真空管



1)真空管のしくみ

真空容器の中に2つの電極を置き、片方の電極を高温にします。
高温の金属板をカソード、もう一つの金属板をプレートと呼びます。


図のように電圧を加えると高温のカソードから飛び出したマイナスの電荷を持った電子が、
プラス電位のもう一つのプレートに吸い寄せられます。
これは実線の矢印のように プレートからカソードに電流が流れたことを意味します。
電流は加える電圧に比例します、また電圧を逆にすると電流は流れません。
これが2極管です。

プレートとカソードの間に格子をいれ、この電圧を加減するとプレートとカソード間の電子の量を制御できます。
格子の小さな電圧の変化で、プレートに流れる電流が大きく変わるわけで、真空管の増幅作用の基本原理です。


格子を1個入れたものが3極管です。
その後格子の数を2個入れた4極管、3個入れた5極管、5個入れた7極管などが用途に応じて作られました。
カソードには直接加熱するものと間接的に加熱するものがあります。
前者はフィラメントと呼んでいます、間接的に加熱するものがカソードです。
カソードはヒーターで加熱されます、なおヒーターは電極の数には数えません。
真空管には直熱管と傍熱管がありますが、直熱管ではフィラメントが傍熱管ではカソードが使われます。


フィラメントは最初タングステンやトリウム・タングステンが使われました。
この材料は高温にする必要があり、通電すると明るいです。
その後研究が進み、比較的低い温度(600〜800度)で熱電子の放出が多い酸化物皮膜のフィラメントが開発されました。
このため1R5などの電池管は点灯しているのを確認し難いほど暗いです。
一方201Aなど 極く初期の真空管はこのトリウム・タングステンがつかわれていますので、点灯すると電球のように明るいです。




  
カソードとヒーターの構造。
カソードそのものはニッケルで出来た細い筒です。
その外側に熱電子の放出の容易な酸化物皮膜が塗布されています。
ニッケルの筒の中にヒーターが絶縁されて入れてあります。
ヒーターは交流で加熱する事が多いので、ハム防止の為その組み込み方にもいろいろな工夫がありますが説明は省略します。



2)ラジオ用真空管について

家庭用のラジオを修理する際、参考になる真空管情報を集めました。
ベース接続は、底面(下)から見た接続です。

ラジオ用に多用される真空管の規格表は「真空管ラジオアンプ作りに挑戦!」の規格表をご利用ください。

型名 ベース接続 ヒーター コメント

01A

5V
0.25A
ラッパ付きラジオ時代の真空管。
201→201A(茄子型)→01A(ST)と進化。
201Aが最も多い。
201Aのトリタンフィラメントは点火すると明るい。
普通はUXだがUVタイプもある。
日本製で01A表示のものは見たことがない。
1L4 1.4V
0.05A
ポータブルラジオに使われる高周波増幅5極管。
シャープカットオフ真空管ですが、高周波増幅、中間周波増幅にも使われます。
1R5 1.4V
0.05A
ポータブルラジオの周波数変換管として代表的な真空管。
フィラメント電流を半分の25mAにした1R5SFもある。
1S5 1.4V
0.05A
ポータブルラジオの検波・増幅2極5極管としてよく使われた真空管。
フィラメント電流を半分の25mAにした1S5SFもある。

1U5と電気的特性は同じだがベース接続が異なる。
1T4 1.4V
0.05A
ポータブルラジオに使われる高周波増幅5極管。
リモートカットオフ真空管なので、高周波増幅、中間周波増幅に使われます。
フィラメント電流を半分の25mAにした1T4SFもある。
1U4 1.4V
0.05A
ポータブルラジオに使われる高周波増幅5極管。
シャープカットオフの真空管ですが、高周波増幅、中間周波増幅にも使われます。
1U5 1.4V
0.05A
ポータブルラジオの検波・増幅2極5極管としてよく使われた真空管
フィラメント電流を半分の25mAにした1U5SFもある。

1S5と電気的特性は同じだがベース接続が異なる。
1V 6.3V
0.3A
最大整流電流45mA。
半波整流管、元々自動車ラジオ用に作られたものと思われます。
記録では戦前の一時期マツダでも製作したとの事、しかし日本製を見た事は無い。
12Fの代用に使えますが、ピン接続とヒーター電圧が違うので工夫が必要です。

2A3

2.5V
2.5A
電蓄(電気蓄音機)の出力管の王様。
2A3が使って有るだけで高級品。
A級シングルで電磁型SPを使うと、B電圧がふらついて苦戦した記憶有り。
昭和28年のマツダの卸価格617円(散髪180円の時代で)、
当時から高価だった。
2A5 2.5V
1.75A
42の2.5V管。
戦前の高級ラジオに使われた。
戦後はまず見かけなかった。
UZ-2A6 2.5V
0.8A
戦前の5球スーパーの検波 低周波増幅管。
2B7か57を使うことが多かったようで、日本での使用例は非常に少ないと思われる。
注)マツダ真空管の規格表にはヒーター電流1Aの記載あり、誤植なのかは不明。
Ut-2A7 2.5V
0.8A
戦前の5球スーパーの周波数変換管。
短波帯は引き込み現象が強いと言うことで、発振管が別に使われることもある。
戦後は補修用に3W-C5(6W−C5の2.5V管)も使われた。
(配線が変更されている)
注)マツダ真空管の規格表にはヒーター電流1Aの記載あり、誤植なのかは不明。
Ut-2B7 2.5V
0.8A
戦前の5球スーパーの検波 低周波増幅管。
この時代は5極管が使われた。
注)マツダ真空管の規格表にはヒーター電流1Aの記載あり、誤植なのかは不明。
3Q4 2.8V
0.05A
(1.4V 0.1A)
ポータブルラジオの出力管として代表的な真空管。
3V4とはベース接続が違うが電気的には同じ。
日本では3S4の方が一般的に使われた。
3S4 2.8V
0.05A
(1.4V 0.1A)
ポータブルラジオの出力管として代表的な真空管。
フィラメント電流を半分の25mAにした3S4SFもある。
アメリカには1.4V 0.1Aの1S4もあるが日本では製作されていない。
3V4 2.8V
0.05A
(1.4V 0.1A)
ポータブルラジオの出力管として代表的な真空管。
3Q4とはベース接続が違うが電気的には同じ。
日本では3S4の方が一般的に使われた。

