静かなる首都


荷物を持って宿探しのため歩きはじめたが、日曜日のお昼という状況を割り引いても、ここが首都かと思うほど人気が無い。

 あんまり安い宿にも泊まるつもりはなかったので、15US$のLao-Parisという、いかにもフランス植民地時代のなごりのような名称のホテルにした。

エレベーターなしで最上階5階は辛かった。
最近、何処へ行っても最上階というのが多いなぁ。

シャワーを浴びて荷物を部屋に置いて身軽になり、昼ゴハン。

あのトゥクトゥクのおかげで朝食抜きである。
近くの店に入ると英語のメニューが置いてあった。
サンドイッチとBeer Laoを注文。
ここでキップを全く持っていないことに気がついた。
「おばちゃん、支払いはバーツかUS$でも良い?」
「良いですよ。」

大丈夫だという気はしていたが、やはり予想どおりであった。
この国の通貨キップは弱いので、おそらくUS$でも大丈夫だろうと思っていたが、もう一つバーツ経済圏でもあるのでバーツも流通している。
つまり三つの通貨が通常で使用されている。

そのためUS$とキップ、キップとバーツ、US$とバーツの組み合わせで支払うことも可能である。この通貨換算は、子どもでもトゥクトゥクのオッチャンでも食堂のおばさんでも、瞬時にして計算してしまうのである・・・これには感心した。
そのため、ラオス旅行中、私のポケットに中はUS$とキップとバーツが一緒になって入っているという、納まりの悪い状態であった。
また1US$=10,500kipというレートであるのと、コインが無く紙幣だけで、それも5,000kipが最高額面になので、10US$も両替したら5000kipだけで21枚・・・実質は小額紙幣を混ざるので札束になってしまう・・・ポケット、パンパン・・・

さて、昼ゴハンである。
サンドイッチ・・・ベトナムと同様、フランスパンに具材が挟んでありとても美味しい。ビールは、以前から「ラオスのビールは美味しい」と聞いていたが、そのとおりであった。「生ビール」もあると聞いているので楽しみである。
とりあえず人心地ついて今後の行動を検討。

バスターミナルからホテルまでの距離、そして今、自分のいる位置を擦りあわせるとビエンチャン市内は狭いということがわかった。

大体の場所は徒歩で行ける。
一番遠いタートルアンでも、2kmもない。

雨季ならともかく、乾季のこの時期は歩いてもたいして苦にならない。

とりあえずメコン河を見に行くことにした。

5分もかからない。

メコン河に出ると、乾季でもあるので砂州ができている。

子ども達が遊んでいる。






しばらく川風に吹かれた後、凱旋門とタートルアンに向かった。

メインストリートは舗装工事を進めているため、赤土が舞って埃っぽいこと。

途中トゥクトゥクの兄ちゃんが思い出したように声をかけてくるが、他のアジアの国みたいにしつこくはない・・・極めて控えめである(^^;;

凱旋門に着くと、観光客の他に古い一眼レフを持ったカメラマンが何人もいる。観光地によくいる、観光客相手に写真を撮る商売かな、と思いきや、どうも違うみたいである。

どちらかといえばラオス人の若い女性に声をかけてモデルになってもらっている。

そのモデルにお金をもらっている気配は無いようである。

別の何人かのカメラマンは集まって写真を見せ合っている。

デルを捜しているのは間違いないのだが、単に写真を撮っているだけなのか、何か商売なのかは、私にはわからなかった。
ビエンチャン滞在中、何回かこの門を通ったが、いつも何人かのカメラマンがいた。

日曜日の昼下がりだけ居るということでもなさそうであった・・・?

1000kip払って凱旋門の登ると、ビエンチャン市内が一望できる。

高い建物もなく、緑の中に埋まっている、遠くにはメコン河が見えている。
ぐるりと一周しても、同じ風景が広がっている。
ほんとにここが首都・・・?

ラオス総人口650万人のうちにビエンチャンに60万人が住んでいると言われているが、とてもそんな感じはしない。
次はタートルアンまで。

あちらで1枚、こちらで1枚と写真を撮り、途中の屋台でビールを飲んで歩いていると時間を食ってしまった。

タートルアン・・・正面が西に傾きかけた太陽を反射して美しく金色に輝いている。
今回の旅で、事前にタイ北部やラオスのことをWebで調べていたら、この建物の写真を見つけた。この時、長年の疑問が一つとけた。それは数年前、旅行雑誌の表紙で金色の建物と椰子の木が1本、自転車に乗った人が小さく写り込んでいる構図の写真であった。表紙写真には何もキャプションが無かったので、どこの国かまったくわからなかった。
すごく気になった写真だったので引っかかっていたが、よもやラオスのビエンチャンにあるとは・・・
そうなるといつもの'病気'が出てくる。
あの写真の構図はいったいどう撮ったのか気になるところである。
記憶をたよりに、おそらくここであろうと見当をつけて、広角レンズに変えてファインダーを覗いたらピンポンである。
「なぁ〜るほど(^^)」

構図を変えたりして写真を撮っていたら、なんのことはない入場時間が過ぎてしまった・・・オイオイ。
後日、再び来ることになる。
また2kmほどの道を歩きホテルに戻った。
そろそろ日没時刻・・・再びメコン河へ

 

メコンの夕陽とビール へ

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