ここで地果て、ここより海はじまる


 「AQUI・・・ONED A TERRA SE ACABA E O MARCMECA 〜ここで地果て、ここより海はじまる〜」という、ポルトガルの詩人カモンエスが読んだロカ岬の詩の一節である。

ヨーロッパの西の端、ユーラシア大陸最西端の地、北緯38度47分、東経9度30分にこの岬がある。
ちなみにユーラシア大陸の最東端はシベリアのデジニョフ岬、最北端はノルウェーのノールケイプ、最南端はインドのコモリン岬である。
ずいぶん前からこの岬へ行ってみたいと思っていた。
それはこの詩の響きと、アジア、中東、ヨーロッパとユーラシア大陸を旅している私にとって、西の果てというのは「日本から一番遠い」という特別な場所である。
アメリゴ・デスプッチもコロンブスもバスコ・ダ・ガマもイベリア半島から出帆しアメリカ大陸に向ったのである。

ロシオ駅から電車でシントラまで約45分、そこからバスで40分。小さな村(これが写真を撮るには良さそうな村)を過ぎて荒れ地を走りロカ岬に到着。
バスを降りた、強い風が吹いている。
大西洋から吹く風・・・風の岬。
寒い・・・思わずベストのファスナーを上げた。

モニュメントまで行き、遠く西を見ると水平線の彼方では空と海が交じり合って霞んでいる。

ここで日本人の団体と鉢合わせ、写真を撮った女性2人組みにルートを聞いたところ「スペイン・ポルトガルの周遊」だということ。
それ以外にもイタリア人の団体など観光バスがひっきりなしにやってくる。
私がいた2時間あまりの間に日本人団体が2団体やってきた。
この日本人の団体と会って気がついたのだが、Lisbon市内では、日本人どころか東洋人もほとんど見ることがなかった。
たまに「地球の歩き方」を持った個人旅行者を見るぐらいで在住らしき東洋人もあまり見ることはなかった。

マカオやマラッカなどを植民地としていたのに「意外に東洋人がいないなぁ」というのが感想である。逆にコンゴなどアフリカに植民地多く持っていたせいか黒人が多いというのも最初もっていたイメージとは異なっていた。

やはり東洋からは遠い地なのであろう。
崖の先端に立ち、見下ろすと垂直の壁に大西洋の波が打ち寄せている、高いところは苦手なので一目見て後ろに下がった。
その後灯台のほうまで行き、Infomationに行き、「最西端到達証明書」を作ってもらった。古いアルファベットの書体で名前と日付を書いてある。(900esc)。
ちなみに私は45887人目の訪問者であった。

ここから「証明書」を自分宛に郵送できるようなシステムになっている。大きな証明書(B4相当)を持ち歩いていたら折り曲げてしまうのは目に見えているのでありがたいサービスである。
最後に最西端のBARで一杯やってお昼のバスでシントラに戻った。


緑の中の世界遺産

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