真空管ラジオ 展示室 1(戦前のラジオ)

真空管ラジオはオーバーに言えば、半世紀近い期間 収集をしてきた。
でもそんなに珍しい物があるわけでは無い、収集の目的がどちらかと言えば、修復するのに楽しい物を主としてきた。
ST管の5球スーパーやmT管の5球スーパーも大量にある、並四も大好きなので見かけると買ってしまう。
実験室や屋根裏に山積み状態で写真が撮れぬ、写真が撮れたものから紹介してゆきます。
総数は数えられませんが、恐らく500台はあるでしょう。

お知らせ
真空管ラジオを購入しようとする方に
オークションで 怪しい出品が氾濫しています、購入の前に是非下記を御覧ください。

http://radiokobo.sakura.ne.jp/G/naze/auction2.html

 

無線有線兼用受信機(有放第3号型)

このラジオは戦時中放送局の電波が敵機を誘導する恐れが有るという事で、有線で放送をしようと計画した事があり、このための受信機。

受信周波数は
放送波  550〜1500KC
有線    155KC
12Y−R1 12Z−P1 24Z−K2 B49
放送局型受信機122号の改造版。

裏側を見ると戦時中の物資不足を反映して、
シャーシもベーク板を使っている事がわかる。
回路図も添付されている、状態は良い。

 

ナナオラ 85受信機

昭和12年前後の製造と思われる、4ペンラジオ。
マグネチックスピーカー付き。
球の構成は24B 24B 47B 12B。
現在未整備で詳細不明だが、24B 57 3YP1 12Fの構成になっている、戦後24Bが入手出来ず、改造されたらしい。
なお12Fは昭和12年に発売されている、時代考証の参考に。もっとも13年でも12Bは売られていたが。

ナナオラ 96型受信機


昭和7年頃売られていたナナオラの超高級受信機。
もしかして安い家くらいは購入できたのでは。
235 235 224 224 247 280の構成と思われる。
修理を頼まれた時は、57S 57S 57S 56 2A5 80になっていた。
高周波3段増幅のお化けのような受信機。

とにかく動作させたいと言うことで、3年間かかって修理したがどうしても動作しないということで、持ち込まれたもの。

内部はすべて配線がしなおされていて、苦労がしのばれます。
確かに3年間かかっただけの作業がしてあります。
高周波3段増幅のラジオの修理は自分でも初めてです。

基本的に誤配線は少ないのですが、だいぶ変更しました。
回路は完全な復元は出来ませんが、少しはオリジナルに近い形まで戻しました。
@整流管がダイオードに。   ⇒80に戻した。
A検波がダイオード、低周波増幅は56、この56は不良。⇒57Sのプレート検波に。
オリジナルはプレート検波。
B2.5Vがアースされていない。 ⇒アース。
オリジナルはハムバランサーで中点アース。
Cスピーカーのフイルドコイルが+側に入れられている。
元々247が使われていて、2.5V巻線が1つなので、固定バイアス(半固定)。
この為 本来はマイナス側に入れるのが正しい。  ⇒マイナス側に。
D感度(音量)調整用のVRが小型。
ここは電流が流れるので、小型ではNG。  ⇒普通の10KΩB型に。
オリジナルは巻線抵抗、SWつき。
RF1と2にバイアスがかけられていたはず、今回はVRの電流容量を考慮して、初段のみ。
バリミューの235が望ましいが、シャープカットオフの57Sなので、音量調整がぎこちない。

E真空管
57S 2本 これは良
57S 1本 エミ減
57S 1本 頭のGキャップなし(予備用)⇒手持ちのGキャップを取り付け修理。
56     不良
2A5    不良⇒手持ちの2A5に交換。
80  不良ということだったが使えた、但し足の半田付けが怪しい?。

シャーシ内部はオリジナルにとても復元できませんでしたが、とにかく無事に動作するようになりました。
プレート検波なので、グリット検波に比べれば、音は良い、また再生が無いので、取り扱いは楽。
感度は5球スーパーより低いようだ、1本エミ減の球を使っているので、これを交換すればもう少し良くなるか?。

写真はラジオ工房前で動作させているところ。
大きさも凄いです、高さ50センチはあります。


シャーシ部分の写真。
小さなシールドケースが真空管。
大きい方がコイル。
中央に4連バリコン。
赤い円筒は当時としては珍しいケミコン。
外観はオリジナルが残っている、改造しなかったのが素晴らしい。


銘板もちゃんと残っています。



持ち込まれた時の内部の配線の様子。
ほとんどの配線がやり直されている、また回路別に色分けされている。
写真下側と右側に部品取り付けようの板が有るが、
ベークとベークの間に配線がしてあり、外部から配線が見えないので、
シャーシから取り外す必要があり、回路を読むのに一苦労。
もしかして、70年前の集積回路??。
これだけ作業するのには3年間で数百時間はかかったかもしれない。
小生などとても ここまではとても出来ません。
でも 出来れば 最初から修理したかったです。

