月波通信


Vol.6 NEPALトレッキングツアー2000<前編>

2000.11.21〜12.2
ナマステ!!ネパールにトレッキングに行ってきました。
ふたつき前に、数年ぶりの海外旅行に行ったばかりで、
またまたという感じですが。重なる時は重なるものですね。
メンバーは、藤井さん(草食系)、辻ちゃん(エスニック系)、ホリー(雑食系)、私(おやつ系)。
「系」は、あくまでも本人のイメージであり、実際そうだというわけではありません(私は肉食よ)。
さてさて、ホリー以外は、海外登山は初めてなので、今回のは登山というよりは、
高度3000Mくらいまでのトレッキングです。
日本の山で3000Mというと、かなりの高山で嶮しいのですが、
むこうでは8000M級の山々の中の3000Mということで、
道もわりあいゆるやかで、村が点在し、人々が生活しているのです。

      ◆スケジュール◆
11/21 成田夜発〜バンコク(トランジット)
  
22 〜カトマンズ
  23 〜ポカラ
〜チャンドラゴット泊
  24 ガンドルン泊
  25 タダパニ泊
  26 ゴラパニ泊
  27 プーンヒル〜ヒレ泊
  28 〜
ポカラ
  29 ポカラ
  30 〜カトマンズ
12/1 〜バンコク

  2  〜成田 


●カトマンズ着●

バンコクでトランジットのため一泊して、11/22、ようやくカトマンズに到着!
ネパールというと、雪をいだいたヒマラヤの山々のイメージが強く、寒い国だと思っている方も
多いかもしれませんが、緯度は、日本の奄美大島と同じくらいなのです。

カトマンズ。雑多で活気にあふれる街。
とにかくたくさんの車やバイクや自転車や人々が、それぞれの方向にどんどん行こうと
するので、クラクションは鳴りっぱなし。排気ガスも、ものすごい。

タメル地区、ダルバール広場等へ行く。
ごちゃごちゃした、古い赤茶色の街並がおもしろい。
街中が排気ガスにつつまれているので、マスク等をしないと、すぐのどが痛くなってしまう。
慣れない私は、道路をわたるのも、ひと苦労である。
が、もちろん、ネパール人は気にせずどんどん進む。車どうし、多少接触したって気にしない。
ものすごいエネルギーにあふれた、おもしろくも大変な街なのであった。


●ポカラへ●

11/23、カトマンズからポカラへ移動するため、国内線の空港へ。
霧のため、いつ来るかわからない飛行機を、エンエンと待つ。(よくあることらしい)
掲示板もなく、呼ばれるのを、ただじっと待ち続ける。
そのうち、辻ちゃんが、そのへんにいたインド人のスケッチを始めた。
ポーズを取るインド人、まわりを取り囲んで眺める観客。ちょっと緊張しつつ(笑)サラサラと描く辻画伯。
約2時間遅れで、ようやく飛行機到着。20人乗りくらいの、小さなプロペラ機だった。
しかも、乗客は、我々4人だけ!貸しきりである。
全員、景色のよい山側に座る。窓にはりついて、雲の上に顔を出す山々を眺め、
ネパールの村々を見下ろす。約20分間のすばらしい空の旅でした。

小さな空港を出ると、空気がもわっとする。ポカラは、のどかな南国だった。
ヤシの木やバナナの木、ポインセチアの木!(育つとでかいのね。)が見える。

今回の旅行は、日本の山専門の旅行会社で手配してもらったのだが、
ここで、現地のポーターさん達と合流、青空の下のテーブルでランチを食べて、
いざ、トレッキングへ出発!


●トレッキング●

ポーターさんグループは、ガイドのアンサンギャさん(33才)がツアーリーダー。
この人が、唯一日本語を話せる。ひかえめで、シャイな人。
それに、サブガイドさんと私達4人の、計6人で、山道を歩く。

それ以外に、コックさんや、荷物を運ぶ人など、総勢10人くらいのスタッフが!!
私達の旅行荷物から、全員の5泊分の食材にテント、寝袋、炊事道具、なんとテーブルと椅子まで!!!
生活道具全てである。とにかく大変な量の荷物なのだ。
私達と一緒のガイドさん以外は、それぞれのペースで歩くのだけれど、
ものすごい重さの荷物を背負っているというのに、私達よりペースが早いのであった。

さて、車で1時間、トレッキングコース入口へ。
そこから歩いて1時間、最初の村、チャンドラゴッド村へ到着。
テントを張ってもらい、テーブルと椅子も用意してもらい、夕食。
山の中だというのに、ちゃんとした料理で、しかもおいしい!感激。
夜は、満天の星。流れ星3つ。


どの村にも番犬はいるけど、猫は少ない


段々畑が連なる中を道が続く

11/24、7時朝食、8時出発。
石畳の道や山道を、登ったり降りたり。これは、山で生活する人にとっては
生活道路なので、かなり歩きやすい。時折、牛や馬や他のハイカーとすれ違う。
だいたい1時間ごとに、小さな村が現れ、どの村にも、ロッジや茶屋がある。
途中の小さな村の、峠の茶屋で昼食。もちろん、専属コックさんの料理。
南国だなあ。ごはんも景色もおいしく、幸せ。
午後は、長い石段があり、かなりきつく、顔が真っ赤になってしまった。
秋だというのに、桜が咲いていた。
ペースをかなり遅くしてもらい、予定より大幅に遅れ、8時間ほどかけてガンドルン村へ到着。
この日が一番たくさん歩いたかもしれない。

