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紹介したい資料(一部未収集のものがあります)

題名 アルプスの少女 


訳 : 高野てつじ(高野 つる吉)
出版社 : 金の星社  96頁 発行日:1953/03/
10 昭和28  価格:90円

説明 (参考画像) 
全頁2色(赤と青) 他にもマンガ化されたらしいが、確認できるのではこれが最も古かった。 車椅子は「ねいす」と呼ばれている。
パンを切ろうとするおじいさんにハイジがとる態度などは、シャリーテンプル主演のアメリカ映画の影響があるようである。


題名 アルプスの山の娘 世界名作漫画文庫 ; 44


滝沢みち子絵
出版社 : 曙出版 112頁 発行日 :  1953/08/25 昭和28 100円

説明 (参考画像)
「中扉・2-16頁」がフルカラー


題名 アルプスの少女 世界名作長編漫画 おもしろ漫画文庫 ; 50


南義郎
出版社 : 集英社 108頁 発行日 :  1954/08/15昭和29 100円

説明 (参考画像)
「中扉・2-16頁」がフルカラー 80頁までは2色 96頁までは1色 その後はまた2色印刷
80頁に「お日様の詩」の紹介があるが、1952年訳の竹山道雄訳が正確に引用されている。


題名 アルプスの少女 なかよし7月号ふろく


作 杵淵やすお
出版社 : 大日本雄弁会講談社 93頁 発行日 : 1955/07/01 昭30 

説明 (参考画像)
名作まんが物語 ハードカバー 
おじいさんのなまえは「アルム」、あだなは「ロボット」とあるが、物語がすすむにつれほとんど「おじいさん」とのみ呼ばれて修正されている。マンガ的表現だが、原作に忠実なマンガ化。
予告で8月号のふろくは「ノンちゃん雲に乗る」「赤いカンナの花咲けば」の2冊がマンガになるとある。

巻末の他の雑誌の広告の題名は
「幼年クラブ」「少年クラブ」「小説サロン」「講談倶楽部」「こどもクラブ」「キング」「少女クラブ」「婦人倶楽部」など。


題名 少女ハイジ 小学四年生7月号ふろく 


南田はると
出版社 : 小学館 59頁 発行日 : 1956/07/01昭和31 

説明 (参考画像)
薄い小型の本
「ハイジ」「クララちゃん」「おばけ」「きせき」の章立て


題名 少女ハイジ 小学二年生6月号ふろく 


松沢のぼる
出版社 : 小学館 56頁 発行日 : 1957/06/01 昭和32 

説明 (参考画像)
2年生の世界名作 ハードカバー カラー口絵1枚・2色刷内表紙あり
ところどころ文字主体の絵物語形式になる。ページ数が少ないための説明と思われる。
立派な「ふろく」である。


題名 アルプスの少女 まんが物語


小沢得久
出版社 : きんらん社 95頁 発行日 : 1959/02/20 昭和34 150円

説明 (参考画像)
表紙はスイス白黒実写映画を着色したものを使用(スイス・プラエセンス・フィルム特作 東映(株)・映配(株)共同配給)と説明あり) 
内容はマンガ。おじいさんの名前は「ハルム」。
ハイジが山に帰り、おじいさんに会う直前で終わる。教会へ行く場面はない。 
かなり簡略に制作されたようである。 1-16までカラー頁


題名 アルプスの少女 少女漫画文庫


小林健一・画
出版社 : 集英社 122頁 発行日 : 1959/03/05 昭和34 150円

説明 (参考画像)
16ページまでフルカラー ここまででもっとも丁寧な絵と
内容。ロッテンマイヤーさんがかなり優しい。
「かいせつ」巻末にあり。半ページだが適切。小学生2年までの漢字使用とある。


「花のように美しく 夢のようにすばらしい文庫」と宣伝文がある。
他の作品は「若草物語」「ひみつの花園」「かぐや姫」「小公女」「少女白菊」「シンデレラ姫」「白雪姫」
「家なき少女」「たけくらべ」など 他にも「おもしろ漫画文庫」(190冊)「なぜなぜ学習漫画文庫」など広告あり。