高周波3段増幅は原理的にも難しいので、やたらと修理するのは止めたほうが良いです。
特に235 224などの旧型管の代わりに57Sなどを使うと、発振の可能性があります。
高周波3段増幅は見かけは単純ですが、高性能なものを製作するのは難しいです。
メーカー製品がほとんど無いのはこのためです。

しかしこんなラジオが残っていたとは感激。

ナナオラ 96型受信機回路図(ラヂオ受信機組み立て知識より)

RCA ラジオラ26


昭和初期のスーパーラジオ。
1926年に発売されたそうだ。
ラジオラ26 田口さんの「ヴィンテージラジオ」にも紹介されている。
自分で購入した中古ラジオで一番高価。
高価なものは購入しないようにしているのだが、
つい購入してしまった。
現在はFRG−8800の下敷きになっている。

前蓋の部分がループアンテナになっている。
ポータブル・スーパーのつもりだろう。


真空管 UV-199の頭に甲 乙 と書いた紙が貼ってある。
おそらく、日本に輸入された当時の物と思われる。

 

ナショナル 当選号 R−43

テレビアン EC−28 24B(?) 24B 47B 12F


修理体験記は新ラジオ資料館のここをご覧ください。
24B(?) 24B 47B 12Fの構成と思われる。
RF段は交換されているので推定です。
河野さんのラジオです。


ナショナル4D-1受信機

ツマミは放送局型123号受信機に使われているのと同じようなデザイン。
@ツマミが違う
色が違いますので、別の機種から持ってきた物混在しています。
Aスピーカーグリルの布が怪しい。
どうもオリジナルでは無いようです。
B古い割りに塗装が光っています。
上記理由で修理は諦めました。
詳細はhttp://radiokobo.sakura.ne.jp/G/repair/4d-1.htmをご覧ください。

201A 大正時代?の4球式受信機

昭和初期と思われる4球受信機の修理依頼がありました。
依頼主からは大正時代のラジオとのことですが、大正の可能性もありますが、昭和初期と考えた方が無難でしょう。
どちらにしても大正末期から昭和4〜5年にかけての 極めて初期のラジオと思われます。
昭和4〜5年からエリミネーター受信機が出始めますので、普通は改造されて使い続けたのでしょうが、このラジオはそのまま保管されたようで、
そう言う意味からも貴重と思います。
http://radiokobo.sakura.ne.jp/G/repair/201atrf.htmlをご覧ください。

放送局型受信機123号



並四受信機

ヘルメス 並四受信機 M−24

大阪変圧器 ヘルメスのM−24 並四受信機。
真空管は24B 26B 12A 12Bでオリジナルのままと思われます。
保存状態は非常に良好です。
沢山 戦前のラジオは見てきましたが、これほど保存状態の良い物は滅多に有りません。
並四とは言え、作りも丁寧で、手抜きがありません、素晴らしいです。



http://radiokobo.sakura.ne.jp/G/repair/M-24.htmlに修理体験記があります。

ナショナル国民受信機 Z−1

ナショナルの国民受信機
このラジオは昭和12年頃発売された3ペン受信機です(ペントードを使った3球受信機)。
並3ではありません、間違いの無いように。
3ペンは珍しいのですが、この時代の並3はさらに珍しいです。
なお3ペンは当時流行したのですが、原理的に大きな音が出ません、12Aを使った並四の方が音が大きいのです。
そのため現在はあまり残っていません。
音が小さい原因は57のグリット検波では47Bをフルに駆動する出力電圧が出ないのです。
出力管の定格では47Bの方が断然大きいのですが、入力が小さいにのでしかた有りません。
外観は骨董屋さんで磨いたのか、再塗装したのか綺麗でした。
デザインも縦型ダイアルで、戦前では非常に珍しいものです。
中は物凄いほこりで、半世紀分 溜まっている感じでした、塗装は別にして オリジナルの状態が非常によく残っています。
スピーカーも断線していません。
さらに不思議なことに低周波チョーク 高周波チョークともに無事でした。
戦前の低周波チョークやトランスが無事という可能性は非常に低いです。
これは奇跡的と思ったのですが、理由がわかりました。
http://radiokobo.sakura.ne.jp/G/repair/z-1.htmに修理体験記があります。

