出発を前に。
「もういちど月へ」が終ったとたん、息つく暇も無く、ASEAN
へ出発だ。
今年、最大の大イベント。欧米以外へのはじめてのツアー。欧米には、キリスト教的一神教文化への投げかけとして”曖昧でいい加減な日本的感性”を提示してきたつもりだが、果たしてASEAN
諸国に、どのようなアプローチが良いのか? まるで検討がつかない。ASEAN
と言っても、歴史的・文化的に、夫々全く異なった国だし、要求されることも違うだろう。無手勝流で、自分達を”さらして来る”以外、方法は無いように思える。出たとこ勝負は、チンドン屋の得意技だ。
Phnom Penh Cambodia
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| メコン川を登る朝日。 |
11月6日(木曜日) 晴れ
| 8:00 | 成田に集合。私が一番最後になった。既にカキが預け荷物についてしっかり動いている。旅行会社もいるし、舞台監督の一郎太もいる、全てお任せで実に楽だ。 いつも問題になる荷物だが、今回は各国を小さな飛行機で廻るため、サイズが問題。まず土管太鼓は荷物便でカンボジアを飛ばしてタイへ別送。残りのものも小分けにするよう要請があり、これまでほぼ大箱一つで運んでいたものが、13もの荷物になった。中身よりもケースの方が重いものもかなりあり、総重量も500kg 近い。何とも不合理な感じだ。 |
| 9:15 | 搭乗手続きをすませ、エグゼクティブラウンジへ。ビジネスクラスの航空券の特権らしい。うーん、感慨深い…。 |
| 10:30 | 飛行機へ。なるほど流石はビジネス、広くて快適。ゆっくり眠れる。 |
| 17:00 | バンコクでトランジット。ここもエグゼクティブラウンジで休憩。飲み物、軽食、オールフリー。 |
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| プノンペン国際空港 | トラックへ荷積み | ツインを独り占め |
| 時間通り、プノンペンに到着。あのカンボジアだ。無事全ての荷物を受け取る。最も緊張する瞬間の一つだ。入国手続きをすんなりすませ、空港を出ると、迎えを待つ人達であふれかえっている。大使館の方とトラックの迎えがあるはずなのだが…。 | |
| 19:30 | 電話を探していると、やっとお出迎えの池田さんにめぐり合う。 一等書記官と言えば、かなり偉い方だろう。市内はお祭りの影響で大渋滞なのだそうだ。懐かしい感じのするホロ付きトラックに荷物を積んで、ホテルへ。 |
| 20:30 | チェックイン。凄い、最上階のツインをシングルユース。何と贅沢な…。外には直ぐ王宮やメコン川が見える。 |
| 21:00 | 早速、インターネットの準備。だがつながらない。色々やってみるも…。 |
7日(金曜日)晴れ
| 4:00 | 目覚めてしまう。外はまだ暗い。時差から日本の6時だから、良く寝たとも言える。 |
| 6:00 | 部屋の直ぐ下がテニスコート、ヨーロッパ系の人がテニスを始めた。元気だな…。 |
| 8:00 | ![]() 全員集合して、朝食へ。流石は高級ホテル、素晴らしい。 とりわけ麺が美味い! |
| 10:15 | ![]() 盆踊りの会場へ。櫓と言うか大きなステージを作っている。 |
| 10:30 | ![]() ワークショップをする王立舞台芸術大学へ。まるで廃墟のようなところ。 時々、ピアノや胡弓の音などが聞こえる。演劇的には物凄く面白い。カンボジアの歴史的現実がこう言うところにかいま見える。枝から根っこの生えたような、カジュマルの木のような大木で、子供達が遊んでいる。石ころだらけの広場では、裸足でサッカーを。はにかんだような笑顔が印象的だ。カンボジアだ。 |
| 11:30 | いったん大使館へ。白亜の建物、という感じ。カンボジアにとって最も大きな援助国日本。対日感情が悪いわけは無い。隣国のタイやベトナムとは、歴史的、感情的に犬猿の仲。インドシナ各国にとっての日本の存在の重要性を、噛み締めなければ…。これをメンバー全員に伝えるのは難しい。 |
| 12:00 | メコン川沿いのカンボジア料理のレストランへ。水祭りで人が溢れ返っている。その人並みをかき分けるように、僕らを乗せた車は走る。 |
| 12:30 | レストランは凄い数の従業員。不思議に思ったら、オーナーは大勢の孤児を引き取って、面倒を見ているのだそうだ、なるほど…。美味しい食事とビールに堪能しながら、水祭りのボートレースを見る、カンボジアの現実の重みをひしひしと背中に感じながら。昼飯代$120 は十分に元が取れる額だが、制作費や事務所維持費を捻出せねばならない私には、これもまた重たい現実だ。 |
| 13:30 | Genoside Museum Touls Sleng に行く。虐殺博物館…。ついこの間のことだ。私自身の考え方や生き方にも大きな影響を与えた、毛沢東主義の一つの帰結。そして、アジアにおける欧米植民地主義の影響。幸福とは?国家とは?民族とは? U-Stage の海外公演の意味を考える重要な象徴がここにある…。未来を象徴する学校の建物を使った拷問や虐殺…。重たい、重たい、重たい、カンボジア。今、ここに居る。 |
