ポートワインの街へ(後)


対岸に戻るときはアーチ橋の低いほうを渡って右岸に戻った。
アーチ橋の上部は高いし揺れるし・・・

パステル色の建物が並ぶ中、坂道をあがりカテドラルに向った。

実はこの地区も「ポルト歴史景観地区」という世界遺産に指定されている。

カテドラルから見るポルト市街は「あかい」屋根が連なっている。

ドウロ川に沈んでいく夕陽は切なくなるほど美しく、川風に吹かれながら陽が沈むのを見つめていた。

そろそろ夕食を取ろうと下におりて右岸のレストランやカフェテラスが集まったエリアに行った。

さてあたりも暗くなり、今宵は何を食べようかと歩きはじめたら、開いている店は1/3もない。
「ヤバイ、今日は日曜日だ」

既に見晴らしの良いテラスの店、安い店はすでにどこも満員。
多少高級な店もほとんど満杯状態。
そのうえ時間が遅くなるに連れて、人が溢れてくる。
「この調子だと晩飯食いそびれる」
駅のほうに戻りはじめたが、途中の店もことごとく閉まっている。

コンビニなんていうのは無いので駅へいけば何とかなるだろうと、駅にいったがカフェは既に閉店、売店のみ開いている状態。
駅裏へまわり、さらに20分。
やっと開いている店を見つけた。広い店で客席もたくさんあるが、ほとんど満席。観光バスまで横付けされている。これだけ店が閉まっていると、ここぐらいしかないだろうな。結局この店にたどり着くのに2時間かかった、そのせいかウサギのオーブン焼きと付け合わせのリゾットは美味しかったしハウスワインは心地よく酔わせてくれた。
油アブラの山盛りのフライドポテトには閉口したが、贅沢は言うまい。

翌朝も快晴、「乾燥のイベリア」とでも言えばいいのか。

今日も蒼い空がまぶしい。

市庁舎前の広場でミネラルウォーター片手にどこへ行こうかと思案。

Lisbonに戻る列車は15:00.

クレリゴス教会の塔へ登るという手もあるが、なんとなく敬遠。





一番のショッピング街でポジフィルムを買い足し、食器や鱈の干物を土産に買うかどうか悩み、中古カメラ店や釣具店を覗いたりしながら街歩きを楽しんでいた。

昼は鳥の炭火焼き

昨日と同じようにカテドラルに行き、下へ降りて川岸に出た。






昨日と異なり、人出は少なかった。

例のアーチ橋を渡り、時間潰しにまた一軒の醸造所に向った。

適当に選んだBARROS醸造所に入り、貯蔵庫からレセプションルームに行くと、1人の女性が
「Do you remember me?」と声をかけてきた。
「えっ!! 君は」

その女性は昨日、KOPKEの醸造所で私の対応をしてくれた女性であった。
「Why do you stay here? Your brewery is another company・・・」
「KOPKE brewery is parent company」
偶然だがKOPKEの分家に入ったことになる。
彼女は奥から鍵を出してきて、
「昨日と同じではつまらないだろうから、別の場所に案内してあげる」と連れていってくれたのは、ボトル貯蔵庫であった。

彼女の説明によると、ここには何万本あるかわからない、ここに眠っているボトルで一番古いのは1968年ものであることなど、昨日と異なった説明を聞くのは楽しかった。

これでポルトともさよなら、列車の時間まで川岸で風に吹かれていた。

Lisbon寸景

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