3Y-P1

2.5V
0.9A
47Bの代替え品として戦後生産、6ZーP1の2.5V管。
47Bに比べヒーター電流が多い、立ち上がりが遅い(ケミコンに負担)など欠点もある。
なお3YーP1のKはヒーターの中点に接続されている。
これはマツダの特許だったので、他社では1か5に接続したものが一時期売られていた。
これを持っていれば大珍品。47BKなどと言うのも有る。
経緯は無線と実験 昭和28年4月号参照。

5M-K9

5V
0.6A
mT管の発売時は6X4しかなかった。
5V巻線のトランスを利用するため、
他のmT管に比べ、少し遅れて発売。
80HKのmT。
日本独自の球なのに、最近何故か外国ブランドの物を見かける、逆輸入らしい。
5R4-GY 5V
2A
昔送信機を作る時お世話になりました。
高電圧を作るときに使います。
尖頭陽極耐逆電圧 2800V(最大整流電流150mA)
最大整流電流250mA(尖頭陽極耐逆電圧2100Vの時)
5R−K16 5V
1.2A
最大整流電流150mA。
mT管としては大電流が取出せる。
6CA4の5V版、ただしピン配列は異なる。
5U4-G 5V
3A
5Z3のオクタルベース管。
その後TV用に改良され5U4-GBが発売された。

5Y3GT

5V
2A
80のGT管、アメリカにはG管の5Y3Gもある。
規格が少し改良されているようだ。
アメリカにはチューブ型の80が有るようだが。
5Z3 5V
3A
電蓄や大型ラジオ用の整流管。
2A3 5Z3は立派(高価)さの証明だった?。
6A7 6.3V
0.3A
周波数変換管。
引き込み現象が強く、特に短波帯では76(発振管)等と組み合わせて使った。
この為昭和23年に6W-C5が作られてから、ほとんど使われなくなった。
6AK6 6.3V
0.15A
6G6GをmT管にしたもの。
自動車ラジオ用として使われた様だ、アメリカ製は良く見かけるが、日本では神戸工業(TEN)製を見た事がある程度。
アダプターをつけて6Z−P1の代用に使うには理想的。

6AR5

6.3V
0.4A
ST管の41相当、GTでは6K6GT。
日本の家庭用ラジオではSTでは42だが、
何故かmTではこちらが良く使われた。
アメリカでは6AQ5の方が多いらしい。
おかげで、現在 高価だ。
放熱注意。

6AT6

6.3V
0.3A
6AV6より3極管のμが少し低い(100→70)、出力電圧はこちらが高くとれる。

6AQ5

6.3V
0.45A
6V6GT相当管だが、小さいので、PとG2電圧は250Vまで、無理をしない事。
放熱注意。
中古品を購入する時 TV用の5AQ5が紛れ込んでいる可能性があるので注意。
(5AQ5はレスTV用のヒーター4.7V 600mA)

6AU6

6.3V
0.3A
6BA6と同じピン接続だが、差し替えると
カット オフの関係で、不具合になる事あり。
5球スーパーのIFに使えると思っている人が居るがこれは間違い
マジック アイが閉じるような電界強度のところでは駄目。
高周波増幅(シャープカットオフ)、勿論低周波にも使える。
FM受信機のIFには良く使われている。

6AV6

6.3V
0.3A
検波と低周波増幅
3極管のμは100

6BA6

6.3V
0.3A
日本では6BD6より多少早く発売されたようで、発売時「gMが高いので発振する」と騒がれた。
5球スーパーで6BD6の代わりに使っても、カソードバイアスで使う限り、充分代用可。
でも正規の100Ωにすると発振するかもしれない。
バリミュー管なので、検波にはどうも?、と言う話も有るが、グリット検波には充分使える。

6BD6

6.3V
0.3A
6SK7GTのmT版。
6BA6に比べ使用例は意外に少ない。

6BE6

6.3V
0.3A
周波数変換管。
ほとんどの5球スーパーに使われている。

6BM8

6.3V
0.78A
ヨーロッパ生まれの複合管
低周波増幅用3極管と電力増幅5極管。
TV用に開発されたもの。

6BQ5

6.3V
0.76A
ヨーロッパ生まれの出力管。
7189や7189Aはこの改良型。
東芝はこの対抗に6R−P15を出した。

6C6

6.3V
0.3A
シャープカット オフの高周波用5極管。
日本では昭和11年に発売。
日本製の6C6はトップ グリットへのリード線は直線。
なお日本製は昭和20年代中頃から身長が低くなっている。
シールドケースとの相性に注意、これは6D6も同じ。
ほぼ同じ規格の球として77がある。

6D6

6.3V
0.3A
バリミュー高周波増幅用5極管。日本では昭和11年に発売。
終戦後は作るのが難しいと言うので、標準真空管候補から外された事もある。
トップグリッドへのリード線が螺旋状になっている。
これはマークが消えた時の目印でしょう。
ほぼ同じ規格の球として78がある、これは何故か旧軍用に多い。
6DA5(EM81) 6.3V
0.3A
ヨーロッパ系のマジックアイ。
テープレコーダーのレベル表示によく使われた。
ターゲット電圧 165〜300V 
 

6E5

6.3V
0.3A
マジックアイは寿命が有ります、段々暗くなります、一般に数百時間と言われている。
新ラジオ資料館のマジックアイを参照ください。
プレート電圧により、閉じるG電圧が変わります。
シャープカットオフ特性の3極管が封入されているのでP電圧250Vの時-7Vで閉じます。
親戚に6Z−E1や2E5などが有り、また古いものはダルマ型もあります。
一般に閉じる方を下側になるよう取り付けます。

