BCLラジオで人気の有る機種の動作確認方法を説明します。
手持ちのラジオを確認しましょう。
オークションに出品する時はこの程度確認してくれると良いのですが。
スカイセンサー5900をお持ちの方は多いと思いますが、完全に動作していますか?。
感度は受信してみれば、ある程度見当が付きます。
なおSメーターの振れは目安です、バンドの上下、他のバンドでは、同じ振れでも、必ずしも同じ感度を意味しません。
周波数読み取り精度の確認方法は
1)サブダイアルを0に、メインダイアルを8MHz(5or10)付近にし、マーカーを働かせ、0ビートを取ります。
これでJJYが受信できれば0点はあっています。
(JJYは停波している時間帯が有ります、要注意)
この0点がずれている事が希にあります。
2)同様にして、NSBを受信してみて、サブダイアルが正常に校正されている事を確認ください。
最近第2IFの中心周波数からのずれを測定して、統計をとっています。
どうも60KHzくらいずれている事が多いです。
でも殆どが平行移動しているので、周波数読み取りは比較的正確に読めるようです。
構造上ある程度はしかたが無いのですが、サブダイアルの片側で極端に感度が落ちる物が有ります、この原因はこのずれです。
ラジオとしては完動品と言われても、周波数直読のBCLラジオとしては価値が無い物が結構有るようです。
参考までに左の機種はずれが有りませんでした。
でもフイルムダイアルが目盛り1つずれていました。
メーター不良
これはこの機種の特徴です、20〜30%の割合で、引っ掛かり状態で真面目に働きません。
完動品と言われる物も、要確認です。
この修理は結構こつが必要で、最近やっと成功率が高くなりました。
ただ残念な事に修理しても再発しやすいようです。
メインダイアルの校正精度について
印刷目盛りですからぴったりとはいきませんが、下記写真程度には調整できました。
少なくとも隣の目盛りと読み間違えぬ程度には調整が必要。
SW1よりSW3はまだ目盛りが混んできますのでなおさら注意が必要です。
校正は後ろの窓のコアとトリマで調整できるはずですが、実際は上手く行かないことが殆どでしょう。
周波数の上と下だけはぴったり合わせられますが、途中が狂います。
(簡単ですよ!とか言う人は運が良い人か、実際に調整した事の無い人でしょう)
これは経年変化の為でしょうか?。
この校正を真面目にやっておかないと読み間違いをします。
出来れば、1MHzか500KHzのマーカーがもう1つ欲しいところですが、価格の面からはここで妥協したのでしょう。。
このため高価格の CF-5950には500KHzのマーカーがダブルビートという仕掛けで準備されています。
どうしてもやってみたい場合
窓の左からSW1(コアとトリマ) SW2 SW3の調整が出来ます。
くれぐれもまわし過ぎないように。
周波数の上下は比較的簡単に調整できます(90%以上)。
でも全体的に上手く調整できるのは10台のうち1〜2台でしょう。
先日調整を依頼されたものは4MHzがダイアル目盛りの6MHz付近で受信できました。
簡単に周波数が動きますので注意が必要です。
こうなると感度も極端に悪くなります。
SW1で4MHz受信 ![]() |
SW1で8MHz受信 ![]() |
SW1で5MHz受信 ![]() |
SW1で9MHz受信 ![]() |
SW1で6MHz受信 ![]() |
SW1で10MHz受信 ![]() |
SW1で7MHz受信 ![]() |
新ラジオ資料館の「ICF-5900メインダイアルの校正(読み取り誤差)」に同種の測定結果があります、ご覧ください。
サブ ダイアルの校正精度について
先日調整を依頼されたラジオで偶然見つけた現象。
前の持ち主がサブダイアルの調整をしたらしく、短波がほとんど受信できません。
無茶苦茶にいじってあったのを元に戻しました。
調整完了し、0位置もOKと言うことで慣らし運転をしました。
試しに6055KHzのNSBを受信したところサブダイアルで+60KHzを指します。
心配になって再調整をしました、どうしても合いません。
6MHzにマーカーをあわせ、各周波数で確認してみたら次のとおりです。
サブダイアルの目盛り | +150 | +100 | +50 | 0 | -50 | -100 | -150 |
実周波数 | 6,150 | 6,096 | 6,042 | 6,000 | 5,950 | 5,900 | 5,850 |
誤差 | 0 | -4 | -6 | 0 | 0 | 0 | 0 |
残念ながらこの誤差はサブダイアルに使われているバリコン(写真はここ)の容量曲線の問題なので、調整は出来ませんでした。
前の持ち主が触ったのか、誤差が大きいので調整しようとしたのかは不明です。
この誤差が大きいか小さいかは議論のあるところでしょう。