題名 おそ松くん/アルプスの少女 せかい名作まんが 小学二年生ふろく


赤塚不二夫/鈴木のり子
出版社 : 小学館 32
頁 発行日 : 1965//08/01 昭和40

説明 (参考画像)
小学二年生第21巻第5号8月号付録 紙質は悪い
前後逆さまに32頁ずつのマンガ掲載 ハイジからの「女の子」だけの「てんしのゆびわ」プレゼント広告あり


題名 パコちゃんパーすけ/アルプスの少女 小学二年生ふろく


山根あおおに/赤松節子
出版社:小学館 112頁 発行日:1966/06/01 昭和41

説明 (参考画像)
「小ニ・めいさく まんが アルプスの少女」 48ページ


題名 ハイジ 花とゆめCOMICS


わたなべまさこ 
出版社:白泉社 201頁 発行日:1975/08/10 価格:?

説明 (参考画像)
解説 ハイジ1-83頁所収
(右は集英社マーガレットコミックス1968年版 1975版は再版。内容同一)
(ハイジは髪は茶色(本編では黒ベタ)。強いくせっ毛(巻き毛?)、目は茶で表現されている)(クララは金髪・直毛 目は黒?)


題名 アルプスの少女 モンキー文庫 . 名作漫画シリーズ


北島洋子漫画
出版社 : 集英社 184頁 発行日 : 1977/07/10 350円

説明 (参考画像)

「解説 愛と喜びの天使」塩谷太郎(独文学者)185-187所収

高畑ハイジの後のオリジナル絵柄のマンガ。アニメを強く意識して作画されたと思われる。
よく考えられた丁寧な絵柄とストーリ。


題名 アルプスの少女 まんが大行進  小学三年生ふろく


高見典子漫画
出版社 : 小学館 128頁(ハイジは87-112頁まで 36頁) 発行日 : 1983/05/01 昭和58 ふろく

説明 (参考画像)
少ないページ数ながら、ストーリーはすべて紹介されている。
同時掲載
「あさりちゃん ドラエもん パーマン 松田聖子物語 特ダネシャツ太 原・江川友情物語 ダッシュ!チョロ鉄」の各漫画


題名 ハイジ コミックス版世界名作全集 6


藤田素子
出版社:サンマーク出版 222頁 発行日:1983/12/15 価格:1200円

説明 (参考画像)
(ハイジは髪は
色。巻き毛。目は濃い)(クララは金髪・直毛 目は青)

右は1996年の文庫版表紙。表紙の絵柄は違うが本編の内容は同一。
(ハイジは髪は
色。直毛。目は黒)


題名 「アルプスの少女ハイジ」「小じか物語」<世界名作まんが>


鈴賀レニ/マージョリ・キナン・ロウリングス、まるやま佳
出版社:小学館 100頁 発行日:1984/01/01 価格:付録

説明 (参考画像)
「ハイジ」1-48頁所収 表紙(左)と中扉(右)の絵柄が違う
「小学三年生」1984年1月号(第39巻、第10号)付録。コミックス判(ハイジは髪は
色。本編黒ベタ。目は茶)(クララは金髪・まき毛)


題名 アルプスの少女ハイジ てんとう虫コミックス世界名作まんが5


高瀬直子 
出版社:小学館 189頁 発行日:1990/05/25 価格:370円

説明 (参考画像)
(ハイジは髪は
色。巻き毛。目は)(クララは金髪・直毛 目は青)


題名 アルプスの少女ハイジ The kumon manga library


いがらしゆみこ 
出版社:くもん出版 99頁 発行日:1998/11/26 価格:1000円

説明 (参考画像)
雑誌「小学一年生」1986/04-1987/03に連載されたものに加筆,。
「作品解説」立原えりか98-99
ドイツの研究書に、大きくとりあげられている。