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| 虐殺された写真を前に | 証拠のベッドや足枷 | ポルポト銅像 |
| 14:30 |
モトクロスのレース場のような、デコボコ道を走り、Killing fieald
へ。虐殺の証拠、骨や衣類の山。 ストリートチルドレンが、呪文のように「give me money. go to school.」と唱えながら、ついてくる。貧困、経済格差。付きつけられるこの現実を、私はどのように超えていけるのか…? |
| 18:30 |
池田さん家族と共に、ピザ屋さんへ。NGO で来た日本の男性が現地の方と結婚して、その彼女の両親が開いているお店。美味しい。でも、食ってばかりいて、また太ってしまう。客は我々の他は欧米人だけ。 |
| 行き返りの道路が凄い混雑。人であふれ却っている。交通ルールは無い、としか思えない。接触や小さな事故は当たり前。幾つもお目にかかった。よく大事故にならないものだ。 |
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| Hotel 裏 | 何故かシンちゃん | 何を売っているんだろう? |
8日(土曜日) 晴れ
| 6:00 | 6時ちょっと前が日の出のようだ。ホテルの廊下に出るとメコン川から登る朝日が綺麗だ。 |
| 午前中はづっとインターネット調整にかかる。 | |
| 12:00 | 集合して、昼飯を食いに市内まで。センター・マーケット側の普通の人達が来るようなラーメン屋さん。これが美味い。 |
| 13:00 | Hoel で支度。さあ、やっと仕事だ。 |
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| 盆踊り櫓 | カラフルなチンドン屋 | 大使とのお話 |
| 14:30 | 出発。ロアム通り「盆踊り会場」へ向かう。今回のために作った5人衣装、なかなか映える。会場は相当広く、全体を簡単な柵で覆っている。自由に一般の人が入るわけでは無さそうだ。 |
| 16:00 | チンドンで会場外を一回り。振り向くと、後ろに大勢の人だかり。またもやハーメルン状態。皆のりがいい。このまま開場してしまえば、大勢の市民が一緒になって楽しいのだが…。 |
| 会場内はリハーサル等でテンテコ舞だ。在留邦人の手作りイベントなのだろう。ただ、「場所と時間を貸してあげてやらしてあげる」と言う感じが、ちょっとする。苦労をしているからだろうな…。 | |
| 17:25 | 予定より10分ほど押して、我々のステージ、と言っても、大きなステージ下の草原。チンドンで登場。お客を近くに誘導する。遠巻きにしていた客がやっと乗ってきた。Kaja の演技に楽しそうに反応している。途中、遅れてきた市長が最前列に入ってくる。鞘抜十一氏の三味線。そこへ、プラウドメアリーで乱入。皆、大喜びだ。 |
| 僅かな演技終了後、会場内を歩くと、随分多くの人達に声をかけられる。もちろん、写真撮影もわんさか。手応えは素晴らしい。 | |
| 盆踊りに参加。調子に乗って櫓にも。高円寺の阿波踊りにも、参加しようとするが、完全にショーとして作られているので、却って邪魔になる。慌てて中止。 | |
| 英国では”日本祭り”のイベントに沢山参加したが、London を除けば、ここは相当規模が大きい方だろう。日本人が主体だからだろう。どうせならもっと一般のカンボジアの人達を巻き込めばと思うのだが…。事実川沿いの屋台には車も通れない程、人が集まっているのだから…。 |
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| コロッケパン屋 | ←櫓で熱唱 ↑夜もふけて |
9日(日曜日)晴れ 独立記念日
今日は一日暇だ。午前中はずっとインターネット調整に手間取る。Hotel のランに繋げようと、Hotel
の専門家が色々やってくれるも、私の古いPC ではやはり無理。ダイアルアップ以外手が無い。
昼食のお迎えに池田さんが見えたので、先に大使館で明日の進行表のプリントアウトをお願いし、ついでにPC をお借りして、AOL に苦情のメールを入れる。
| 13:30 | センターマーケットわきのラーメン屋で飯。これが美味い! |
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| 池田さん御家族と | 美味しいラーメン屋 | センターマーケット全容 |
センターマーケットをブラブラ。迷路のように小さな店が軒を連ね、香港の九龍島を思いだした。華ちゃんは、本領発揮、殆ど半額以下に値切って買い物を楽しんだようだ。
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| マーケット正面? | マーケット内通路 | マーケット外 |
