15日土曜日 曇り時々晴れ
 今日からは基本的に自由行動だ。私は女性陣をNottinghill の市場に案内する。ここはアンティーク市場として有名で、「ノッテイング・ヒルの恋人」と言う映画にもなった。ちょっと高級なフリーマーケット的な面白さがある。
 男連中は昨年1週間公演したオールド・スピタル・フィールド・マーケットに行くらしい。そこには大型スクリーンが設置されイングランド戦を観戦できるのだ。マーケットは大変な盛り上がり方をするだろう。
 イングランド戦がある日は、Pub やCaffe のTV の前は人だかりだ。昔、テレビが普及しだした頃の”力道山の試合”を観るために街頭テレビに集まる人達を思い出した。早朝からPub が開いているというぐらいLondon はサッカーで盛り上がっている。JEMCA でも試合のある日は仕事にならないとぼやいている。
 YHA では色々な国の人間がいるせいか、あまり大騒ぎする人はいない。それでも毎朝7:30 には必ずだれかそわそわとTV をつけに来る。チャンネルはほぼ一日中 World Cup が独占している。
 英国人達と話しても話題はまず”フットボール”。しかも「普段はあまり好きではないのだが…」なんて言い訳をしながら話す人が結構多いのも面白い。現存する「階級制度意識」の中でフットボールは下層のスポーツなのだ。この辺がイギリス(※注) を知る上で一番面白い所だと思う。4年前私が暮らした町の沿線にサッカー場がある。毎週週末になると、突然車内が騒々しくなる、酔払ったファンが大騒ぎするのだ。喧嘩もよく起こる。周りの乗客達はみな顔をしかめていた。紳士であること、自分を抑制することを常に強いられる”イギリス人達”の多くは、今その葛藤の中にいる。
(※注:これまで英国と書いてきたが、イギリスと書くと英国4ヶ国連合よりEngland を指すように思われるため。サッカーの話題はEngland なのであえてイギリスに。Scotland もWales も別の国家として別々のチームで戦っているのだ。この連合国家と言うことも日本人にとって”違いの理解”のために大きな問題だと思っている。そして微妙な問題だ。外務省の外交青書に載せていただいた私の文章も、ここが直されてしまった。”英国4ヶ国”が”4地域”になっていた。一般的日本人の認識として、英国は1ヶ国だからだろう。しかし、このことこそこれだけ国家や民族を巡る問題が世界的関心事になっている以上、しっかり議論の対象にすべきことだと私は思う。)
taremaku Nottinghill の市場に向かう途中、教会の入り口に、大きな垂れ幕を発見した。なんとそこには、大型スクリーンがあることとイングランド戦の日程が書かれているのだ。教会まで人集めにWorld Cup を利用するのか、それとも教会は建物を提供しているだけなのか…。
 私は女性陣と分かれYHA に戻り、ロビーでイングランド戦を見ながらPCに向かう。実は私達の部屋は電源コンセントが使えず、ロビーでバッテリーをチャージしながらPCに向かうのがこのところの日課なのだ。
 3: 0 やった!しかし、他の客達は押し黙っている…。デンマーク人なのかな…?とにかく、England 全体で優勝への期待はますます大きくなっていくだろう。
 18:00 4年前にExeter の劇団で知り合った、スエーデン人のSebasttan と待ち合わせ。地下鉄に乗ると、大変な混みようだ。その中で大声でわめきちらし盛んにアピールするサッカーファンと、押し黙り顔をしかめる一般乗客、コントラストは明確だ。
 イングランド戦を観にいった男どもは興奮冷め遣らず、全員England のTシャツを着て帰ってきた。一緒に歌を歌ったり、抱き合ったり、大騒ぎしてすっかり意気投合したようだ。会場のイギリス人達は、TV に映る日本人のEngland サポーターを観て感動していたようだ。「余所の国をこれほど熱狂的に応援してくれるとは…!こんなworld Cup は初めてだ!」と。そうだろう、そうだろう、イギリスでWorld Cup があった時にどれだけのイギリス人が日本を応援してくれたのだろう?そして、これからも…?日本人と英国人を巡る彼我の違いを感じる。