6E5D

6.3V
0.3A
トーヨーの独自製品。
中々奇麗です。
但し、アマチュアーしか使わなかったので、今となっては珍品。
学生時代に使った時の事が忘れられない。
6F6-GT 6.3V
0.7A
42のGT管
歴史的には42→6F6(メタル)→6F6G→6F6-GT。
日本製では42とGTのみと思われる。
不思議だが、出力管はGTでは6V6-GTの方が良く使われた。

6F7

6.3V
0.3A
戦前の珍しい3極、5極複合管。
終戦後もの不足の時代には憧れの球。
ラジオ雑誌にはこの球を使った1球受信機の製作記事が多かった。
軍の放出で、多数出回った。また当時としては安かった。
見かけると懐かしさのあまり、つい大量に買ってしまった。
6G5/6U5 6.3V
0.3A
マツダは昭和13年に6G5(ダルマ)を作っています。
これはリモートカットオフ特性(-22Vで閉じる)の3極管が使われています。
スーパー受信機には最適なのですが、実際は理論より、すぐ閉じる6E5に人気が行ったようです。
(東京など強電界では短いアンテナでAVC電圧は簡単に-7Vを越します)
6E5と6G5の両方の特性を封じ込めたのが6G-E7(上下に表示)です。
これもほとんど見かけません。
6G6G 6.3V
0.15A
アメリカでは珍しい小出力5極管。
自動車ラジオ用に作られたらしく、日本製は見たこと無し。
12(6)Z-P1のモデルではないかと思われる。
ヒーター電力を除いて非常によく似ている。
47Bの例に見られるように日本ではカソード材料の点で、同じヒーター電力で作るのは難しかったらしい。
6K6-GT 6.3V
0.4A
41のGT管。
日本では余り見かけない。
神戸工業(TEN)で作った。
6L6-G 6.3V
0.9A
泣く子も黙るビーム出力管。
送信管に改良されたのが807。
本来はメタルの6L6だが日本ではガラス管のみ。
TENなどでは6L6-GTなるものを作った。
Ut-6L7G 6.3V
0.3A
アメリカの6L7-GのUt版で日本独自の製品。
混合管です、別に76などの発振管が必要。
6M−E5 6.3V
0.15A
mT管のマジックアイ。トランス付ラジオ用 ほぼ6E5相当。
6E5ーMもほぼ同じ規格。
ターゲット電圧 140〜180V
6M−E10 6.3V
0.15A
mT管のマジックアイ。トランスレスラジオ用でB電圧が低くても使える。
電気的規格は12Z−E8と同じようだ。
6R-E13 6.3V
0.2A
現在 比較的購入しやすいマジックアイ。
ただラジオに使われているのは見たことが無い。
ヒーターカソード間の耐圧が160Vあり、TVに使う事を考慮してあるのかも?。
6SA7 6.3V
0.3A
6SA7ーGTとはソケットの接続が違うので注意のこと。
6SA7-GT 6.3V
0.3A
スーパー用の周波数変換管であることは有名だが、
6SA7(メタル)とはソケットの接続が違うので注意のこと。
これはメタルとGTで異なる珍し例です。
6W-C5のお手本になった球です。
6SK7-GT 6.3V
0.3A
6D6→6K7(メタル管)→6SK7(メタル管)→6SK7-GTと進化。
メタル管とはピン互換です。
RF増幅 IF増幅に使われる、バリμ管。
6SJ7と言うシャープカットオフの真空管もあり。
6SL7-GT 6.3V
0.3A
高μ(70)の双3極管
6SN7-GT 6.3V
0.6A
中μ(20)の双3極管
6SQ7-GT 6.3V
0.3A
スーパーの検波 低周波増幅用。
双2極 高μ(100)3極管。
時代により構造が違う 2種類あり、
新しい方は6AV6と同じつくりで、2極管部がバンザイ型になっている。
メタル管とはピン互換です。
6V6-GT 6.3V
0.45A
この球を使うとなんとなく高級品のように感じた。
高級ラジオの出力管。

6X4

6.3V
0.6A
両波整流管、mTの5球スーパー用が発売された時はこれのみ。
5M−K9は遅れて発売。
6X5-GT 6.3V
0.6A
6X4に同じ(歴史的にはこちらが先)。

6W-C5

6.3V
0.35A
6SA7GTのST版、日本独自の規格。
当時の材料や電源事情により、ヒーター電流を増加して有る。
また当時 この球だけヒーター電圧を7Vくらいにして使えなどと推奨した例もある。
ただ0.3Aで作られた6WC5Aもあり。
昭和23年頃から大量に出回った、それ以前は6A7が使われた。
なお12W−C5のヒーターは12V 0.175Aです。

6Z-DH3

6.3V
0.3A
戦前のスーパー用真空管75の代わりも出来るようダイオード部分は1つにして、
他のピン配置は同じにした戦後生まれの真空管、此の為トップグリットがついた。
この球を使ったラジオは昭和23年頃までに作られた可能性が高い。
こちらが標準品だったが6ZーDH3Aが便利なので駆逐されてしまった。
(24年に作られたラジオではまず見かけない)

6Z-DH3A

6.3V
0.3A
トランスレス用の12Z−DH3Aの6.3V管。
NECがまず勝手に作ったらしい。
使って見ると便利なので、他社が真似した。
なお6ZDH3Aは電極の作りに2種類ある、2極管部をシールドした物と、6AV6の如くバンザイ型だ、後者が新しい。
改良と言うよりもユーザーから見れば改悪に近い、ハムを拾いやすい。

6Z−E1

6.3V
0.3A
6E5と同じ規格だが、影が上下に出るように改良されている。
6G-E7のように上下で、感度が違うわけではありません。
(上下対称に閉じます)