| 独り、博物館に向かうも”独立記念”の人並みに巻き込まれ、人間の川に押し流される。全人口がほぼ東京と同じ1300万人ほどとガイドブックに書いてあるが、その全てがプノンペンに集まったのではないかと思える程。年齢比は、虐殺の影なのか、圧倒的に若い。人並みに揉まれていると、元気と希望を感じる。瓦礫だらけの町並みまでもが、日本の焼け跡の熱気もこうだったのだろうと思えてくる。 | |
| 18:30 | 女性陣の帰りが遅いので心配したが、無事全員Hotel に。 |
| 鞘抜・Kaja・華・智・山本、と夕飯を食いに。カキは屋台のヤキソバが1j50であまり美味く無いと言っている。ちなみに彼は、路肩で売っている「虫」にも既にチャレンジしているのだが…。 鞘抜氏は、寸暇を惜しんでクメール語を練習し、Hotel 中の従業員や掃除のお姉さんにまで話しかけ、仕事の邪魔と嫌がられてさえいる。だが、その積極的なコミュニケーション能力は卓越で、屋台に食事に出て、直ぐに現地の人と打ち解け、ヤキソバが実は1500リエル、つまり1jあれば2杯でお釣りが来ることを発見。皆で道端のゴザに座って50円の夕食。これがまた美味い。 | |
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| 乗合車? | オバさんを笑わせる鞘抜 | 50円のヤキソバ |
現地に馴染んで行けば行くほど、厳重に警備された別世界のHotel に入って行くのが、後ろめたいと言うか、心苦しい。あまりにも大きな経済格差。私の力ではどうにもならないことではあるが、大道芸人として、チンドン屋として、表現者として、そこを単純に開き直ることはできない。海外公演の意味そのものが”世界を知り、日本を知る”ことであるわけだから…。
10日(月曜日)晴れ
| 7:30 | 荷物搬出準備。荷物室としてHotel の一室を借りている。 |
| 8:00 | 王立芸術大学着。直ぐに用意。昨日の独立記念日のなごりなのだろう、下見に来た時よりも相当ゴミが散乱している。 |
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| 荷積み | パフォーマンス準備 | 先ずは掃除から…。 |
| 9:05 | 2階のステージより音だし開始。遠くから、舞台へ向かうつもりなのだが、階段をおりだすと、客がこちらへ移動しだしてしまう。ゆっくり練り歩くつもりが、急いで本舞台へ。東京つながりの曲があまってしまう。 |
| お客を、自分達の近くに集めようとするも、皆木陰に入って動かない。うかつだった、日差しの強さは全く考えていなかった。日陰になる4方向に客席が分かれてしまった。 | |
| 久しぶりの、と言うかこのメンバーとこの太鼓構成でやる始めての”獅子舞” 散々。馬鹿囃子、鬼囃子、問題だらけ。それでもお客さんの反応は素晴らしい。どんどん乗ってくる。 | |
| 鞘抜十一、三味線。一生懸命練習したクメール語を駆使して、会場の笑いを誘っている。素晴らしい。 | |
| Kaja 客席は大喜び。彼が入ることで、U-Stage はサーカス一座に近くなった。 | |
| 「波」・「終宴」、ばっちり終了。拍手・笑顔・歓声…。Jaica
のボランティアで来ていると言う女性達と話をする。 「ぜひうちの村にも来て欲しかった。」と。うん、行きたかったな…。 |
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| 終演後、現地邦人と | 子供に囲まれるカキ | Kaja も人気者だ |
| 11:30 | 一旦Hotel へ。シャワーを浴び、洗濯。汗だくになった衣装を干す。 |
| 12:30 | 川沿いのFCC
記者クラブのようなCafe。ハンバーガーが美味しい。世界の構図が垣間見える。 何処へ行っても、自分達のやり方を変えないことでアイディンティーと民族性を保とうとする、欧米流と、「郷に従え」と、場に合わせて行くことを基本とするアジア流。そのことが殊に料理に顕著に思える。中華料理もカレーもその国々で、全く違うものに変化しているが、フランス料理やスイス料理はまず、変化しない、少なくとも基本は変えない。 漂流をしても、石鹸を泡立てて髭剃りをする習慣を変えない”ロビンソン・クルーソー” 歴史や文化を顧ずに、貪欲に何もかもむさぼり、変化させてしまう日本人。日本は文化の吹き溜まり、ブラック・ホールかも知れない…。 |
| 夫々分かれて、博物館へ。色々面白いが、”男根”としか思えない石造を発見。 今朝の我々のパフォーマンスを見たと言う、オーストラリア人が声をかけてくれる。とても良かったと。今朝の客は学生が数十人と後は現地の人よりも、大使館関係や先日盆踊りで出会った人達、偶然通りかかった白人などが多かったようだ。 |
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| 隣の王宮へ。日差しが強く、疲れた。汗が半端では無い。歩いてHotel へ戻る。 |
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| 博物館 | 王宮の庭 | アンコールワット? |