バガンに沈む夕陽


一旦ホテルに戻った。

下半身はガタガタ・・・黒のTシャツは、潮を吹いて白くなっていた。

昼を食べて、その後昼寝。
起きると16時前。







2時間よく寝た。

さてもう一度、シュエサンドーパゴダへ。
夕陽を見るために。
朝は元気だったので気がつかなかったのだが、オールドバガンから遺跡エリアは、どちらかといえば、登り坂となっている。
寝たとはいえ、お尻は痛いし、足はガタガタなのは変わりない。

何であれパゴダへ向かう。

17時30分、到着。
日没予定は18時30分頃。

まだ誰もいなかった。

そうこうするうちに、次々と観光客が集まってきた。

馬車で、自転車で、車で、観光バスで。


私がいる一番上の回廊から、2番目の回廊、3番目の回廊まで18時すぎには観光
客でギッシリとなった。

夕陽に大地が照らされて昼と違った美しさである。
待っている間に気がついたのだが、これだけ観光客がいるのに日本人を見ない。

アジア系でも中国語しゃべっている人はいるが、ほとんどがユーロピアン・ツーリストである、私の右手の3人はイタリア語、後ろのファミリーはスペイン語である。

いくら雨期でオフ・シーズンとはいえ、バガンエリアはほとんど雨の降らないエリアであり、日本は夏休みというオン・シーズンである。

そして今いる場所が、バガンで一番有名なポイントである。

そこに日本人がいないということは、来てないのであろう。
そして落陽。

最後、地平線の雲にさえぎられて朱く染める空を見ることはできなかった。
でも周りの観光客も満足そう引き上げていく。
私も引き上げることにしましょう。

静かなショーに私も満足。
真っ暗な道を走るのは結構怖いものがあった。
街灯なんてないもん。

夕食後、私はホテルの庭に買ってきたミャンマー・ビールと冷蔵庫で冷やしたグラス、本を持ち出した。
今回、持ってきた本は3冊、いずれも井上靖「本覚防遺文」「蒼き狼」「楼蘭」

千利休、ジンギスカンに楼蘭・・・この地には関係ないが、今回の旅の気分は井上靖の文体であった。
静寂、闇の深い夜、トッケイの鳴き声・・・そんな中でビールを見ながら千利休の茶の世界を読む。
旅先での幸せな時間である。

 

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