Zum Andenken an Albertine Schlatter, geb. Fries
アルベルティーネ・シュラッター(旧姓フリース)の思い出
7/22 にスピリ研究家のA様より、お便りをいただき、大変重要な情報をご提供いただきました。
高橋健二著「シュピーリの生涯」の巻末に著作リストが掲載されていて、このサイトでも大変参考にさせていただいておりますが、そこに紹介されていないスピリ作品があったのです。
題名は、「アルベルティーネ・シュラッター(旧姓フリース)の思い出」です。ヨハンナの終生の友人 で、画家のアンナ・フリースの姉妹について書かれたものです。
A様の紹介によると
「Zum Andenken an Albertine Schlatter, geb.Fries という作品は、
スピリの友人であった画家のAnna Friesの姉妹のAlbertineが病気の療養に訪れたイタリアのジェノバ南方のSestri-Levanteで亡くなったという急な知らせを受け、
スピリ自身が旅立ってSan StefanoにあるAlbertineの墓を参り、
Albertineが病気の療養のために家を出てから亡くなるまでを描いた短編の作品です。
スピリの著作のなかでこの作品だけが初版本から新しい書体で印刷されています。」
資料のコピーを送っていただき、そこから、ドイツ文学研究者のL様からもコメントをいただきました。
「Zum Andenken an Albertine Schlatter, geb.Fries というのは、
R・シンドラー著『Spurensuche』の付録のシュピーリ著作目録にも載っていないもので、
とても興味深いです。」
さらに、結びとなっている「詩」を訳していただきました。
原文
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訳
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So nimm denn meine Hände
Und führe mich.
Bis an mein selig Ende
Und ewiglich !
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それでは、私の両手を取って
導いてください
この世の生の終わるときまで、
そして永遠に!
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※ユーリエ・ハウスマン(Julie Hausmann)作詞の賛美歌、1862年
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と、詩の出典まで明らかにしていただきました。
A様、L様、ありがとうございます。
アルベルティーネは1887年8月6日に亡くなり、作品は9月に執筆されてスイスのサンクト・ガレンで同年に出版されています。
どうやらスピリの執筆部分は11ページと大変短いようです。本の中扉に「ヨハンナ・スピリ」の名前も見えません。
多くのスピリ作品はドイツで出版されて大量に流通したのですが、スイスでの出版と、ごく短い作品ということで、多くの作品リストから抜けてしまったのかもしれません。
スピリの作品番号が、これでちょうど「50」を数えることになりました。
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