「美しき天然」
野方区民ホールWIZ にて絶賛上演中!
ここはサーカスのテントの中…?
年老いたライオンと犬が新しいサーカスを求めて哲学する…?奇妙奇天烈、奇想天外な物語。
ジンタの音色に近代日本の哀愁と華やかさを乗せて、死ぬほど真面目にバカバカしく、夢と現を映し出す。
失われ行くものに思いを馳せるU-Stage が断崖絶壁・崖淵で踏み止まる今公演。
乞うご期待!!
キャスト | スタッフ | ||
ライオンの太郎 | 神原 哲 | 作 | 嶋崎 靖/鳴沢 清一 |
犬の小次郎 | 柿崎 勝行 | 演出 | 嶋崎 靖 |
調教師 | 中木 青茂 | 舞台監督 | 菊地 寿剛 |
団長 | 塩沢 則倫 | 音響 | 斎藤 美佐男 |
太郎(子供) | 小林 慶太郎 | 照明 | 須賀 知恵子 |
ミナちゃん | 村上 智子 | 衣装 | 長谷 眞砂子 |
ヒロイン | 一本松 亜生 | 宣伝美術 | 山本 晋平 |
人買い | 嶋崎 靖 | 制作 | 半田 浩子 |
1998「美しき天然」初演
1998年6月24日(水)〜28日(日)
武蔵、小次郎、巌流島の決闘?
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哲学するライオンと犬 |
サーカス
キャスト | スタッフ | ||
ライオンの太郎 | 神原 哲 | 作 | 嶋崎 靖 鳴澤 清一 |
犬の小次郎 | 柿崎 勝行 | 美術 | 嶋崎 靖 |
調教師の太郎 | 田中 晶 | 照明 | 須賀知恵子 |
サーカスの親方 | 楠 良命 | 音響 | 斎藤美佐男 |
空中ブランコ乗り | 福原 和華 | 衣装 | 長谷眞砂子 |
ミナちゃん | 村上 智子 | 舞監 | 菊池 寿剛 |
子供の太郎 | 嶋崎 有紗 |
当日チラシより
早いものでWIZでのプロデュース公演も5回目になります。プロデュースとは名ばかりで、実態は私のところへなぜか紛れ込んできてしまった若い人達と、旧劇団員や旧友達との共同作業という中途半端な集団です。しばしば「なぜ劇団を名乗らないのか?」という質問を受けます。簡単には説明しにくいのですが、ただ常にその答えを「劇」の中で語ってきたつもりでもいるのです。なぜなら芝居を続けることは、それはそのまま集団を維持するエネルギーに他ならず、演じられた作品も全て、家族や社会といった共同体とその共同の不可能性を巡る問題意識から作ってきたからです。
私は毎日稽古場に寝起きし、明け方4時頃から台本のためワープロに向かいます。そんな私を気遣ってくれる者もいますが、夜中まで酒を飲み、私が起きるころに寝る者さえいます。そんな彼らを口やかましく説教できる大人もいません。当然、私は寝息とイビキを聞きながら台本を書くことになります。でもそれは大した問題ではありません。傍若無人は若者の特権ですし、そんな彼らがいとおしくもあるのですから…。ただアイデアにつまった時、誰でもいいからちょっと相談したいとか、気分転換に音楽を聞きたいとか思ったりすることがあります。しかし、熟睡している彼らを気遣い、ぐっと我慢しなければなりません、何せ私は大人ですから。お茶を飲むのにも細心の注意を必要とします。暗い部屋の中、寝ている者の足を踏まないように、ポットや湯のみを手探りで探さなければなりません。結果、私の台本は甘ったれた彼らへの恨みつらみと不甲斐ない自分自信への怒りに支えられて書かれることになります。朝も9時を過ぎて世の中が動き出す頃になると私のイライラは頂点に達します。「いつまでも寝てんじゃねえ!」と頭を蹴飛ばしてやろうかと思います。しかしそんな乱暴はいけません。私はコンピューターの前に座り、ゲームで粗振る気持ちをなだめます。10時30分、ついに私のストレスは堪忍袋の緒を切ります。狭い稽古場の中を私の憤怒の三味線が鳴り響く。その三味線は長唄でも新内でもありません。撫ぜるとか、触るとか、そんな甘いものじゃない。叩きつける…、津軽三味線。今思えばこれは必然でした。瞽女さん達の背負わされた艱難辛苦とは比べ様もありませんが、私の背負った荷物だってそれ相当には重いのだ。しかし彼らは言い放ちます。「そんな嫌味な起こし方やめて下さい。」