トヨタ スポーツ800用
燃焼式デンソー カーヒーターのご使用に際して
目次
デンソー カーヒータの働き
1.ご使用法
2.ご使用上のご注意
3.簡単な不具合の診断と処置について
4.デンソー カーヒータの構造と作動
5.デンソーカーヒータの主な仕様
このたびはデンソー カーヒータをお買い求めいただきありがとうございます。
このカーヒータのお取り扱い法は、極めて簡単なワンタッチシステムになっておりますが、
より効果的により安全に長くご愛用いただくため、お使いになる前に一度この説明書に
目を通してください。
デンソー カーヒータの働き
デンソー カーヒータとは
@ 極めて短時間で強力に暖房いたします。
A 独立燃焼式ですからエンジンがかかっていれば、いつでも最高の能力を発揮します。
B フロントガラスの氷結や曇りを速やかに解消する事が出来ます。
C 特に運転席と助手席の足元を効果的に暖める事が出来ます。
1.ご使用法
1・1ご使用の前に・・・・・・・・・・・・・・・・・・
エア・ダクト(温風吹き出し口)のダンパーは両方共いっぱい開いておいてください。
[ダンパーを開くとここから温風が吹き出してくる事になる。
閉じると温風はウインドガラスに吹き付けられ強力に曇り消しの作用を行う。]
★足元にあります。
ベンチレータ(換気口)のツマミは手前に引き出しておいてください。
[ツマミをいっぱい引き出すとベンチレータが閉じて外部と遮断でき、
押し込むと開いて外気が入ってくる。]
★左手を伸ばしたところにあります。
クーリングダクト(エンジン冷却風取り入れ口)のレバーは外気温が15℃以下の
場合は、エンジン油温が80〜100℃になるようにダンパを半開あるいは全開
して適宜調節してください。
[レバーをいっぱい引き出すとダクトの前にあるダンパーが全閉となり、
この状態で1段押し込むと半開、更に1段押し込むと全開となる。]
★右手を伸ばしたところにあります。
1・2暖房なさるには(通常のご使用)・・・・・・・・・
エンジンをかけてからヒータ スイッチのツマミ(H)をいっぱい(2段)
引き出してください。(後期型は風車マーク)
そうすると、モータが回りだし、パイロットランプが薄暗く点灯します。
30〜50秒後にランプは1段と明るくなり、ヒータが完全に動作し始めた
(安定燃焼に入り温風が出てくる)ことを知らせます。。
注)このヒータは、構造上エンジンがかかっていないと使用できません。
1・3暖房を調節したいときは・・・・・・・・・・・・・
燃焼状態、モータの回転速度を変える事はできませんから、
窓を開けるなり、暖房を止めるなりしてください。
1・4フロントガラスに氷結や曇りのできたときには・・・
エアダクトの両脇にあるダンパを、少し閉じてください。
ダンパを閉じるに従って、フロントガラスに吹き付けられる温風の量が
増加し、より強力に氷結や曇りを解消いたします。
1・5暖房を止めるには・・・・・・・・・・・・・・・・
ヒータ スイッチのツマミ(H)を1段あるいは2段(いっぱい)
押し込んでください。
燃焼は止まりますが、燃焼炉を冷却する為モータは更に2〜3分間
回りつづけ(パイロットランプも点いている)、燃焼炉が冷えると
自動的にモータが止まりランプも消えます。
注)スイッチを切ってもすぐモータは止まりませんので、いつも
目的地に着く2〜3分前にスイッチを切るよう習慣づけてください。
@ツマミ(H)を1段押し込んで暖房を止めた場合の状態
燃焼が止まっても、燃焼炉を冷やす余熱は全部車内へ入ってきます。
すなわち、スイッチを切った後でも余熱が暖房に利用できる事になります。
注)モータが止まったら、更にもう1段ツマミを押し込んでおかないと、
外部から冷気が入ってきますので注意してください。
Aツマミ(H)を2段(いっぱい)押し込んで暖房を止めた場合の状態
燃焼炉を冷却する余熱は、全部エンジンルームへ排出されます。
すなわち、余熱が暖房に利用できないことが違うだけです。
補足説明
パイロットランプについて
ツマミ(H)を引き出すと最初は薄暗くつき、
しばらくすると明るくなりますが、これはヒータが故障でも
不調でもありません。このヒータはガソリンを燃焼させて
暖房しますが、最初ガソリンに着火するのに電熱ヒータ
(グロープラグと言う)を使用しております。
このグロープラグは一旦ガソリンに着火すれば後は赤熱しておく
必要はありませんので、ヒータが安定燃焼に入れば自動的に
切れるようになっており、ランプの明るさの変化はこの作用、
つまり着火まではグロープラグに通電して赤熱させ(ランプが
薄暗くついている)、着火後は電源を切る(ランプが明るくなる)
作用の移り変わりを示すものです。
なお、ランプはスイッチを入れてから30〜50秒後に1段と