16日日曜日 晴れ
 9:30 川崎さん迎えに来てくれる。JEMCA へ電話線を借りに…。何日かぶりで日記をアップできる。
 London はまさに国際観光都市だ。日本人にも本当に多く出会う。街を歩けば、日本人、そんな感じだ。日本人は何故か直ぐ判る。4年前には身奇麗だからだと思ったのだが、改めて観察してみると、今や若い韓国人や中国人の方が圧倒的に身奇麗なようだ。日本人は”汚系”あるいは”ラフ系”のファッションの方が多いように思う。
 今回の旅では日本人を避けている日本人に出会うことが多い。こちらから話しかけてもせいぜい頷くくらいで、挨拶もしない人が多い。ちょっと”変な”…どこがどうとは言いにくいのだが、日本人にもよく出くわす。まあ私達が一番”変な”日本人かもしれないが・・・。それから自分を含めて、老朽化した建物になれていない人が多い。そのため廊下や階段の上り下りの音がウルサイ。英国人達は実に気を使って、静かに歩く。マナーにも色々お国柄があるようで、電車などでウルサイのは、World Cup の酔払いを除けば、先ず中国人。元気と言うか本当に大きな声で話す。後スパニッシュ系も良く集団になって騒いでいる。まあ私にはヨーロッパの人達は皆同じに見えてしまって”言葉を聞いて”何となく違いがわかる程度なのだが…。
 ご忠告! 信号のある横断歩道で急ブレーキを踏まれ怒鳴られているのは、ほぼ間違い無く日本人だ。ヨーロッパ人は道路を渡る時は、信号に関係無く自分の判断でわたる。だから自分で信号を確認することも無く、誰かに着いて行ってしまう”集団行動”が身についてしまっている日本人が一番危険なのだ。ここでは「子供が真似をしたらどうするんだ!」と言う日本的恫喝は意味をなさない。極論すれば「自己判断も出来ない子供を野放しにした、あるいは危険な人のまねをさせる、親が悪い」となるだろう。どうもそれが”世界”の常識なのだ…。

17日月曜日 晴れ 暑い! Summer has come.

10:00  YHA チャックアウト。迎えの車に荷物を載せ、センターに向かう。
10:30  皆と判れ大使館へご挨拶に。2001でお世話になった大使館の方々は殆ど移動になってしまいちょっと寂しい。
11:15  在外公館長賞のお礼も含め、今回の公演の簡単なご報告を折田大使に。
12:00  スポンサードして戴いたJALへ、ご報告とお礼。
13:00 paubmeshi. 大使館のYさん、Sさんに、英国最期のPub メシをご馳走になる。日本的感覚で言えば、お世話になったのだから、こちらが”お返し”しなければいけないのだが、そうすると外務省職員に対する”利益供与”になってしまう。ならば「ボランティアで日本の宣伝をしてきた」と開き直って、ありがたくご馳走になる。
15:00  今年は、大箱を直接カウンターに、と言うことなので皆を先に空港へ行かせる。川崎さんが来てくれるから大丈夫だろう。JAL だから日本語も通じるし…。
私は国際交流基金に、今回のご報告と来年以降のご支援のお願いに。
16:00 Sasagawa Foundation にご報告とご挨拶。 Mr. Barret さん待っていて下さった。来年以降の支援も約束してくださった。
17:45 Jaltoraku Heathrow 空港。懸念した通り”大箱”チェックインに問題があったようだ。結局トラックが迎えに来て、荷物専用の方へ運ぶようだ。川崎さんが、色々仕切ってくれたらしい。JAL の現場だって突然あんな大箱が運ばれて来たら、対応に戸惑うのも当然だ。でも全てが日本語で通じる気楽さ、少しくらいの混乱や時間の遅れは”屁でもない”。
18:45  等と思っていたら、人間のチェックインにも手間取り、お土産を買う時間すら無くなってしまった。
19:00  慌てて、Irelish wihisky を6本買う。重い!!
19:20 seeyouagain! しかも今夜の便は満席状態で、飛行機に乗込むと手荷物の収納場所探しにも手間取る程。それでも何とか収まった。さよなら英国、そしてまた!!See you!
18日&まとめ