雨に濡れた首都


バンコクを定刻に離陸したTG303便は、ヤンゴン国際空港への着陸態勢にはいった。

窓から見るミャンマーの国土は、河川と田の境が曖昧であり、雨期ということもあり、「水っぽいなぁ〜」というのが第一印象であった。
ヤンゴン国際空港。(空港の3レターコードはRGN・・・ラングーンのままである。)

首都の空港なのに連絡ブリッジひとつ無い。
タラップを降りると連絡バスは、帝産バスの中古車。
「まえのり あとばらい」なんていう日本語表記もそのまま。
ミャンマーは日本の中古車ばかりとは聞いていたが、連絡バスまでとは。
薄暗い空港である。
天井の電灯も明るくなったり暗くなったりして一定していないし・・・電力供給が安定していないようだ。
機内預けの荷物がなかなか出てこない、一度に2,3個出てきたとおもったらしばらく出てこない。
どうやら2,3づつ台車に積んで運んでいるようである・・・なんちゅう国際空港じゃ。
結局私の荷物が出てきたのは1時間後だった。

出口を出ると、「Mr.ogawa」と書いたミャンマーP.L..Gという代理店の人が待っていてくれた。
この代理店には、ヤンゴン−ニャンウー(バガン)の往復航空券とバガンでの宿3泊分と両替をお願いしていた。
ミャンマーの通貨はチャット、公定レートは1USドル=6.3チャット、実勢レートは1USドル=1,000チャットという通貨管理が崩壊しているレートである。

そのためホテル、航空券、鉄道、入場料など外国人はUSドル払いである。
それとクレジットカードがほとんど通用しない。
日本円もほとんど両替できない。
そのため、今回の旅の前に珍しく500USドルを購入して1USドルや10USドルを沢山用意した。
P.L.G旅行代理店・・・日本語でやり取りでができて、両替も実勢レートでOK、
余れば実勢レートでUSドルで再両替するとのこと。
この国の実情を考えれば実に助かる。
いわゆる闇両替になるので銀行とかでは両替はできない。
空港を出たところで、航空券とホテルのバウチャーを受け取り、ドル払いですませる。
次に100USドルをチャットに両替してもらう。
1,000チャット札×100枚・・・財布に入らない・・・
この国の物価を考えると、1週間程度の滞在なら、これでも余りそうだ。

ニャンウー行きのフライトは15時30分。
今は10時すぎ・・・空港にいてもしかたがないので、市内に向かうことにする、代理店の彼に「昼間、代理店に荷物を預かってほしい。ついては一緒に乗っていきませんか」と誘う。
彼にタクシーの料金交渉をしてもらい、50,000チャットのところを30,000チャットの相場で交渉してもらう・・・ラッキー。

約30分で市内に到着、ミャンマーP.L.Gの代表リャンさんと挨拶して、他のスタッフも日本語が堪能な方ばかりである。
偶然だが、ここの代理店は、日本にいる私のミャンマーの知人とも関係ある代理店である。








荷物を預かってもらい、ともかくランドマークであるスーレ・パゴダに向かうことにした。

雨期・・・通常東南アジアの雨期は昼間は晴れていて、夕方に雨が降るという感覚なのだが、ミャンマーの雨期は一日中曇り状態で雨が降ったりやんだりということで、日本の梅雨みたいな天気である。

これはちょっと計算違いであった。

一番写真が撮りにくい天気である。


代理店で地図をもらい行き方を教えてもらった、ここから約15分ぐらいでいけそうである。

ヤンゴンの街はイギリス植民地時代に東西南北にきれいに区画整理され、歩く分には方向感覚が掴みやすい。

だが歩道は、メンテがなってないのかでこぼこであり、そこに屋台や露天があるから歩きにくいこと。

そこに買い物する人、おまけに雨が降ってきた・・・あ〜あ。

傘差したまま写真撮るのって大変なんだから。

汗まみれなのか雨のせいか湿度のせいか、Tシャツをぐっしょり濡らしてスーレパゴダに到着。

入り口でサンダルを預かってもらい中へ。

雨で滑らないようにゆっくりと歩く。







人が祈っている。

仏像の後ろの「後光」が電飾なのは笑ってしまったが・・・電飾仏像はあちこちで見ることになる。

パゴダを後にして、大通りを戻る。

バスはほとんど日本車の中古。それも日本での塗装のまま使っているので、京都市バス、阪急バスなど見慣れた塗装から、徳島交通や福島交通など出自がバラバラで面白い。

車も70年代80年代の車が主流、昔私が持っていた車もあるかと思うぐらい懐かしい車種ばかりである。

やっぱ日本車は丈夫じゃ。

そろそろ空港に向かう時間になったので、代理店に戻り荷物をピックアップして
空港へ、このときも代理店のスタッフが交渉してくれ30,000チャットで空港へ。


国内線は1時間前に手続き開始・・・ラオスの国内線を思い出した。

もしやと思いチェックインカウンターへ行くと、そこには大きな台量が・・・やっぱり。

ラオスのビエンチャン空港とまんま同じだよ。
フライトはヤンゴン発ヘーホー経由マンダレー経由ニャンウー行きという各駅停車みたいなフライトで2時間45分もかかる。
ニャンウー到着は18時15分の予定。
機種はATR72という72人乗りのレシプロ機でゆらりゆらり行きましょう。
とおもったら1時間のディレイ。

ニャンウーに到着したのは19時15分。
入域料10USドルを支払って出口へ。
タクシーあるかなと思い、外に出ると「Mr.ogawa」という紙をもった人が立っていた。
ホテルが手配してくれたとのこと・・・・感謝。
空港の外、真っ暗なんだもん・・・久しぶりに闇を見る。

約15分でホテルへ、アウンミンガラー・ホテル・・・全室バンガロー形式のホテルである。
値段の割には良いやん・・・床にリノリウムじゃなくて木だし。
ベッドはツインだし、ちゃんと冷蔵庫もあるし。
ともかく荷物を置いて外へ。

ホテルの向かいのパゴダはライトアップされている。
それ以外は街灯も少なく、闇が濃い。
やわな旅行者は、マグライトで道を照らしながら食堂をさがす。
天気は晴れ、星も見えている。

マンダレービールを飲みながら、闇に消えていく道を眺めていた。
明日はバガンの仏塔遺跡群。

 

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