REVENGE
by No.014 栗留さん
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「衝突」




ダイナモが書類をまとめているエックスに突然こんな質問をした。
「なあ、お前まだアルとやってない訳?」
「え?何が?」
全く理解していないエックスにダイナモが当然といわんばかりにエックスの耳元でささやいた。
「きまってんじゃ〜ん・・・・・。」
ダイナモの言葉を聞いた瞬間、
「!!」
エックスは派手に椅子から転倒し、書類をばらまいた。
「な、ななな何言ってんだよ!?お、俺は・・・・」
真っ赤な顔をして椅子に座り直すエックス。ダイナモはつまらなそうに自分の椅子を回しながら言った。
「なんだよー、お前等付き合い長いんだろ?」
「なんでそれを・・・・!!」
「お前らの事、一部じゃ有名だぜ?知らなかったのか?」
その時、アルファが部屋に入って来た。
「エックスーっ。手伝いに来たよー。おお!ダイナモもいたんだ。」
アルファの声にエックスが反応し、何事も無かったような態度を取ろうとしたが、顔に動揺の色がはっきりと見えていた。
「・・・どうしたの?」
不審そうな眼でエックスを見るアルファ。ダイナモはアルファに軽く挨拶をし、彼女に近づいた。
「なあ、アル。最近どうよ、エックスと。」
「へ?・・・普通だけど?」
あまりにも平凡なリアクションに溜め息をついたダイナモは、さらに彼女に追求した。
「どこまでいったのか聞いてんだよ俺は!」
エックスの様子とダイナモの言葉を聞いたアルファは、意味がわかったらしく、彼の髪を引っ張り小さな子供のように叫んだ。
「どーしてそんな話題を振るかな!!」
ダイナモはアルファの手を抑える。
「だってよー、お前ら遅くねえ?付き合いは俺らと比べれば長いだろうに。」
「あんたらが早すぎるんじゃー!!」
そう言ってアルファはダイナモに回しゲリを喰らわそうとした直前、
バコッ!!
ダイナモは後頭部を何者かに叩かれ、うずくまった。彼の後ろの人物を見るアルファ。
「あれ?・・・ニート。」
「騒がしいと思って来て見れば・・・。」
ニートは3人を睨みつけて、こう言った。
「くだらん無駄話をしている暇があったらさっさと仕事を終わらせたらどうなんだ!?」
エックスとアルファは申し訳無さそうに頭を下げる。
「すみません・・・・・。」
ダイナモは反省の色を見せず、彼に言う。
「もうちょっとリラックスしないと体持たないよ、君。」
ニートは聞く耳持たないといわんばかりの態度を示す。
「お前はもう少し緊張感を持たないと命を落とす事になるぞ!!
・・・・別にお前が死んだってこちらに影響が及ぶ事はないから構わんがな。」
その言葉を聞いたエックスは、席を立ち上がった。
「ニート!今の言葉はいくらなんでも不謹慎だぞ!!」
しかし、ニートは相変らず冷たい態度を取る。
「本来ならこいつはイレギュラーとして処分されるはずだったんだ。正式なハンターでもない上、俺達を妨害してきた奴に情けをかける必要は無い!!」
アルファは怒りに満ちた声でこう言った。
「あんた、何いつまで過去にこだわってんの!?ダイナモにだって事情があったんだよ!?」
ニートはそんな彼女を鼻で笑う。
「フン・・・お前、まだダイナモもろともエイリアを殺そうとした事を気にしてるのか?くだらんな。」
アルファは絶句し、歯ぎしりをした。エックスはニートの目の前に歩み寄り、彼を殴った。
「・・・今の言葉、もう一度言ってみろ!!今度は顔だけじゃ済まさない!!」
ニートはエックスを睨みつけ、後ろを向き出口に向かった。
「どいつもこいつも・・・・甘いな。」
そう言ってニートは部屋を去って行った。

「くあー!!何なのアイツ!!本っ当むかつく!!」
アルファは頭を掻き毟りながらケインとリオルに今日の出来事を話した。
「そりゃ大変だったわねえー。」
リオルは笑いながら彼女の話を聞いている。
「笑い事じゃないんだよ!?アイツったらいっつも格好つけちゃってさ!!しかも無愛想で怒ってばっかだし・・・特にダイナモが来てから、余計酷い性格になっちゃって・・・。」
「ダイナモねえ・・・。」
リオルは溜め息をついた。
「アル、昔のニートについて話しましょうか。」
「ニートの?」
ケインのメンテナンスを受けているエックスが、リオルの言葉に興味を示した。
エックスのメンテナンスを終わらせたケインがリオルに言った。
「折角じゃ、話してやるとええ。」
リオルは頷き、ゆっくりと語り出した。
「ニートはね・・・元々第9部隊の特A級イレギュラーハンターだったのよ。」
「えー!?」
アルファは思わず大声をあげる。

同じ頃、ニートは自分の部屋にいた。机の上のペンダントを眺め、ニートは頭を抱える。
「マグニィ・・・エレナ・・・俺は・・・。」


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