6Z-P1

6.3V
0.35A
日本を代表する真空管と言ったら怒られるかな?。
日本の家庭用ラジオに多く使われた。
愛着の多い球だ。
昔は沢山有ったが、最近は珍しい。
なお発売時の電力事情で12Z−P1に比べヒーター電力が増加されている。
また後日プレート電圧が180V→250Vに改良され、最大出力が1W→1.5Wに。
製造時期の古い物は当然昔の規格(180V)で使うべきでしょう。

12A

5V
0.25A
並四の出力管。 112→112A→12Aと発展。
古いラジオ(昭和初期 112Aの時代)には整流管として使われたものもある。
傍熱型の12AK(0.4A NECが作っていた)もある。
戦後 並四が6.3V管になった時も、6C6 76 12A 12Fで生き残った。
112Aの発売は昭和3年。

12AT6

12.6V
0.15A
12AV6より3極管のμが少し低い(100→70)。
増幅率は少し低いが、出力電圧は12AV6より大きく出来るので、アメリカでは使われた例が多いようです。
12AT7 12.6V
0.15A
6.3v
0.3A
双3極管。
ヒーターの接続方法で6.3V 12.6Vどちらでも使える。
どちらかと言うとこれは高周波で使う。
最近はHi Fi ampにも使うようだ。

12AU6

12.6V
0.15A
高周波増幅(シャープカットオフ)
勿論低周波にも使える。
間違っても、5球スーパーのIF増幅には使わないように。
12AU7 12.6V
0.15A
6.3v
0.3A
双3極管。
ヒーターの接続方法で6.3V 12.6Vどちらでも使える。
どちらかと言うとこれは低周波で使う。

なお一つのユニットだけの6C4もある。

12AV6

12.6V
0.15A
検波と低周波増幅
12AX7 12.6V
0.15A
6.3v
0.3A
双3極管。
ヒーターの接続方法で6.3V 12.6Vどちらでも使える。
どちらかと言うとこれは低周波で使う。

12B

5V
0.5A
ラジオ創世記 交流化の最初は112AのPとGを接続して整流した。
(昭和初期のラッパ付きラジオに多い、その前は電池式)
UXー112A(3極管)→KXー112A(2極管)→112B(KXは省略以下同じ)→12B→12Fと進化。
この球は4本足です。112Bが発売されたのは昭和5年です。
12Fは12年に発売されましたが、その後も12Bは売られていたようです。
(新製品のラジオにはさすがに使われなかった)
(交流入力180V 最大整流電流は30mA)

12BA6

12.6V
0.15A
高周波増幅(セミ リモート カットオフ)
主にトランスレスラジオ用。

12BD6

12.6V
0.15A
高周波増幅(リモート カットオフ)
何故かmTのトランスレスにはあまり使われていない。
主にトランスレスラジオ用。

12BE6

12.6V
0.15A
周波数変換管
主にトランスレスラジオ用。

12F

5V
0.5A
日本独自の球(交流入力300V 最大整流電流 40mA)。
12Bの改良型、昭和12年発売。
最初は4本脚だったが何時しか3本になった。
昭和15年7月号のマツダ通信に戦時規格として、今回3本脚になった云々と記載あり。
愛着有ります、戦後の子供時代 整流管は弱いので貴重でした。
シリコン整流器の無い時代は、B電源は大変な思いでした。

12FK

5V
0.5A
日本独自の球。(交流入力300V 最大整流電流 40mA)
12Fの傍熱型、他の規格は12Fと同じ。
戦後のケミコンの品質不良時代の救世主、松下が早かったと記憶する。
高1で47Bを3Y-P1に交換した場合、傍熱管の立ち上がり時間のため、
無負荷状態が十数秒続くのでケミコンが危ない。

12K

5V
0.6A
マツダなどが一時発売した、すぐ80HKやBKに変わった。
比較的珍しい。
(交流入力350V 最大整流電流は60mA)
12SA7 12.6V
0.15A
1ピンは金属ケースに接続されています。
12SA7−GT 12.6V
0.15A
ヒータ電圧以外は6SA7−GTと同じ。
メタル管とはピン互換性ありません。
12SK7−GT 12.6V
0.15A
ヒータ電圧以外は6SK7−GTと同じ。
メタル管とはピン互換です。
普通1ピンはアースに接続します。
12SQ7−GT 12.6V
0.15A
ヒータ電圧以外は6SQ7−GTと同じ。
メタル管とはピン互換です。
普通1ピンはアースに接続します。
松下の初期の製品には単2極管の12SQ7/M−GTがあります。

12Y-R1

12V
0.15A
6C6の12V管、日本独自。
昭和14年に発売、雑誌には13年末には発表済み。
資材節約の為、5本脚になっている。
高周波増幅(シャープカットオフ)。
発売初期と量産時では球の作りが微妙に違う
放送局型122 123号受信機に使われた。
なおヒーター電流を0.175Aにした12Y−R1Aもあります。
他の規格は同じですが、レスラジオには差し替えて使えません。

12Y-V1

12V
0.15A
6D6の12V管、日本独自。
放送局型123号受信機に使われた。
資材節約の為、5本脚になっている。
高周波増幅(リモート カットオフ)昭和14年に発売、雑誌には13年末には発表済み。
発売初期と量産時では球の作りが微妙に違う
12Y−V1Aのヒーターは12V 0.175Aです。
12Z−DH3A 12V
0.175A
トランスレス5球スーパー用に作られた6Z−DH3の12V球。
75との互換性が不要なので、トップグリッドを省略した。
同じピン接続にした6V球が6Z−DH3A。
歴史 6ZーDH3(75の代用可)→12Z−DH3A(代用不要)→6Z−DH3A(75代用不可)

12Z-E8

12.6V
0.15A
6E5の12V管、
但しレス用なので電源電圧が低くても動作する工夫有り。
(6E5のターゲット電圧は最低150V)

