■Hamster Dynamo■
by えりゆー”さん
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D:『ふ…、俺としたことが…。』
誰もいない休憩室。3、4個の自動販売機、観葉植物、
そして水槽などがぽつんぽつんとおいてある。
D:『エイリアとのデートの時間に…、』
壁にかけてある時計の音が、チッ…チッ…と部屋に響く。
D:『2時間も早く来てしまったーーーーーーーー!!!』
ふぅ、とため息をつく。
D:『快挙なんだろーけど…。待ってるのには長いし…、一旦帰るには短すぎるし…。』
と、そこで休憩用の大きめな椅子が目に入る。
D:『寝てるか…。』
そう言うと、ダイナモは椅子に座って目を閉じた。
D:(なんか…、最近エイリア冷たいんだよなぁ…。もしかして…俺…嫌われたか…??)
そんなことを考えながら、ダイナモは夢の世界に落ちていった。

IN夢の中
?:『ねぇねぇ。』
つんつん、と誰かがダイナモをつっつく。
D:『んあ???』
D:(ヘンな所だなぁ…、あ、夢の中か。)
D:『誰だよ…。』
後ろを振り向いてみる。が、誰もいない。
D:『ま・・・、夢なんてこんなもんだよな・・・。』
?:『こんにちは』
D:『うわお!!!』
いきなりあらわれたレプリロイドにビビるダイナモ。
D:『誰アンタ??』
?:『誰アンタ??じゃないでしょ。礼儀ってものをしらないの?ぷんぷん。』
D:『礼儀もなにも・・・アンタは俺の夢ン中の住人だろーが。』
?:『まあ、いいわ。ところであなた。』
D:『俺?』
?:『アンタしかいないでしょーが!!!』
D:『そりゃそーだ。』
?:『あなた・・・、大切な人の愛を信じられなくなってるわね??』
D:『な・・・!?そ・・・、そんなこと・・・。』
絶対ない。そう自信をもって言えなかった。
D:(違う・・・!!信じてないなんて・・・そんなワケじゃ・・・。)
?:『ワタシが愛のキューピットになってあげるわ。』
D:『はぁ??』
思わずすっとんきょうな声をあげるダイナモ。
?:『愛のキューピットになったげる、って言ったの。』
D:『アンタみたいなイカ野郎に何ができるんだよ。』
は!と笑うダイナモ。
?:『イ・・・イカ野朗ですってぇぇぇぇ!!??
野朗って・・・!!野朗って男って意味よね!?そうよね!?
もーーーーーーーう怒こったわぁぁぁぁぁ!!!!』
ビシィ!!とダイナモを指差す謎のレプリロイド。
?:『あんたなんか・・・、あんたなんか・・・、愛の涙をその身に受けるまで・・・、ハムスターになっちゃいなさーーーーーーい!!』
謎のレプリロイドの指から緑の光線が発せられ、ダイナモを貫く!
D:『ぐあああああああ!!!!??』

IN 現実世界。
D:『・・・!!』
飛び起きるダイナモ。
D:(なんちゅー夢を見るんだ俺は!!)
ばたん。休憩室のドアが開いた。
エックスが入ってきたのだ。
D:(よぉ!エックス)
………。
D:(あれれ…??声が…。)
X:『うわぁ♪』
エックスはドアの外を見て、ニコっと笑った。
Z:『なんだよ。気持ち悪い。(可愛いけどさ)』
X:『ゼロゼロ!!入ってきて見てみなよ!!』
Z:『なんだよ…。』
しぶしぶ、休憩室に入るゼロ。
X:『ほらほらコレ♪』
D:(ほらほらコレ♪じゃねぇ、ヒトのコト指差してしかもコレとはなんだ!?)
…と言いたいのだが声がでない。
Z:『なんでこんなもんがこんなトコに・・・??』
X:『こんなもんなんて言うなよ!ハムスターだよ!!』
D:(ハ……ハハハハハムスタぁー!?)

?:『あんたなんか…ハムスターになっちゃいなさーーーい!!』

夢の中の声を思い出すダイナモ。
D:(ま…まさか…。)
X:『ほらほら、すっごく可愛いよ♪ゼロ♪』
そう言ってハムスターを包み込むようにして持ち上げるエックス。
D:(やっぱり俺のコトかーーーーーー!!!)
Z:『可愛いのはいいが…、どうすんだ?それ?』
X:『飼う。』
即答するエックス。
Z:『駄目だ!最近、ハムスターが原因の病気みたいなのだってあるんだぞ!?』
X:『そ…そうなの…!?でもこの子がそんな病気みたいの持ってるかどうかわかんないし…。』
Z:『わかんないから、駄目なんだろーが!!』
X:『ぜぇ〜ろぉ〜……。』
うるうる涙目でゼロを見つめるエックス。
Z:『うぐ……!?』
ゼロの気持ち:(グラグラグラグラグラ…。)
X:『ぜぇ〜ろぉ〜。』
ぽつっ…と一筋の涙が頬を伝う。
ゼロの気持ち:(グラグラグラグラ…ガッシャーーン)
Z:『ライフセーバーに診てもらうか。あいつんトコ、レプリロイド以外でもデータあるらしいから…。』
X:『そだね♪ゼロ♪』
Z:『ほら、これで涙ふけ。』
あさっての方を向きながらハンカチを渡すゼロ。
X:『アリガト…vv』
D:(だぁぁぁぁーーーーーーー!!!俺の前でラブラブパワーを炸裂させるなぁーー!!コノヤロコノヤロ!!!)
実は、エックスに持ち上げられてからずっと、ハムスターダイナモはエックスの手に噛み付いていたのだが、分厚い手袋(しかも戦闘訓練用)の上からでは、全く気づいてもらえなかった。
X:『ねぇねぇ知ってるゼロ?こういう種類のハムスターってジャンガリアンって言うんだよ。』
D:(しかも俺はジャンガリアンかぁぁぁぁぁ!!!)

