ポートワインの街へ(前)


ポルトはポルトガル北部に位置するポルトガルの第2の都市である、またポルトガルの国名の語源となった都市でもある。
ポルトガルの滞在日数実質5日半なので、北のポルトへいくか、南のサグレス岬に行くかどちらかの選択となった。
つまりポートワインの地を選ぶか、「深夜特急」(沢木耕太郎 著)の実質的な旅の終わりの地を選ぶかということである。
これには結構悩んだ・・・が、ポートワインの誘惑に負けてしまった(^^;;
朝8:00 サンタ・アポローニア駅からInter Cityは北へ向けて出発した。

ポルト・サン・ベント駅まで約3時間。

日本で新幹線で新大阪−東京間は長いと感じる時があるが、なぜか海外に出ると1日乗っていても長く感じないから不思議だ。

この日も、窓の外を見ながら時折ビールを飲んでいただけなのに3時間という時間は長さを感じさせなかった。

  サン・ベント駅は、エントランスのスペースでは天井までアルテージャ(タイル)で装飾されていた。
ポルトガルは表札や表示板など見事なタイル装飾が多いが、その中でも群を抜いて素晴らしい装飾である。

駅から程近いところに手ごろなクラシックなResidencialを見つけて満足。
交渉の結果、ツインルームのシングルユースでシングルの値段で朝食付き5000esc・・・これはラッキー。

宿も決まり、市庁舎のInformationに行き、ポートワインの醸造所の場所を確認。
ポートワイン醸造所はスコッチ蒸留所のように点在しているのではなく一地区に固まっている。
こりゃ醸造所のハシゴができる。

市庁舎前から南に向って歩くと鉄骨の大きなアーチ橋がドウロ川に架かっている。
これを渡った左岸一帯が醸造所群である。

何気なく橋を渡りはじめたらこれが「高い」
何度かこの橋を渡ったが、この時以外は低いほうの橋を渡るようにした。「高いところは嫌いじゃ!!」

ドウロ川面には昔上流から葡萄を運んだ船がごとに等間隔で係留されている。

ポートワインというのはワイン醸造の醗酵過程で糖分が10%になった時点でブランデーを足して醗酵を止めてしまう。それから樽にいれて貯蔵。
通常のワインと異なり、アルコール度数は25%前後とかなり高く甘口の酒である。
通常は食後酒として飲まれることが多い。
ただ日本ではそれほど飲まれているお酒ではない。

私もポートワインを飲んだのは片手で数えられるほどである。
種類も白と赤がありルビーやビンテージや年代モノなどいくつかの種類がある。
ウィスキーやバーボンと同様、安いのから高いのまで味も多種多様である。
もちろん「Port Wine」の「Port」はポルトの地名である。

まず最初に入った蒸留所はCALEMである。

扉を押して見学希望の旨を告げると、待合室に案内され、しばらく他の見学希望者と待つことになった。
お酒を飲みはじめた頃、サントリー「赤玉ポートワイン」を飲んだことがある。
当時、このせいでワインは甘いものだと思っていて、「ワイン」と別種のモノであるのと知ったのはだいぶ後だったことを思い出した。
さて英語ツアー一行の後ろについていくと、いきなり貯蔵庫に案内された。

「あれっ!! 途中の過程はないの」と思ったが、ワインの仕込みの時期ではないので見せられる場所といえばここぐらいなのかな。
でも貯蔵庫は好きな場所なので私は異存はなかった。

貯蔵庫で説明を受けて、最後に商品の説明になった時、はじめて知ったのがポートワインには「白」もあるということ。ポートワインというのは「赤」だけだと信じ込んでいた自分が可笑しかった。

15分ほどの説明後試飲、「赤」と「白」それぞれ1杯づつ。
ルビーポートなどの売れ筋商品だった。





「こんなもんかな?」というのが正直な感想。

ポルトについてからずっと歩いていたので川岸でしばし休憩。

日曜日ということもあり、カフェテラス、川岸は人で一杯である。

川沿いの醸造所はどこも多くの観光客が訪れている。

次はちょっと山手にあがったKOPKEというメーカーにいった。

ここまで来ると急に人気がなくなる。

このメーカーもビジターの入り口から入ると貯蔵庫だった。声がするので見上げると中二階が試飲フロアになっていた。

貯蔵庫には「ネズミ退治」用のネコが何匹かウロウロしている。
ここでは先の醸造所と異なり、まず白の3種類のドライ、ミディアム、セックの3種類の試飲をさせてくれた。

味の違いが明確で、私の好みではドライでした。
次に赤これも3種類、こちらは年代の違い、ルビーポートやビンテージポートの試飲であった。さすがにビンテージとなると一級品である。

他に一組しか客はおらす、のんびりと試飲を楽しんでいた。
対応の女性が暇だったのか1本1本の違いを丁寧に説明してくれ、なぜか煙草も1本くれた。ひさびさの煙草はクラクラするほど美味しかった。
このメーカーの対応が丁寧だったので、記念にミニボトルを1本購入した。
2つの蔵を回ってかなり呑んだので、今日はここまで。
ほろ酔いの身体に川風が心地よかった。

 

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