12Z-P1

12V
0.15A
6Z−P1の12V管、日本独自。昭和14年に発売、雑誌には13年末には発表済み。
でも本当は12Z−P1が先で、6Z−P1はその後(昭和20年前後)に作られた。
アメリカの6G6Gの規格によく似ているので、
6G6Gの寸法で電極をつくり、ヒータ電力を増加させた製品と思われる。
日本製のカソード材料が悪かったので、妥協の産物か?。
放送局型122 123号受信機に使われた。
カソード ヒーター間耐圧最大150V
12Z−P1Aのヒーターは12V 0.175Aです。

19A3

19V
0.15A
高周波増幅やマジックアイ付きトランスレス用として発売。
電圧が低いので、パイロットランプ(3.2V 0.16mA)が暗いのが寂しい。

24B

2.5V
1.75A
24Bは日本独自の球、24(224)の改良型。
アメリカでは24Aが有るが少し外形が大きい。
バリミユー管は製造が難しかったらしく高価で、58 57が発売された(昭和8年)後も安いためか、13年頃までは多量に使われた。
尤もバリミュー管を作ろうとしてうまく行かず、シャープカットオフを作るつもりが、グリット巻線が不揃いで、擬似バリミューになったりした可能性はある?。

24Z-K2

24V
0.15A
トランスレス用の整流管。放送局型122 123号受信機に使われた。
平滑用のコンデンサーの容量は大きくしない事(最大でも8か10μF程度)、大きいと、カソードをいためる。
昭和14年に発売、雑誌には13年末には発表済み。
カソード ヒーター間耐圧最大300V

同じ接続で36Z−K12がある、いわゆるAシリーズと一緒に使われた。
このヒーターは36V 0.175A。
25M−K15 25V
0.15A
トランスレス用の整流管、修理時 断線し易いので注意の事。
日本独自規格。
直流出力電流 70mA。
HK間電圧 最大330V

26B

1.5V
1.05A
日本独自の球。
26(226)の改良型、増幅率が少し大きい。
アメリカ製の26で電気的には代用できるが、外形が多少大きいので注意。
226は昭和3年に発売。

27

2.5V
1.75A
27Aのヒーターは1.5A、27Bは1A
227は昭和4年に発売。
27のμ:12.8、なお27Bは増幅率が高い(μ:27)。
30 2V
0.06A
電池ラジオ用の3極管。
増幅率 μ:9.3
国防受信機などに利用。
同じ特性で外形の異なる兄弟がある。
30MC 2V
0.12A
30を2個封入した日本独自の複合管。
軍用に使われたので、戦後大量に放出された。
マジックアイのようなストレートタイプのガラス管。

30A5

30.0V
0.15A
トランスレス用の出力管。
35C5より、少し遅れて発売。
元々はヨーロッパ系の球、5極管
33 2V
0.26A
本来は電池ラジオ用の出力管。
日本独自の出力管47Bの原型になったと言われている。
両脚にそれぞれ1オームの抵抗を入れれば47Bの代わりに使える。
日本製はST38だがアメリカ製は一回り大きい。
35 2.5V
1.75A
4極のバリミユー管で、製造が難しかったのか、日本ではもっぱら24Bの方が使われた。
35L6−GT 35V
0.15A
トランスレス用のGT出力管。
ビーム管。
50Vヒーターの50L6−GTもある。
35Z5−GT 35V
0.15A
トランスレス用の整流管、修理時 断線し易いので注意の事。
最大整流電流 110mA
松下の初期の製品にはランプ用の引き出し線の無い35Z5/M−GTがあります。

35C5

35.0V
0.15A
トランスレス用の出力管。
30A5より発売は早い。
一般的に、この球を使ったラジオは発売時期が古い。
ビーム管で、35L6−GTに電気的特性はほぼ同じ。
35L6-GT 35.0V
0.15A
トランスレスラジオ用の出力管。

35W4

35.0V
0.15A
トランスレス用の整流管、修理時 断線し易いので注意の事。
最大整流電流 100mA(PL無しの場合)
ラジオ修理メモ」を参照ください。
5球スーパー用に日本独自規格の25M-K15(25V 0.15A)もある。
これはヒーター端子Eが出ていない。
35Z5-GT 35.0V
0.15A
トランスレスラジオ用の整流管。

B37

0.15A トランスレス用の安定抵抗管、37V用。
放送局型123号受信機に使われた。
他に放送局型122号受信機に使われたB49(49V用)も有る。
電灯線電圧の変動にも対応出来る。
最近の電力事情では普通の抵抗やコンデンサーで代用しても可。
38 6.3V
0.3A
日本でも作られたが、あまりなじみの無い球。
6Z-P1を5本足にして、トップグリッドをつけたような形。
もちろんこちらの方が時代的に古い。
41 6.3V
0.4A
6AR5の御先祖。
6K6、6K6GTなど兄弟がある。
日本では戦後あまりなじみが無い、軍用に使われたらしい。

42

6.3V
0.7A
47の傍熱型として開発された。
日本の高級ラジオの出力管として最も多く使われている。
兄弟に41(mTでは6AR5)が有るが、何故か日本では42が多い。
また他に兄弟が多数(6F6 6F6G 6F6GT)。
日本では昭和9年に発売。
45 2.5V
1.5A
最大出力2Wの高級電蓄用出力管。
超45などと言う日本製の球もある(貴重品で有名)。
戦後はマツダが作らなかったので、なじみが無い。
(最近は一般的だが)
47 2.5V
1.75A
5極出力管のはしり、5極管を3極管と同じように使ったので、
音が悪いと最初 悪評だったらしい。
他に日本では47Bをはじめ47A 47C 47D 47G 47H 47Kなど47と互換性の無い紛らわしい球がある。