今まで気づかなかったのでこれは多分例外と思うのですが。
なおサブダイアルの校正には少なくとも周波数の正確に読めるSSGが必要です。
測定器無しに校正は無理です。
1)ACアダプターは製造後25年くらい経過しているので、使わぬ時はコンセントから抜いておきましょう。
これはRF−2200やTRYXー2000などAC電源内臓の機種にも言えます。
メイン
スイッチをOFFにしていても構造上電源部は動作していますので、エネルギーの無駄使いです。
2)BFOやバンド切替えSWの如く微少電流しか流れぬSWは時々動作させた方が接触不良になり難いです。
3)一般にラジオは時々電気を入れて下さい、この方が長持ちします。
この機種はジャイロアンテナとロッドアンテナの不良以外は部品の故障は少ないと思います。
(SWの接触不良とVRのガリは有ります)
とにかくジャイロアンテナだけは鄭重に扱って下さい。
どうもジャイロを取っ手の代わりにする人がいるようです、止めましょう。
この機種はバンド毎に読み取り精度を確認する必要が有ります。
簡単には奇数バンドだけの確認でもOKです。
SW1の場合、4MHzをマカーで確校正し、4MHz付近のNSBを受信して、OKであれば、そのままダイアルを廻して8MHzのJJYを受信してみます(8MHzのマーカーは使わずに)。
8MHzのJJYが数十KHzのずれで受信できれば、まあ合格と考えて下さい。
調整すれば、このずれは10KHz以内に出来ます。
でも途中の5、6、7MHzは多少ずれるので、気休め程度です。
125KHz毎にマーカーで校正出来るので、比較的正確に読めると思います。
なお奇数と偶数のバンドは厳密にIFを2MHzに調整すれば、スタート部分が一致します。
でもイメージ周波数を間違って受信しやすいので、少し(20〜30KHz)ずらして調整するようにしていますが、これは個人の好みでしょう。
測定器ではありません、家電品です、値段を考えて過酷な要求は止めましょう。
最近調整したクーガ2200のデータを紹介します。
トラッキング調整すると結構高感度になります、結果的にSメーターの振れが1〜2増えました。
またマーカー信号が弱かったのがフル スケールになりました。
下記はSSGのっ出力を調整して、Sメーターを6程度にして、調整でどれだけ増加したかを示す。
SW1 LO OK HI Sメーター6の信号が調整で⇒8 に以下同様。
SW2 LO 6⇒7 HI 6⇒7
SW3 LO 6⇒7.5 HI 6⇒8
SW4 LO 6⇒8 HI 6⇒8
SW5 LO 4⇒6 HI 8⇒9
SW6〜 省略
この機種の調整は単純な機種で練習してから挑戦する事をお勧めします。
ダブルスーパーなので、調整個所が多いです。
販売店で調整したという2200が間違って調整されていて吃驚した事が有ります。
一見簡単そうに思えるので注意しましょう。
MW帯の受信(正常)
JOAK(594KHZ)を受信しています。
SW帯を受信した場合(異常)
SWで7MHz帯を受信、他は上記と同じまま。
本来は6,994KHzを受信受信すべきですが、カウンターは8781KHzを表示しています。
これがこの機種特有の故障です。
修理は大変です。
電気屋さんが完動品といっているものを購入したら、やはりこの状態でした。
普通MWとFMが受信できれば完動と誤解しても可笑しくありません、注意。
修理完了(SW帯正常受信)
上記を修理したもの、6994KHzを正常に受信。
6800はMWの局発+PLLで短波帯を受信します。
PLLは水晶制御ですから安定です。
MWの局発の安定度で短波が受信できるので、
5900などに比べ、抜群の安定度があります。
3枚の写真は同じラジオです。
余談
オークションで入手した6800の修理を依頼されました。
中を開けてびっくり内部が改造されています。
セラミックフイルターが空中配線で付加されています。
(黄色のテープで巻いたもの)
選択度の改善を狙ったのでしょうが、改造途中で諦めたらしく、修理が大変でした。
壊れたものは何とかなるのですが、壊したものを元に戻すのは大変です。
なお数字表示管が桁落ち表示(特定の桁が無表示)するものは
修理がさらに大変なので購入は止めたほうが良いです。
部品取りには十分使えますが。
BCLラジオの修理は写真や記載を参考に工夫して下さい。
個々の異状現象についての修理方法のお問い合わせはご遠慮ください。
手に負えなければ 修理引き受けます。
2001年1月8日
2001年1月9日
2001年2月15日
2001年3月12日
2001年3月16日
5月5日 5900のサブダイアルの誤差を追加。
6月5日 一部追加。
2002年5月22日
2002年11月6日
2003年2月5日リンク追加
2003年8月19日
2006年7月2日よりカウント
radiokobo-all