夜、ガイドのアンサンギャさんから、いろいろ話を聞く。
アンサンギャさんは、お兄さんをエベレストで亡くしている。
だから、お母さんは、アンサンギャさんが山へ行くと言うと、泣くそうだ。
でも、アンサンギャさんは山が大好きで、そのため結婚もまだなのだそう。
なんと、ガイドの仕事で、ここ3ヶ月間、山に上がりっぱなしだそうだ。
でも、この、私達のツアーが終われば、久々に村に帰れると言っていた。

アンサンギャさんは、ポーターやガイドで有名な、シェルパ族。
ネパールでは30以上の民族にわかれていて、ネパール語のほかに、各民族の言葉もあり、
同じ民族の人どうしは、自分達の言葉で会話をしているようだった。
そして、民族によってこまかいカースト制度がある。
確かに、今回のポーターさん達の中でも、決して他のみんなと食事をともにしない人が2,3人いた。
彼等は、テント設営にも食事の準備にも加わらない。彼等の仕事ではないのだ。
荷物も、一番思いものを持っていたが、かといって、差別されてしいたげられているわけでもなく、
荷物を背負って立ち上がる時などには、他の人も手を貸したりしていて、
あたりまえのように、身分の差というのは根付いているようであった。

私達は、高い山でたばこをすうと、高山病になるが(私はもともと吸わないけど)、
4000Mのところで生まれ育ったシェルパの人々は、逆に低地でたばこを吸うと、
気持ち悪くなるのだそうだ。


ガイドのアンサンギャさん33才。

村の茶屋は、どこもかわいい。

毎日のスケジュールは、だいたい(日によって違う)、
6時起床。キッチンボーイくん(はたちくらい。いつもニコニコしていてかわいい)が、
テントの前に、洗面器のお湯と、お茶とクッキーを持ってきてくれる。
7時半、朝食。
8時半、出発。
途中の村の茶屋で、昼食。テント場でも茶屋でも、
いつも同じテーブルクロスがひかれていて、それが私達の席の、目印。
午後(3時前後になる事が多い)村に着いたら、お茶を飲んでひといき。くつろぐ。散歩したり、昼寝したり。
6時、夕食。
夕食後は、ガイドさんや、ポーターの皆さんもやってきて、
ネパールの話を聞かせてもらったりする。
9時、おやすみ。

11/25
山を眺めながら、朝食。鶏とヒヨコが走り回る。
この日は、樹林帯にさしかかる。ジャングル。
木々にコケがびっしりからみつき、いくすじにも垂れ下がる。霧がたちこめる。
まるで、童話の中の森のよう。
野生のサルがいた。白い毛に黒い顔。
途中昼食をとり、約5時間半歩き、タダパニ村(遠い水という意味)到着。
若いポーターくん達が、みんなで楽しげに歌をうたいながら、テントを設営してくれる。
この歌は、なんと即興で作った歌らしく、誰かが適当に歌い始めると、
ほかの誰かが続きを作って歌い、そしてみんなで合唱になるのだった。

この村に、かわいい姉弟がいた。
お姉さんは、まだ小さいけれど、立派にロッジの手伝いをしているらしい。
その時は、弟の面倒を見ていた。
その、小さな弟が、私の手を取ろうと手をのばすので、
きゅっと握手すると、手の甲にチュッ!としてくれたのだ!!かわいい〜〜〜!!!


ロッジの姉弟

地図。豹の絵がヘンでいい!

夕食は、またしても、これでもか!の豪華料理。食べ切れないほど。
コックさん(35才)は、毎日、工夫をこらして、いろいろなものを作ってくれる。
低地ならともかく、山の上でこれは、相当ぜいたくなこと。しかも、おいしい。
聞くと、ネパール料理ではなく、日本人向けの味付けにしているのだそう。
雇い主に合わせて、それぞれの国の味に合わせたメニューにするそうだ。
コックさんは、お酒もたばこものまない。プロに徹しているから。
オーブンもレンジもない山の上で、これだけおいしいものが作れるなんて、
日本でレストランを開いても、きっと繁盛すると思うな!

ところで、ネパール語では、とても=デーライ、おいしい=ミートゥーチャ、と言う。
関西弁の辻ちゃん達が、「でえらいミートゥーチャ!」と言ってるのを聞くと、
まるで関西弁とのチャンポンのようだ(笑)。

高度が上がってきたので、夜は、テーブルをかこんだ簡易テントの中も、けっこう冷える。
と思ったら、豆炭を持って来てくれた。
ポーターの皆さんの心遣いには、本当に驚かされる。
こちらが思う以上にいろいろ良くしてくれて、まじめだし、料理はうまいし、
このトレッキングは、ポーターさんのおかげで、更に更にすばらしいものとなったと思う。


密林

11/26
今日も、うっそうとした樹林帯。
このへんには、山賊が出るらしいので、少人数では行動しないほうがよさそうだ。
村に荷物を運ぶ、何十頭ものラバの列が、せかされ、よろけつつ通り過ぎる。
ネパールの飾りをつけて、着飾っているラバもいる。
ゴラパニ着。
日増しに、山々がどんどん大きくせまってくる。
荷物が大分減ってきたようで、ふたりのポーターさんとは、ここでお別れ。どうもありがとう。

だいぶ寒いので、今晩はロッジの食堂で、食事、くつろぐ。
辻ちゃんが、ロッジの人やガイドさんをスケッチする。
ロッジの明るいおばちゃんが、興味津々でスケッチブックをめくり、大笑いしていた。
藤井さんも、ネパールの景色のスケッチを始める。
最初は、ふたりの手前、なかなか絵を描けなかった私だが(だってふたりとも、ホントうまいんだモン…)
ついつい、似顔絵なぞ描きはじめたら、どんどん興に乗ってしまった。
コックさんの顔が、自分でも笑っちゃうほどソックリに描けたので、本人にも見せたらウケていた。


コックさんの似顔絵!


明日は、いよいよ今回の最高峰、プーンヒルへ!


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