47B

2.5V
0.5A
アメリカの33(233)を手本にヒーター電力を増し、
2.5V管にした出力管。この時ガラスの大きさをST38にしている。
247Bは昭和7年に発売。
戦後マツダが3Y−P1を代わりに作って、生産中止にしたので、
エミ減球が多く、活きている47Bは極端に少ない。
33を使った代用真空管の作り方はラジオ修理メモ15をご覧ください。
50C5 50V
0.15A
トランスレスラジオ用の出力管。
電源電圧の関係でアメリカでの使用が多い。
50L6-GT 50V
0.15A
トランスレスラジオ用の出力管。
日本では使用例は少ない、電源電圧の関係でアメリカでの使用が多い。

56

2.5V
1A
並4の低周波増幅用として多数使われた。
なお56にも茄子型がまれにある(普通茄子型は3桁数値だが)。
またメッシュプレートの56もある。
(太平洋戦争当時作られた56Aは0.8A)
日本では昭和8年に発売。

57

2.5V
1A
第2世代の並4の検波管。
(太平洋戦争当時作られた57Aは0.8A)
高周波増幅(シャープカットオフ)
勿論低周波にも使える。
日本では昭和8年に発売。

57S

2.5V
1A
24Bの代わりに作られた真空管。
少し性能が上がる。
「修理メモ」にも書いたが、中身は57そのもの。
メーカーによっては24Sと表示したものもある。

58

2.5V
1A
バリミユーの高周波用5極管。
(太平洋戦争当時作られた58Aは0.8A)
日本では昭和8年に発売。
75 6.3V
0.3A
μ 100 6Z-DH3の2極管部を2個封入したもの。
当然こちらが古い。
6Z-DH3はこの75の代わりに使えるよう、ピン配置が決められた。

76

6.3V
0.3A
56の6.3V管
昭和10年に発売。

80

5V
2A
両波整流管。
大型のラジオや電蓄で使われた。
80は昭和9年に発売。

80BK

5V
0.7A
80の半波と言うよりは、12Fの傍熱、強化版。
(最高交流入力 350V 最大整流電流 75mA)
何故かマツダは作らず、80HKを作った。
なお戦前80Bと言うのが有ったが、これは直熱。
(ヒーター1.25A、整流電流は70mAの半波)

80HK

5V
0.6A
12Kの強化版、80BKとほぼ同じ。
(最高交流入力 350V 最大整流電流 65mA)
ヒーターがBKの0.7Aにくらべ0.6Aなので、
旧来の0.5A巻線でも無理が少ないのが12Fの補修用としてはメリット。
80BKか80HKのどちらを採用するかは、電流値の制限より、
使われる真空管メーカーによって決まると考えてよい。
保守用にはどちらを使っても実質的に問題は無い。

80K

5V
2A
80の傍熱型。
戦後は松下が作ったが、戦前にもあり。
戦前のはヒーターの中点にカソードが接続されていたとの事(藤室さんの「真空管半代記」参照)。
83 5V
3A
水銀整流管。
整流時の電圧降下が15V一定と少ないので、大電流用に使われる。
TV−7などの真空管試験器に使われているのは、この15V一定と関係あり。
内部が充分温まってから高圧をかけるのが原則。
83V 5V
2A
83に匹敵する高真空整流管の意味でVをつけたそうだが?。
175mAで25Vの電圧降下
199 3.3V
0.063A

検波増幅用3極管、RCAの初期のスーパーにも使われた。
UXとUVタイプがある。
201A    5V
0.25A
ラッパ付きラジオ時代の真空管。
201→201A(茄子型)→01A(ST)と進化。
201Aが最も多い。
201Aのトリタンフィラメントは点火すると明るい。
普通はUXだがUVタイプもある。
日本製で01A表示のものは見たことがない。
CZ-501D 3.5V
1A
増幅用5極管。GMは3500マイクロモー。
電電公社の中継用増幅器に使われたらしく、昔は放出管が大量に入手できた。
ヒーター電圧が3.5Vなのは直列接続で電話局のバッテリーで動作させたらしく、電流が1A。
出力管の504Dも同じ理由。
兄弟にCZ-501Vがあり、これは6.3V(0.55A)管。
CZ-504D 5V
1A
電力増幅用5極管、特性は42に近いが少し違う。
電電公社の中継用増幅器に使われたらしく、昔は放出管が大量に入手できた。
GMは3500マイクロモー
ヒーター電圧を工夫して42の代わりに使うと便利だった。
兄弟にCZ-504Vがあり、これは6.3V(0.9A)管、これは少なかった。
UY-807 6.3V
0.9A
愛着あります、泣く子も黙る807。
アマチュア-には無くてはならぬ送信管。
大型拡声器の出力段にも使われた。

3)真空管の型名の付け方

3−1)米国式(レトマ式)
A)旧方式
初期の頃は200 201 199 112 226など数字で表していました。
200から始まって、前後に続いたようにも見えますが、必ずしも開発順に番号がつけられたわけではありません。
この時代、改良が行われると数字の後に英文字をつけて区別していました。
例えば201の改良は201Aなど。
ナス(S)管からダルマ(ST)管に変わる頃、最初の数字を省略し、2桁の数字で表すようになりました。
112A→12A 245→45など。
B)工業用真空管  主に工業用に使われるもので登録順に4桁の数字で表す→5750 5751.

