…バカ…。』
エイリアの頬を涙がつたい、落ちていった。
それがぽつん、とハムスターダイナモにあたる。目を閉じるダイナモ。
D:『そうだ…、俺は…バカだよ…。キミの気持ちにちゃんと気づいてやれなかった…。こんなにキミは俺のことを想っていてくれてたのに…。バカだよな…俺…。』
そう言って、エイリアを抱きしめるダイナモ。
D:(…って、えええええええええええ!!???)
目を開くダイナモ。
今まで自分の上にあったエイリアの顔が下にある。
D:(戻ってるぅぅぅぅぅ!!!)
A:『えっと…あの…ダイナモ…だよね…あ…アレ…ええ??』
顔を真っ赤にしながら、混乱しまくるエイリア。そりゃそーだ。
ダイナモはギュウッとエイリアを抱きしめた。
D:『エイリア…、ゴメン…今は何も聞かないで…。俺、ちゃんとここにいるから…。』


In ヴォルト・クラーケンのお家♪
ぴーんぽーん
V:『はーい♪』
ドアをあけるヴォルト・クラーケン。
X:『こんちわー♪お久しぶりだね♪』
V:『そうね♪さ、入って入って♪』
X:『おじゃましまーす♪』
V:『おじゃまされるわね〜〜♪あ、そこ座って。』
X:『はーい♪』
言われた椅子にすわるエックス。
V:『エックス…実は…謝らなきゃいけないことがあるの…』
X:『へ?』
V:『前…、言ったでしょ?誕生日の日にとっておきのプレゼント、あげるって。』
X:『うん。なんか発明したから、って言ってた。』
V:『ゴメンなさい…。ちょっと事情があって…、使っちゃったの…。』
X:『そうなんだ…あ、でも別にいいよ。気にしなくて。心だけで十分♪でも、結局なんだったの?そのとっておきのプレゼントって。』
V:『あのね…、恋する2人の愛がピンチになった時に助けてくれるお薬なの。』
X:『そ…それはまたすごいものを…。』
V:『ま、ゼロとあなたならそうそうピンチにはならないだろうけど、
でも、2人には末永く幸せでいてもらいたいし♪』
X:『それはどうも…。あ、もうそろそろ行かなきゃ、ゼロが待ってる。あのさ…、薬のことなんだけど…。』 
V:『何?』
X:『もしまた作れたら…まず俺に一番に教えてくれる??』
V:『もちろん♪あなたのそういうところだーい好き♪♪』
エックスに抱きつくヴォルト・クラーケン。
X:『俺もだーい好き!って言いたいけど、ゼロ地獄耳だから…。それに最近怒りっぽいし。』
V:『そうね。』
そう言ってエックスから離れる。
X:『じゃあね。』
V:『じゃあね。また来てね。』
ばたん、と閉まるドア。
そのドアにむかってヴォルト・クラーケンはこう言った。
V:『そう、駄目よ…。エックス。ゼロを絶対離しちゃ駄目。あなたが相手だから…。私はゼロを諦められたんだから…。』


ぞくり。
Z:『な…なんか寒気が…。』
それは暑い夏の夜のことでした♪



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って言うか可愛い過ぎです!!持って帰りたいです〜v
野郎扱いされて切れるヴォルト・クラーケンも好きですv
ダイエイで・・ラブで・・ハムで・・vああん、もう最高ですよえりゆー”さん!!
コレでダイナモさんとエイリアさんはより一層絆が深まった事でしょうv


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