マラッカ・エクスプレス


 始めに・・・いつも海外旅行記はポジフィルムで撮った写真のみを使っていますが、今回はフジフィルム社のNATURAのカメラモニターでネガカラーフィルムでも撮っています。そのためネガとポジでトーンが異なる写真が組み合わされ、質感の異なる写真が混在しています。見た目の違いをお楽しみください・・・それでは始まりです。

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 22時50分、シンガポール・チャンギ空港の到着ゲートを出ると「ogawa様」と書かれたカードを掲げたK夫妻が私を待っていてくれた。

 K夫妻とは2年前、「日通ペリカントラベルネット シンガポール支店のホームページに私の写真を使わせてほしい」というメールをいただいてからの知り合いであるが、お会いするのは今回が初めてである。

<今でも沢山使っていただいてます(^^)>
 「シンガポール経由でマレーシアに向かうのでシンガポールでの宿泊手配をお願いします。」とお願いしたところ、ホテルの手配のみならず、遅い時間にもかかわらず、わざわざ空港まで迎えに来てくださった・・・ほんと感謝である。
 

ホテルまで送っていただき軽く雑談をして、「シンガポールに戻ってきたらホーカーズで食事をしましょう。」と、約束してお別れした。

 シンガポールは、1999年にベトナムに行った時にトランジットで1泊して以来である。K夫妻の話によると4/30〜5/2までシンガポールはレイバー・デー(日本のメーデー)の振替休日で3連休なのでマレーシアやインドネシアに行く人たちが多いということである。

このようすだと明日は早く出発したほうが良さそうである。

今回の旅は、前から一度追いかけてみたかった放浪の詩人・金子光晴の「マレー蘭印紀行」と沢木耕太郎の「深夜特急」での〜マラッカの夕焼けは美しかった〜の言葉に惹かれてマレーシア行きを決めた。
ただ1週間前まで5月2日に仕事の入る可能性があったので、キャンセルも念頭にいれていたが無事休みも取れ出発することができた。
1995年から97年にかけて毎年マレーシアに来ていた時期があり、それ以来7年ぶりである。もちろんマラッカは初めてである。

朝8時前、チェックアウトをしてブギスにあるシンガポール−ジョホール・バルのエクスプレス・バス乗り場に向かった。
次々とバスが発車していく、乗客の多寡で運行本数を決めるので今日はフル稼働のようである。

すぐにバスに乗ることができたのだが、国境手前で大渋滞。シンガポールの出国審査、マレーシアの入国審査も時間がかかり、ジョホール・バルのバスターミナルについたのは10時頃・・・2時間かかった。

何度もこのルートは乗っているが、通常だと1時間ぐらいなので、こんなに時間のかかったのは初めてである。
 ここでマラッカ行きのバスに乗る予定である。複数のバス会社が入っているのでマラッカ行きは1時間に2〜3本運行している計算となる。

 チケットを買おうとしたら、どの会社もマラッカ行きは14時30分以降でないと空席が無い。
「あいたっ!、4時間待ちかぁ〜」と、思ったが、12.5MR(マレーシア・リンギット≒28円)を払ってチケットを購入。
しばらくターミナル内をウロウロしていた
が、マラッカまで約300km所要時間4時間・・・現地着は夜である。

 昨日は、大阪からシンガポールまで移動の一日だったし、今日もこのままでは移動のみで一日が終わってしまう。
ジョホール・バルのバスターミナルは郊外にあるので市内に行くのもままならないし、荷物を持っているし、多くの人で座る場所さえままならない・・・しばし考えた。

私はタクシー乗り場に向かった。
何人かのドライバーが将棋をしながら客待ちをしていた。
その元締めが、私に話し掛けてきた。
「何処へ行く?」
「マラッカ・・・」
「250MR」
「高いなぁ〜、150MRにならない?」
「だめだ、マラッカまでは約300kmあるし、帰りは空車で客を乗せられない。高速料金も必要だ。」
「もう少しなんとかならないか」
「それではラストプライスで220MRでどうだ」
「200MRなら・・・」
「わかった200MRと運転手の昼飯を持つというのは」
「それでOK!」
ということで折り合いがついた。
11時なのでマラッカには14時には着くことができる。
バスチケット代は捨てることになるが14時着と19時着では大違いである。
GWは日本だけで、こちらも連休で大混雑なんて予想もしていなかった。
マラッカについてから、この行動が正解だったことを教えてもらった。


タクシーは順調に高速道路を走っている。
私はウツラウツラしていた。

と、車が渋滞に巻き込まれた、どうやら道路工事とその場所で交通事故が発生して3車線は1車線になってしまっているらしい・・・アレアレ。
そこの渋滞を抜けるだけで1時間近くかかった。

アベレージ120km平均で走ったので、14時30分すぎにマラッカ市内に到着。
長距離お疲れさまでした・・・結局昼ゴハン食べずじまいだったので200MR+10MRを渡して仲良くなった運転手とサヨナラ。

マラッカのホテルだが、ショップハウス形式のHotel Puriに5日前にメールで予約入れた・・・ただし出発まで返信が来てなかった(^^;;

ショップハウスとは1階が店舗、2階が住居で間口が狭く奥行きのある建物であり、京都の町屋をイメージするとわかりやすい。

カウンターで名前とE-Mailで予約して返信がきていないことを伝えると、「E-Mailは先週からダウンしているのでわからない」・・・・やっぱり。

「110MRのスタンダードは満室だが、200MRのデラックスなら空いているので4月30日、5月1日の2泊はデラックスで2日はスタンダードに変更なら大丈夫・・・どうする?」

一瞬別のホテル探しにいこうかなとも思ったが「しかたがない、その条件でOK」ということで決めた。

実はこの判断も正解だったようである。

緑が美しい中庭を抜け、

縁起が良いとされているツバメもたくさん宿泊している。

さて荷物を置いて街に出よう。


マラッカ海峡に沈む夕陽

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