C)新方式
数字 英文字 数字
真空管の種類が増えてくると数字だけでは区別できなくなり、新しい命名法がつくられます。
最初は英文字一つでしたが、足りなくなり2文字になります。
6C6 6D6 12AU7 6K7 6SK7

数字列 −− 概略のヒ−タ−電圧を示す(V単位小数以下切り捨て)
英字列 −− 1〜2文字.区別のため記号で大体製作順のアルファベット。
         ただ6K7をシングルエンドに改良したものを6SK7とつけるなど、味な命名もあります。
数字列 −− ヒーターを1と数え、その他の電極で引き出された数との合計を示す。
英文字 −− 改良を表す。


ヒーター電圧
0:冷陰極
1:1.6V以下
2:1.6Vを越え2.6V以下
3:2.6Vを越え3.6V以下

6:5.6Vを越え6.6V以下
n: (n-0.4)Vを越え(n+0.6)V以下。
但しロクタル管は区別の為か、6.3V管に7が、12.6V管には14が用いられています

D)サフィックスについて
改良が加えられると元もとの型名に12BH7Aや5U4Bのごとくサフィックスがつけられます。
もう一つ 
元々メタル管として開発された6F6のような真空管の場合、だるま型のガラス管が6F6G、GTの場合6F6GTのようにGまたはGTをつけます。
ほとんどのものはベース接続の互換性があるが、6SA7(12SA7も)と6SA7GTはベース接続が異なります。

3−2)日本製真空管の名前の付け方
日本の真空管技術はアメリカからやってきたものが多かったので、アメリカ名をそのまま使うことが多いです、
しかし独自の命名法も昭和13年に決められました。
日本独自の真空管の名前は12Z-P1の如く 通常-が間に入ります。
面倒なので省略することも多いのですが、厳密には間違いです。

それまでは
A)メーカーごとに自由につける。
NVV 6など  これは大正から昭和初期にかけて多いです。
B)27B 24Bの如くアメリカと同じ型名にBとかCとかの付加文字をつけてあらわす。
これは昭和になってから始まったようで、戦後も一部6E5Dの如く続きました。
47と47Bの如く似て非なるものもありますが、大部分は改良型に多いです。
「超45」、「ソラ」などユニークな名前もあります。
また30を2本封入した30MCとか、12A 2本封入の12Cなど日本軍用のものも有ります。
C)規則化された日本式命名法
12Z-P1の如く系統だった名前付けは昭和13年に最初の記録がみられます。
この規格は「臨時日本標準規格第53号」によって決められたようです。
「数字 英文字―英文字(n) 数字 英文字」の形で命名されます。
ここで最初の1桁目の数字はヒーター電圧を表します、2桁目はベース 3桁目は用途 4桁目の数字は区別となっています。
ヒーター電圧を表す最初の数字は新 旧 2方式ありますので、最後に述べます。
☆ベースを表す英文字
 X:UX、 Y:UY、 Z:UZ、 W:Ut 
 G:オクタルベース、M:7ピンmT、R:9ピンmT
(T:大型7ピン S:8本脚 Q:エーコン管)
用途を表す英文字
ベースを表す英文字と用途を表す英文字の間には必ずーが入ります。
☆複合管の場合に用途の部分はユニットごとに併記します(例 6R−DHV2)。
 D:検波用2極管、 K:整流管、 L:低増幅率3極管、
H:高増幅率3極管 A:電力増幅用3極管、R:電圧増幅用5極管、
V:可変増幅率5極管 P:電力増幅用5極管、B:ビ−ム出力管
C:周波数変換用7極管、 E:同調指示管
(S:空間電荷 G:ガス入り整流管 T:ガス入り格子制御管 X:その他)
注)括弧内の表示は無線と実験1941年5月号の記事による
☆用途の後に続く4文字目の数字は区別の為です。
半波整流管は奇数、両波整流管は偶数を使用。
☆ヒーター電圧を示す最初の数字について
この最初の数字には旧と新の2種類の付け方があります。

旧方式  日本電気規格第7001号における最初の数字

下記に規則で命名します。
ヒーター定格電圧 1項目の数字
1V以上2V未満     1
2V以上2.5V未満 2
2.5V以上4V未満 3
4V以上5V未満 4
5V以上6V未満 5
6V以上7V未満 6
7V以上8V未満 7
8V以上は小数以下を切り捨てた数字とする。


新方式  JIS C7001規格   昭和31年12月以降適用
これは上記の日本電気規格第7001号の改定版と思われますが、こちらでは0.6V
で切り捨て、それ以上は切り上げ方式で、アメリカのレトマ方式に合わせています。
例えば2.5Vの3Y−P1は旧方式の命名で、4.7Vの5R-DDH1は新方式による命名です。
またUX-などベースの種類を表す記号を型名の前に前置していましたが、
これもいつ頃からか省略することが多くなりました(UX−12A UZ−42など)

個々の規格は日本独自の真空管規格表を参照ください。

4)マジックアイ(6E5)の表示面

マジックアイは消耗品です、新品の時の輝度は段々低下し、最後は殆ど光らなくなります。
普通の球の寿命の10分の1くらいと言われています。
光らなくなった6E5も増幅用には使えます、どちらかと言うと6ZDH3Aより76に近い??。
なお6ZDH3Aの代わりに挿しても、音が小さくなるが、ラジオは動作します(ゲルマ検波にすればなお良い)。
6E5は動作面が下側になるように取り付けるのが通常の使用法です(写真を参照)。
寿命や動作原理についてはマジックアイをご覧ください。

型名 写真 コメント
6E5 最も普及したマジックアイ。
手持ちの球のメーカーだけでも10社以上ある。
トーヨーのが断然多い。
恐らくOEM供給もしていたと思われる。
写真で赤い部分が有るがヒーターが写ったものと思われる、
相当輝度が落ちたもの。
6Z−E1 東芝や松下等も作った。上下に表示されるので、
日本のように箪笥の上にラジオを置く場合、便利。
写真で赤い部分が有るがヒーターが写ったものと思われる、
相当輝度が落ちたもの。
6E5D トーヨーが作った独自の6E5。
アマチュアーが喜んで使った、小生も学生時代好んで使った。
曲がりなりにも輝度の有る、6E5Dは珍品中の珍品。
とにかく奇麗。
6E5P 残念ながら、輝度は0です。


5)真空管のシールドケースについて

6D6など高周波増幅用の真空管は必ずシールドケースを使ってください。
使わないとプレートとトップグリッド間の微少容量で帰還が発生し、結果的に発振しやすくなります。


