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設計
Design


これから、思考実験として、永続的な基本インフラとしての「家」のモデルを作っていきます。
もちろん図面なども用意しますが、準備に時間がかかります。
できしだいの掲載となります。ご容赦ください。


第一期工事の開始にあたって



 新たな家を作るさい、どうしても個人にとって多大の労力、経費かかかります。

 無一物でだれもが生まれてきます。先人から、知識や資材や権利をうけつぐのですが、それらに頼れない場合も多々あります。

 しかし、誰もが生きて、子孫を安定して残すには、どうしても生活の基盤が必要です。
 その基盤の物理的よりどころ、究極のハードウェアが「家」という構造物でしょう。

 ことに、人口過剰となってしまった地球で、環境破壊による予想外の事態と、これまで想定しないですませていた、マレな出来事ですが、必ず起こりうるリスクにも対応して、乗り越えねばなりません。

 だれもが、努力すれば入手し、永続的に維持でき、子孫にのこしていける家とは何かを、とどまることなく、考え続けます。

 想定としては、若者夫婦が、自分たちの力だけで作り、維持し、そして家族の増加にともなって拡張して、明確な規模の限度をこえないことです。

 これは、全人類の家庭が、等しく所有しても、環境負荷が許容限度内に収まり、資源の使用もリサイクルがほとんどで、定常的に維持していける範囲である。とします。


 もちろんすべてを若夫婦が作り上げ、自給自足することはできません。
 それでも協力をもとめるのは、近隣の共同体までを範囲の限度とします。

 地球の裏側などからの長距離からの購入品は、どうしても避けられない巨大設備によるしかできない「ハイテク」製品とし、最小限にします。(しなければいけません)

 そして、これらの高付加価値品の代金は、ごく普通に暮らしていくなかで、得られる「なにか」で正当に支払うものとします。(大変ですね)



 最終的に幸福な家族は4-5世代にわたり、総勢最大10人程度が場所の違いはありこそすれ、実際に生活しなければなりません。(世代シミュレーション参照)

 カーボンストーム時代とそれ以前のインフラは、問題があまりにも多いです。
 基本的に従来インフラをアテにしないとすると、二人の若夫婦はすべてを自分でつくりあげていくことになりますが、最初から10人分の住居は建築できません。
 だから高齢者世代が必要となる設備は、自分が高齢者になるまでに作ればいいのです。

 家作りは、その家族の永遠の課題です。
 代々引き継いで、不断に発展・充実させていけばいいのです。それでこそ基本的な「インフラ」となります。

 そのため、家作りを三段階にわけ、建設時期をずらします。


 第一期工事  若夫婦と二人の子供のための家


 作るもの 夫婦用部屋・子供部屋・リビング・台所・玄関・収納・トイレ・浴室

 付属物 エネルギー源・井戸・倉庫・冷暖房設備・防災設備

 将来にむけて整備開始するもの 農地・温室・サンルーム・養殖用池

 とします。

 これらをどのように、考えて、実現させていくかは各項目ごとに記載します。


 第二期工事  家庭としての完成形 子供世代が成人し次の世代を作る


 作るもの 

・母屋(家の事業を確立するための作業室と設備)

・戸主世代(中年になった第一世代夫婦の)寝室、家族全体のためのリビング、メインの台所、書斎(あるいは事務室・図書室 情報を管理する部屋)、客間を二つ(多用途イベントスペースです。来客をもてなすほか、冠婚葬祭開催スペースになります。近隣の寄り合い・会議スペースにもなります) 予備のトイレ・風呂


 付属物

 エネルギー源の拡大と多様化・移動用乗り物・必要な重機など機械類・武装・母屋用の冷暖房・防災対策設備(屋根にのぼるためのシャフトや避難用の舟など)

 家としての生業のため
 農地整備の完成・大規模温室・サンルームの完成・植物工場 など


 第一期工事から20年後・・・第一世代は、子供世代に第一期工事の家をあけわたし、共同で第三世代を養育します。
 また、その家族が何によって生活していくかの生業が確立し、そのための設備を親子で運営します。

 農業は各家庭絶対に運営しますが--
 何かの小規模生産や、加工業、あるいは医療などのサービス業、家業の管理が困難な他の共同体家庭へのコンサルタントも必要です。

 つまり、生産設備の自己保有と、収入手段の多様化と、自己経営の把握をするのです。
 独立地主・自立住民として、だれにも存立を脅かされるべきでない立場になるのです。

 さらに余剰エネルギーの売却など収入の多角化と安定をはかり、家族の富を自主自力で継続的に保障させ、必要な備蓄を実現できる体制を確立するのです。
 もちろん、地域共同体への貢献、他者への労力の提供と物資の交換も本格化します。


 第三期工事  家族のバックアップと、最終的な人生の安心の担保


 作るもの

・隠居世代のための、別のリビング・台所・世代ごとの寝室(引退した、第一世代、あるいは第二世代のための安住と尊厳の確保のための、場所です)


 付属物

 シャルター型地下室、予備の井戸、乾燥設備、備蓄体制の整備

 若くして家族を作り、守ることを決意して努力してきた第一世代が引退します。すぐに第二世代も余生をおくるために、やってきて同居することでしょう。

 引退しても、女性は自分の台所という責任をもつ「城」(占有スペース)が必要です。(男性でもいいのですが)高齢者としての仕事をやります。

 生涯を通して、すべてが家族のための平和な仕事として、義務ではありますが、楽しみでありつづけたいです。
 そして、最後に孫やひ孫世代が、楽しんで遊びに来る場所として、ジジババの優しい空間を作るのです。(これが理想のひとつの形と考えます)

 やがて、すべての家族は、順番に地上から姿を消して、新しい家族にバトンを引き継いでいきます。
 そのための、完結するための空間作りです。

 同時に、緊急に必要でなかったので後回しになっていた、家族の緊急時の設備を作り上げ、後世に残していくのです。


 結局、この第一期から第三期工事のプランでは、最終的に

 リビング3、寝室3、子供部屋1、客間2、トイレ4、浴室2

 が1家族の生活スペースとなります。


 さて、このプランの中で、最も重要なのは、上記に書かなかった部分です。
 これ以上の「富」を求めない。ということです。巨大な城に住んではいけません。

 家族内労働で完結しきれず、外部からの労働力を必要とするなら、主人と使用人の関係が生まれます。
 多すぎる富は管理者・官僚の導入と、支配階級の誕生、やがて実質的奴隷も生まれるでしょう。

 単純な自給自足は愚かですが、単純な規模拡大もまた、愚かというべきと、私は考えています。
 私は自分の子孫をだれかの「奴隷」にしたくはありません。