緑の中の世界遺産


 世界遺産・・・1972年のユネスコ総会で採択された「世界遺産条約」に基づく「世界遺産リスト」に登録された、 世界中の自然や文化のことである。
日本でも1993年に白神山地や屋久島、法隆寺地域の仏教建造物、姫路城が指定され知名度が出てきたが、それ以前はほとんど一般に知られていなかったといえる。
1996年よりTBS系で「世界遺産」の番組がOn-Airされるようになってから日本でも一般に知られるようになったのではないか。
最近のツアーでも「世界遺産を訪ねる××」というのや旅行雑誌でも「世界遺産Best○○」のようなのが増えてきた。
「地球の歩き方 ポルトガル編」でも「世界遺産」という項目が立てられている。

今まで世界遺産なんて考えて旅をしたことがないが、今回初めて意識したのがシントラである。

ロカ岬からLisbonに戻る途中に位置する街シントラ。

街自体がこじんまりしている。
しかし、観光で成り立っている街なのでインフォメーションは充実していて必要な情報が充分に手に入る。

駅からの表示に従って山手のほうに歩いていくと町並みが見えてきた。

Lisbonはどちらかといえば緑のない街でなので、逆にシントラは緑の中に街があるという感じである。

市の中心部で三角錐の屋根を持つ王宮があり、オープンカフェ、土産物屋が並んだ小道、ちょうど昼時で街は観光客で溢れていた。






それでも東洋人はほとんどいない・・・ということは「私」がいかに目立つ存在であることか。

土産物屋を冷やかしながら、ぺーナ宮殿までの道を登っていった。

緑の中を歩いていったが、途中で疲れたのでひよってバスに乗り「べーナ宮殿」に向かった。

麓ついて、宮殿へ登っていく。

そこにはカラフルな宮殿がそびえ立っていた。
むぅ〜、なんと表現すればいいのか。

趣味が良いのか、悪いのか。
ノイシュバンシュタイン城を造ったルードウィッヒ2世の従兄弟のフェリディナンド2世が建築を命じたとガイドブックには書いてある。
う〜む納得。
やはり「血」なのか。

まず入り口でカメラをあずけさせらた。やはりストロボをパチパチ焚かれたら絵などは変色してしまうだろうし、しかたがないのかな。
中に入るとルートどおりに、さまざま部屋を見て回る。
贅沢な調度品、権力の誇示、上流階級社会がよくわかる。横の観光客は「Fantastic」「Beautiful」など歓声をあげている。
一方私は食傷気味で部屋を見て回る。
ただ一カ所だけ足を止めた部屋があった、薄暗い礼拝堂である。
他の部屋と比較して質素な部屋。
権力者も神の前には謙虚になったのであろうか。

外に出ると遠くLisbon市街まで見えている。
大西洋から吹く気持ちの良い風に吹かれていた。

帰りはバスではなく歩いて戻った。

再び街に戻り駅前小さなBARでカウンターにもたれて飲んだビールは疲れた身体にしみこんでいった。

「ああ、旨いっ!!」


ポートワインの街へ(前)

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