   


 

mT管は真空管のガラス内部に円筒状のシールドと、ステム部分にもシールド板が組み込まれています。
このため外部に発振防止用にシールドケースを使わなくても大丈夫です。
注意することはソケットのセンターピンを必ずアースすることです。
ステム部分のシールド板とこのセンターピンの働きでプレート グリッド間の結合を減少させています。

なお6AV6など低周波増幅管にシールドケースを使っていることがありますが、
この球はプレートがむき出しなので、ハムなどの誘導防止用です。
GT管やメタル管の場合 原則1ピンをアースします。
このピンにメタル管の金属部分が接続されているからです。
GT管の6SK7−GTなど金属の袴をはいたG球もシールドは1ピンに接続されています。

6)昭和20年代初期の真空管メーカー

無線と実験 昭和24年5月号に掲載の真空管メーカー(日本の電子管にも同じ出典と思われる図あり)
恐らく昭和23年頃の真空管メーカーと思われる。






7)昭和25年頃のアマチュアーの真空管利用率

下記資料は電波科学の1951年3月号の記事です。
当時マツダが圧倒的に有名で、ナショナルは3級品レベルだったのです。
ナショナルの製品が良く使われるようになったのはフイリップスと提携して以降になります。
品質が格段とよくなったのです。
ナショナルは自社のラジオに組み込んでいましたので、生産量そのものは多かったと思われます。
しかし性能は当時の記憶ではあまり良くなかったと思います。

昭和30年代に入るとTVが量産され 真空管も大量に作られるようになります。
この時代になるとマツダ(東芝) 日立 日電 TEN(神戸工業) 松下が大量に生産しました。
真空管時代の終わり頃は双葉電子(フタバ)が各社分もOEMで製作していたようです。
シールドの無い6AV6もこの時代のものでは推定しています(確証はありません)。




8)珍しい真空管

UF−12A

最近珍しい球を入手した。
マツダのUF−12A。
UXー12Aと言うのは普通だがUF足の12Aが存在するとは知らなかった。
若しかしたら日本軍用か。

6A3B

浅野さんの魅惑の真空管アンプに記載のある6A3B。
2A3の6V管6A3の傍熱タイプ。
小型のヒーターが4本一列に並んでいるのは壮観。
日本軍用らしい。

日本製 UZ−41

アメリカ製の41は全然珍しくないが日本製の41は比較的珍しい。
大きさも6ZーP1(写真の左は12Z−P1)と同じ大きさ。
アメリカ製は一回り大きい。
この写真の41はマツダのもの、戦前の製品。

2枚プレートのUX−2A3

電蓄の出力管として名高い2A3。
ELEVAMの2A3は40年ぶりで九州の実家のジャンク箱から捜してきた。
最初は品名がよく読めなかったので超45か?とも思ったが、持ち帰ってよく見ると2A3と読めた。
昭和30年代初めでも2A3は600円以上したと思う。
1本だけマツダの新品を買ったが、これは現在行方不明。
このエレバムの2A3は大昔 隣のラジオ屋さんのジャンク箱に有った物かも知れない。
左側はマツダの2A3 右側はELEVAMの2A3
ピンの向きをそろえると、両者では電極の方向が異なる。

左の2A3も相当古く、スプリングでヒラメントを吊っている。
刻印では無いが、これは動作する。

右の2A3は12Fクラスの太さのヒラメントが6本ある、
この固定にガラス棒が使われている。
ベースにUVの名残を示すピンがある。
プレートは2枚独立型、昭和一桁の製作と思われる。
残念ながら断線している。


刻印のマツダ2A3
先輩から珍しい2A3とRCAの真空管マニュアルを頂きました。
感謝!。


これはスプリング吊りと言われるものらしい。
ベースに刻印されているので、昭和10年代のものと思われます。

真空管の山


バラストランプについて(時田さん寄稿)


真空管規格表(ハンドブック)


上段左3冊は左から
昭和37年12月発行の東芝TUBE HANDO BOOk 1
この1巻だけで約1000頁。
39年11月発行の2、 42年2月発行の3.

上段中央の2冊は日立

右端は1969年版の東芝電子管ハンドブック。
おそらく真空管の規格表として発行された最後のものと思います。

下段
左端は日本電気のDATA BOOK。
新日本電気では無い、したがって業務用の真空管が中心。

中央はナショナルの真空管ハンドブック1958年と1964年版。
1964年版は1000頁以上有るが、真空管は600頁くらい。


右端はマツダ真空管ハンドブック1958年版。


書名
お奨めの理由 読み物としても楽しいです。
初心者向き。
復刻版は未確認ですが、
原本は誤植が多かったです。
真空管の歴史が判ります。 ラジオ修理に役立ちます。
戦後生まれの真空管が主。
真空管の歴史がわかります。
お奨めします。
真空管ラジオ愛好者にお奨め。

平成12年8月11日修正(80Kの図が80になっていたのを修正)
3Y−P1のヒーター電流を訂正。

2001年11月1日
2001年11月5日修正
2001年11月12日
2002年3月25日

2002年4月23日 12Z-P1などの発表時期を追記。
2002年5月6日
2003年12月28日
2003年12月30日 12Fの3本脚になった時期などを追加。
2004年1月1日 向野先輩から頂いた2A3を追加。
2004年4月17日 真空管ハンドブックの写真を追加。
2004年10月3日 新JIS部分一部追加、日本(独自規格)真空管規格表リンク追加。
2005年1月19日 25M−K15を追加。
2006年3月1日 工事中
2006年3月3日
2006年4月13日
2006年5月1日 真空管の名前の付け方を改定。

2006年11月28日amazonのリンクを追加。

2008年6月1日 6BD6の内部構造の写真を追加。39,014
2017年3月7日:11,705 1951年3月号の電波科学の記事を追加。

 

 

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