明るくなるのが正常です。
2.ご使用上のご注意
@ヒータに限ったことではありませんが、ガソリンが洩れる事は
非常に危険です。
お車の日常点検の際に、ヒータのパイプその他からガソリン
洩れがないか、ついでによく調べてください。
A車から離れる際は、必ずエンジンを止めヒータも止めてください。
無人暖房は道交法違反にもなり、常識的に見てはなはだ危険ですので、
絶対に行わないでください。
注)道交法第71条では、エンジンをかけたまま車を離れる事を
禁止しております。
Bヒータを一旦切ったら、パイロットランプが消えるまで
再びスイッチを入れないでください。
注)ランプが消えてからでないとスイッチを入れてもグロープラグへ
通電されない(ただし、ガソリンは滴下する)ため、もし
ランプ点灯中にスイッチを再び入れると、ランプが消えるまでの
間にたまったガソリンが一度に着火して、時には大きな着火音を
発することがあります。
Cヒータに不具合(着火の時間が長過ぎたり全然着火しない場合)が
起きても絶対にヒータの構成部品を分解しないでください。
このようなときは、お買い求めいただいた販売店にお任せください。
<と言ってもネェ・・・修理できるとこ探すしかないね。
<自分でできればいいけど。
Dヒータの排気管から多量の煙が出る場合は、ヒータが不完全燃焼を
起こしている証拠ですから、調整をしてください。
Eヒータ本体の暖房用空気吸込み口(金網が張ってある所)には、
紙などを張り付けないよう十分注意してください。
空気吸込み口がつまると、ヒータが過熱して燃焼が止まってしまいます。
(安全装置が働く)
Fクーリングダクトのダンパは外気温が15℃を超えたらエンジン油温が
80〜100℃になるように必ず半開あるいは全開してください。
ダンパを全閉のままにしておくと、エンジンがオーバーヒートする原因
になりますので注意してください。
Gヒューズが切れて予備品のヒューズを取り付ける場合は、必ず切れた
ヒューズと同じ容量のものを使ってください。
注)ヒューズがないからといって絶対に針金や銅線などを使用しないで下さい。
3.簡単な不具合の診断と処置について
@ガソリン洩れを発見した場合
パイプ接続部からの洩れはエンジンを止めて増し締めしてください。
この際、スパナは必ず2個使用しパイプにつながる他の部分に無理な力が
かからないよう十分注意してください。
洩れがないか、ついでによく調べてください。
Aパイロットランプがつかずモータも回らない場合
ヒータ本体の上に取り付いているヒューズ(5A.20A)あるいは車両側の
ヒューズ(15A)が切れていないか(接触不良を起こしていないか)
点検してください。もし、ヒューズを交換する時は必ず同じ容量のヒューズを
使用してください。また、配線の接続も見て下さい。
注)ヒューズが何度も切れるからといって銅線などを使うのは非常に危険です。
B暖房が弱い場合
車の最先端に取り付いているクーリングダクトのダンパが、外気温15℃以下の
ときに全閉されているか、レバーの位置を見て下さい。
外気温の低い時にダンパが開いたままになっていると、吸込む空気の温度が下がり
暖房も弱くなります。
4.デンソー カーヒータの構造と作動
燃料はエンジンのフューエルポンプからキャブレターに行く途中で、
スリーウェイジョイントを使って分岐し、ヒータのフューエルストレーナを経て、
フューエルレギュレータを通り、ノズルから燃焼室に滴下します。
この燃料はグロープラグが赤熱する事によって着火され、燃焼を始めます。
次にガソリンを燃焼させる空気は、モータのファンによってサクションパイプ
から吸入され、燃焼後エグゾーストパイプから排出されます。
また、暖房用空気は、やはり同じモータで回転するファンによって吸い込まれ、
燃焼炉の外周を流れる間に加熱されて、室内に吹き出します。
ヒータ各部の電気は、自動車についているヒューズボックス
(下側の15Aヒューズ)とスタータのバッテリ端子から供給されます。
ご使用の際にヒータスイッチをいっぱい引き出すことにより、各部は
自動的に作用します。すなわち、モータは回転し、グロープラグは赤熱し、
パイロットランプは点灯します。また、燃料に着火後は、サーモスイッチ
の働きにより、自動的にグロープラグへの通電が遮断されます。
5.デンソーカーヒータの主な仕様
電圧
|
12V
|
放熱量
|
1800Kcal/H
|
風量
|
80m3/H
|
燃費
|
0.28g/H
|
使用燃料
|
ガソリン
|
モータ型式
|
直流磁石式モータ
|
回転数
|
4500rpm
|
消費電力
|
27W
|
重量
|
5.4kg(本体のみ)
|
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