サウダーデと呼ばれる街



 「サウダーデ」それはポルトガルの人が、愛する人が遠くへ去ってしまった時の懐かしさ、悲しさ、切なさなどを合わせた、ポルトガル人にしか理解できない「感情」だと言われている。
Portugalを紹介するとき必ず紹介されるフレーズである。

 ヨーロッパ最西端の国、過去の栄光の国、歴史に取り残された国、眠っている国・・・これは行って「サウダーデ」を自身で感じてみるしかない。
それと長年の憧れもあった。
ポルトガル・リスボン。テージョ川の河口に広がる街。
起源はギリシャ神話に「七つの丘の街」で登場する古い街である。

私はそのLisbonにいる。

朝の斜光線の中、出勤していく人達に混じり、私はゆっくりと坂道を歩いていく。

空気は乾いていて肌寒いぐらいである。

スタンドの新聞記事は、どれも「テロ」の記事。人々も記事を指さしながら話をしている。言葉は解らなくても内容は推測できる。

ケーブルカーに乗り、市場を覗き、歩きながら距離感覚を計り、街の大きさを掴んでいった。













ともかくどこかへ行こうと15番の市電に乗りベレン地区に向った。
約30分ほどでベレンに到着。

ここにはLisbonというかポルトガルの案内では必ず登場するエンリケ航海王のモニュメントとベレン城がある。
ベレンで降りるとジェロニモス修道院がそびえ立っていた。
「カテドラル(大聖堂)」というケン・フォレットの名作があるが、それを読んで以来ヨーロッパへ行くと許される限り大聖堂に入るようにしている。

高い天井と装飾、ステンドグラス、ピンと張り詰めたな空気そして静寂。
しばらく椅子にすわり雰囲気を楽しんでいた。
外にでて、モニュメントに向った。

メディアを通じて何度も見ているモニュメントであり、特別な感慨はなかったが「Lisbonへ来た」という証明になったかな。

正面の広場では子供達が遠足に来ている。






モニュメントの上の登ると、テージョ川を中心にLisobon市内を一望することができる。

乾いた空気の中、陽の光の下で飲むビールは・・・やはり美味しい。

次に川に浮かぶベレン城まで歩いていった。

お城に入ったが、遺跡というのはその背景を知ってこその面白味があるのであって、単に「古い」や「奇麗」だけでは飽きてしまう。

やはり人の営みがあってこそ面白いのであって抜け殻だけは面白くない。





 市内一時日本でもはやったエッグタルトことパスティス・デ・ナタの元祖(ポルトガルが起源でマカオに伝わった:中国名 蛋達)の店パスティス・デ・ベレンがあり、もともと香港で食べて好きになったお菓子なので迷わず店に向かった。
焼きたてのエッグタルトはエスプレッソコーヒーとよく合って美味でした。

こうして「観光」という一仕事を終えた。
さて市内へ戻ろう。

 

坂道とケーブルカー

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