アテネ通信


 今、アテネにいます。

 結局、イスタンブールからアテネへはトルコ航空を利用しました。ほんとは列車かバスで陸路を行きたかったのですがやはり休暇が限られているためにやむをえませんでした。

 アテネの宿はHOTEL TEMPIという宿の22号室です。広さは3畳もなくベットと鏡台と小さなテーブルがあるだけです。でもボクはこの部屋を気に入りました。鎧戸を開けると正面にパルテノン神殿が見えるからです。

ベットには掛け布団や毛布がなく、シーツが一枚あるだけです。即、「毛布が無い」とクレームをつけたら、女将から「なくても大丈夫だよ。」とあっさりいなされてしまいました。言われてみればもっともな話で、空気が乾燥しているため陰にはいると暑さは感じませんがかなり暑いです。たしかに女将の言うとおり夜はそれだけで充分快眠できました。

 ここではさすがに屋上というわけにはいきませんでしたが。部屋の窓から、アラックと兄弟の「ウゾー」というこれまた水を入れると白く濁る酒を舐めながら、夕日の染まるパルテノン神殿を眺めていました。なかなか、この酒は食前酒としてうってつけであり。夕日が落ちた後、夕食の時間という具合です。

 実はギリシャは革靴に良いモノが多く、アテネッ子達は服、バックはブランドや国を問わないが、どんな金持ちでも靴だけはギリシャ製にこだわるほど良いモノが多いということです。私も、長年履いていたデッキシューズをアテネに着くと同時に履き潰してしまったため皮のサンダルを一足2000ドラクマ(1Dr=0.7円)で買いました。履き心地はなかなかですね。デザインは古代ギリシャ人がはいているサンダルと同じようなものです、ただし踵に羽はついていませんが。店番の女の子がかわいくて、その店で買ってしまいました。

今日の午前中にパルテノン神殿に行って来ました。
途中でファッションモデルの撮影をしていましたが、暑いさなかに冬物も撮影でモデルも暑そうでした。

開門したばかりだというのに多くの観光客が集まっていました。ず〜っと坂を登っていくと目の前に神殿がそびえ立っていました。単なる廃墟に過ぎないのに、ギリシャ神話の神々の座と思うだけでボクには充分満足でした。白い神殿と雲一つない蒼い空とのコントラストが鮮やかで、もって上がってきた温くなったビールを飲みながらしばらく見とれていました。

 神殿から降りてくると、将来はアフロディテ(ビーナス)かアテナかと思われる少女に会いました。名前を聞き忘れましたがしばらく一緒に遊んでいました。

 さて、今日も夕日がパルテノン神殿を赤く染めて沈んでいきました。そろそろ、プラカ地区で親切なおばあちゃんの店でレチーナ・ワインを飲みながら夕食をとることにしましょう。

それでは、また手紙を書きます。

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