INライフセーバーの診療室。
L:『・・・で、私にこの子を診てもらえないか・・・と。』
X:『はい・・・。』
L:『・・・運がよかったな。』
X:『え??』
L:『私もハムスターが好きでな、昔から色々と研究したことがあってな。』
X:『へぇ〜。』
L:『ちょっと待ってろ、今この子のデータをとるから。』
X:『は〜い。』
ライフセーバーの手の中であばれまくるハムスターダイナモ。
D:(は〜な〜せ〜!!!お〜ろ〜せ〜!!!)
L:『怖がりでちゅねぇ〜。大丈夫でちゅよぉ〜。す〜ぐ終わりまちゅからねぇ〜』
D:(うわ!キモ!!こういう奴だったのか…。って、んなコトはいいから離してくれぇ〜〜〜)
努力のかいもなく、診療用カプセルに入れられるハムスターダイナモ。
L:『は〜いじ〜っとちててくだちゃいねぇ〜。』
さすがにここで暴れるとやばそうなのでじっとする
ハムスターダイナモ。
ビーーーーっと診療用レーザーがハムスターダイナモの上を通っていく。
L:『ふむ…。』
パネルに映し出されたデータを見て頷くライフセーバー。
高速プリンターでそのデータをプリントアウトすると、
ハムスターダイナモのはいったカプセルを開けた。
L:『いい子でちたねぇ〜〜。』
D:(うあああああ。なんでもいいからその口調はヤメロぉ〜〜!!)
エックスの方に戻る、ライフセーバー。
なんとそこには、移動用専用のハムスター用の小さなカゴがあった。
L:『いつの間に…??』
X:『ゼロが買ってきてくれたんです!!』
Z:『ふん。』
腕をくんであさっての方を向くゼロ。
X:(もう照れちゃって…vv)
L:『では失礼して…。』
かちょん、とカゴを開けてハムスターダイナモを中に入れる。
D:(だぁぁぁぁぁ!!!ゼロぉぉ!!
余計なことをぉぉぉぉ!!これじゃ出れないじゃん!!)
L:『特に身体的な異常はなかった。極めて…健康体だ。』
X:『ありがとうございます!!』
とんとん。ノックの音。
L:『どうぞ。』
がちゃり…。ドアが開いた。
DG:『失礼します。おおっ!!この子が例のハムスター!?』
ハムスターダイナモを見るやいなや、感嘆の声をあげるダグラス。
X:『そうだよ♪かわいいでしょ♪』
DG:『すっごい可愛いいいいいい!!!で、エックス。実はプレンゼントがあるんだ!』
X:『ええ!?ナニナニ!?』
DG:『それは見るまで秘密♪ほら、エックスの誕生日を兼ねて・・な♪』
X:『アリガトー!ダグラス!』
DG:『よし!休憩室に置いてあるからそっちに行こう!!』

そしてIN休憩室。
DG:『これだよ♪』
X:『うわぁ♪』
なんとそこにあったのはハムスター用のケージであった。
しかもかなり広め。回し車、餌箱、給水機、小屋完備である。
D:(俺をここに入れる気かぁぁぁぁ!!!!)
X:『ホンットにありがとうダグラス!!』
DG:『いやぁ、実はさ。俺ハムスター飼おうとおもってケージとか全部買ったんだけど…。そのすぐ後にペット禁止の部屋に移ることになちゃってさ…。』
X:『ハムスター君。今日からここがキミのおうちだよ♪』
D:(いやじゃああああああ!!!)
だが所詮はハムスター。ケージの中に入れられ、
入り口を閉められてしまった。
X:『あ!そうだ部屋の整頓しておかないと!ケージ置けないや!ね、ここにおいといても大丈夫かな?』
DG:『大丈夫だって。まあ、俺も仕事あるから、見てるってわけにもいかないけど。』
X:『そうだね。待っててねハムスター君!!』
ダッシュするエックス。
そしてそれを追うようにして出て行くダグラス。
ふう、とため息をついて続いてゼロが休憩室から出て行った。
し〜〜〜〜〜ん…。
静まりかえる休憩室。
D:(どどどどどどどどうすればいいんだ!?!?)


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