ナショナル5D−18

戦後の珍しいラジオです。
6D6(6C6が使われていた) 6C6 76 6ZP1 12Fの変則ラジオです。
戦前にも松下は同じような5D−1を販売していて、この後継機と思われる。
外観は非常に綺麗です、当時のものとしてはこの状態は極上と言えるでしょう。
しかし内部は凄い埃でした、でも素人が無闇に修理していなかったのが大いに助かりました。

http://radiokobo.sakura.ne.jp/G/repair/national5D-18.htmlに修理体験記があります

ナショナル 4M−1 並四受信機

真空管はマツダの57 26B 12A 12Fが付いています。
試験してみると全て大丈夫でした、こう言うのは比較的珍しいです。
マグネチックスピーカーも無事でした。
製造時期は昭和14年頃ではと推定しています。
使われている真空管と内部の構造から想像し、資源節約の国策型受信機の初期のタイプと思われます。

http://radiokobo.sakura.ne.jp/G/repair/4M-1.htmlに修理体験記があります。

テレビアン 4ペン M−48型 受信機 


昭和11年製の4ペン受信機の修理です。
オリジナルの真空管は24B 24B 47B 12Bの4球です。
58 57は当時売り出されていたのですが、あえて少し古い形の真空管を選んだようです。
ラジオ雑誌の解説記事によるとケミコンを採用したと記載があります、ただ痕跡がありませんし、ペーパーコンデンサーが残っていますので、
このラジオそのものはペーパーコンデンサーを採用されていたのかもしれません。

http://radiokobo.sakura.ne.jp/G/repair/M-48.htmlに修理体験記があります。

アリア国策3号受信機


アリアの国策3号受信機。
昭和14年ころから流行した国策受信機の最初に近いモデルと思われます。
トランスは古い形式の「角型ピッチ詰め」です、それでも随分小型になっています。
真空管は24B 26B 12A 12Fの所謂並四受信機です。
真空管の構成を見ただけでも古さがわかります、普通国策受信機は57 56 12A 12Fが多いです。
昭和14年の川松電気商会の14年4月号卸商報によると、アリア球付き20円80銭(改正)と書いてあります、
したがって、元はもう少し安かったと思われ、実際の発売時期は昭和13年ころの可能性もあります。
http://radiokobo.sakura.ne.jp/G/repair/aria-K3.htmlに修理体験記があります。


ヘルメス420B型 並四受信機


本物の並四受信機(第1世代の並四)です。




写真は裏蓋に貼付されていたシール。
内部には薄く?20Bとあるので、総合すると420B型らしい。
球の構成から昭和12年中頃から昭和14年頃にかけて作られたと思われる。
原型(Bの付かない420型)は整流管が12Bの可能性あり。


http://radiokobo.sakura.ne.jp/G/repair/Hermes420B.htmlに修理体験記があります。

シャープ並四 442


シャープの並四 27A 26B 26B 12Bです。
このラジオは非常に保存ジ状態が良かったです。
バリコンと再生調整用の豆コンの取り付け方が唯一変だなと言う程度でした。
http://radiokobo.sakura.ne.jp/G/repair/sharp442.htmに修理体験記があります。

ナナオラ 84A


ツマミはオリジナルではありません。
内部の様子はhttp://radiokobo.sakura.ne.jp/G/repair/15/nanaora84A.html をご覧ください。

放送局型123号受信機


ナショナル 6Sー3


昭和14年頃販売されていた高級ラジオ。
定価は140円だそうです。
58 2A7 58 2A6 2A5 80の6球です。
同調ツマミは2重になっています、小さい方が微動で、4回転でバリコンの180度をカバーします。
物不足の時代にここまでやるかというくらい豪華に作られています。
どのような人が購入したのか想像がつきません。
骨董市でも見かけたことがあるので、市場に相当数でたことは間違いないようです。
実は自分も良く似たものを持っています。



裏側の写真。
茶筒を短くしたようなアルミケース2個がIFTです。
配置は理想的とは言えません、発振防止にシールド線を多用してあります。
IFの周波数は不明ですが、実測252KHzでした、コイル4個ともほぼ同じ値だったので設計値もこの付近でしょう。
松下にも問い合わせたのですが、資料は残っていないようです。
インターネットで調べたら250KHzと言う記載がありました、根拠は不明ですが、上記実測値に近いです。
この機種の回路図がありませんので、現物を追いかけ、改造前を想像して復元しました。
ラジオ鑑定団(宮川コレクション)のナショナル6Sタイプの回路図を更に豪華にした感じです、全く同じではありません。
(負帰還のON OFF、音質調整回路など追加)
なお6S−10がこの機種とほぼ同じではないかと推定されます。
バリコンが多少変形している為か、目盛りも狂いが大きく、トラッキングも上手く取れません、しかし感度は素晴しいです。

ナショナル当選号型 R−43



戦後の 5球スーパー受信機は真空管ラジオ2をご覧ください。


内容


目次

参考図書
  
ラジオの歴史、
スーパーの原理・調整法
ラジオの基本を
詳細に説明。
ラジオの修理方法を
詳細に説明


 



平成14年5月12日更新
2005年8月16日移転
2006年7月4日追加
2006年8月13日 ナショナル 戦前の高級スーパーラジオ 6S−3追加。
2006年10月7日

2006年11月30日

2008年8月30日:26,364 放送局型受信機123号と屋根丸タイプの並四を追加。
2013年1月22日:56,835 画像のリンク切れを修整

 





2006年7月2日よりカウント



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