カントーの市場にて ここでツアーと別れ私は再び一人になった。
この国の朝は早い。
待っていた客引きが来た。
まだ太陽が登ったばかりで、川沿いでは一日の生活が始まろうとしていた。
船頭に「ゆっくり走らせてくれ、急いでないから」と注文をつけた。
支流を大きく迂回したり、朝顔菜(水性野菜)の畑を見たりして、
カイランの水上マーケットについたのは2時間後だった。
船頭は、巧みに船をマーケットの中に乗り入れ、ある生活船にもやいをくくりつけた。
その親子は、どうやら船頭と親戚みたいであった。
私にとっては好都合だった。
船を留めているから、いろんな物売りがやってくる、果物、フォー、飲み物、お菓子、煙草などさまざまである。
朝飯を食べてなかったので、フランスパンのサンドウィッチとコーヒー、バナナをすりつぶして揚げたものに、ココナッツミルクとピーナッツをかけたお菓子を頼んだりした。
閑話休題:ベトナムで、いろんなものを食べたが一番気に入ったのが、実はこのフランスパンのサンドウィッチ(バイン・ミー)。フランスパンを裂いて、トマト、キュウリ、ハム、パクチー(香草)に塩、胡椒、ニョクマムをふりかけたサンドウィッチと、深入りしたフレンチローストのコーヒー。アジアはインスタントのネスカフェがほとんどだか、日常の屋台でこれだけ美味いコーヒーを飲ませてくれるのは感動ものである。
フランス植民地政策の遺物であることは確かであろう。
1時間も船を留めてくれて、船頭もフォーを食べたり、煙草を買ったりとしばしの休憩である。
観光船も何隻か見たが、どれも通り過ぎて行くばかりで乗客はしきりにビデオを回したり、写真を撮っていた。
船頭に「そろそろカントーに戻ろう」と告げた。
この時間になると、太陽の光は凶暴になるので、朝早く行って戻ってきたことは正解であった。
カントーの市場をうろつて(市場ばかりうろついているなぁ〜(^^;;)
玉子屋は雛まで売っている。
パンは当然バゲット。(ほんとこれは美味しい)
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