(ハイジは髪は
色。巻き毛。目は茶色)(クララは金髪・直毛 目は青)


題名 アルプスの少女ハイジ (マンガジュニア名作シリーズ)


イラスト:牛田 牛午  編集:ミハラテツヤ  
出版社:学習研究出版 191頁 発行日:2015/9/15 価格:1404円

説明 リンク (参考画像)
kindle版あり 253276KB

紹介より
「長年愛され続ける名作『ハイジ』を漫画化。ある日、おじいさんの家に預けられたハイジ。アルプスの山間部で送るおじいさんとの生活や、ペーターやクララとの友情を中心に、ハイジの成長を生き生きと描く。漫画は、子どもも親しみやすかわいらしいタッチ。 みんなをしあわせにする不思議な力を持つ少女の物語。」



総 評


 高畑ハイジのマンガは別項目にしました。
 ハイジのマンガについては未確認のものが多いはずです。
 雑誌掲載のみで、単行本になっていないケースは非常に多かったと思われます。
 また、絵本との関連も考えなければなりません。

 マンガはすでに日本文化の一大分野です。
 子どもの接する本は、幼児期の絵本から文章主体の本へ移行するというよりは、マンガに読書の対象が移り、さらに絵本の段階から同時進行で映像の影響が強力におよんで堅固なメディアミックスを形成することが可能です。
 文章の本の出番はなかなか訪れることなく、一番最後の重要ではない部分になってやっとわずかに姿をみせる状況になりかねません。

 マンガの表現力は、印刷物としてはもっとも強力だと思われます。
 すぐれたマンガは時としてモノクロインクの絵と文字だけで、フルカラーの動画と音楽・音声をそなえた映像さえ圧倒してしまう力を持ちます。
 傑作マンガの一作品が、社会全体に影響力を持つことさえあります。

 しかし、アニメ高畑ハイジの存在する今となっては、マンガのハイジたちは、どうしてもマイナーな存在にならざるをえないでしょう。
 児童文学のみならず文学作品のマンガ化は数多くなされていますが、作者への負担が大きい割には、原作を凌駕する成功例は少ないと思っています。
 マンガは作者の技量・思い入れに大きく左右されてしまいます。

 また、これはマンガに限りませんが、作者の原作に近づけようと思えば思うほど、いくら優れていても原作の影にしかならないからです。
 かといって独自色を出しても、原作を超えられるかどうか、よほど創造性がなければ成功するはずもありません。
 ムリヤリの仕事でマンガ化しても、それだけの作品になってしまう「かわいそうな」実例が見られました。

 日本で生まれた現代マンガの特性には、描くための舞台には適正な規模があります。
 最大の力を発揮するには長編の場合が多いのです。
 また、マンガの持つ可能性の大きさも、かえって足をひっぱっているのかもしれません。

 それから、高畑ハイジ以前のマンガハイジは原作に近い黒髪が多いようですが、アニメ放映以降ではハイジが金髪になるケースが増えているように見えます。
 アニメとは違う別の印象をもたせようとしたのでしょうか? 

 ともかくマンガ独自でハイジの歴史を語るにはサンプル数が少なすぎて、まだ総括できていません。


2005/07/09



 翻訳単行本の挿し絵は、ほぼ原作の設定に忠実だが、「マンガ」ではかなりの頻度で、ハイジは金髪で表現されている。
 映画でも同様で、金髪の子役がほとんどである。
 実際にスイスでは黒のカーリーヘアはごく少数派であり、金髪の方が自然なのかもしれない。
 高畑ハイジにしても、パウル・ハイのような典型的カーリーヘアを採用していないのは興味深い。見栄えやアニメ上での演技のしやすさを優先するとそうなるのだろうか。
 また、他のマンガ作者は、高畑ハイジがあまりにも成功しすぎたため、特色をだそうと金髪にしているのかもしれない。
 少なくともTVアニメ以前の「わたなべまさこ」のハイジは、作品中「黒ベタ」で表現されている。

2003/2/20版総評