変わるもの変わらないもの


6時30分・・・ちょっと早起きして港へ。

いつも人であふれている香港もこの時間は静かなものである。

東の空が明るくなってきている。

昨日の夕焼けを見たとき、「朝焼けも見ることができるはずだ」と思い来てみた。
正解。

太陽は海からではなく香港島の端から昇ってきたが、今まで見たことの無い香港の風景であった。

スターフェリーも朝日を反射して美しい。

ちょっと得した気分でホテルに戻った。

昨日と同じ食堂で、朝御飯を食べながら行き先相談。
香港に来る前は「3日目はマカオへ行こう。」と言っていたのだが、妻は船が苦手なこともあり、無理に行かなくてもいいかな・・・という話になった。
じゃあ・・・何処へということで上湾のキャットストリートや半山區のヒルサイド・エスカレーターに行こうかな・・・ということになった。

今日もスターフェリーで香港島サイドへ。
スターフェリー・・・変化めまぐるしい香港で変わらないものの代表である。

料金と改札システムは変わったが、それ以外は変わっていない。
公共交通機関であるが、香港島の2階建てトラムと並んで香港を象徴するものである。

何もかも駆け足の香港で、時代錯誤のスターフェリーやトラムが健在であることが嬉しいことである。

上湾から坂を昇っていきキャットストリートへ。

途中、案内板が各所にあるので、昔みたいに一筋道を間違えることなど殆ど無い・・・親切、親切。






キャットストリート・・・以前は「泥棒通り」とか「ガラクタ通り」のような言われ方をしていたが、今はすっかり整備され骨董通りである。”ガラクタ”をメインにしているのは2〜3軒である。後はCCまで使えてしまう立派なお店である。











行った時は大陸からか台湾からかわからないが中華系の団体が大挙押しかけていた。
















次はお隣の半山區のヒルサイド・エスカレーター(半山區行人電動樓梯)へ、下から上がってあちらの店、こちらの店と寄り道をしていた。

さすがにSOHOを含むエリアであり、かなり店が入れ替わっている。
















さてお昼、香港島から地下鉄に乗って旺角に行き上海料理へ。
なんてことはない店だが、香港に来るたびに食べに来ている。(→香港食堂をご覧ください)
この後、ホテルに戻る妻と娘と別れて新界エリアへ。

今回一番気になっていた場所へ向かう。
地下鉄の駅を出て見覚えのある出口から出るとそこには何もなかった。
鑚石山(ダイアモンドヒル)のスラム街・・・は跡形もなくなっていた。

2000年に取り壊されたとは聞いていて、何か別の建物ができているだろうと思っていたが、まさか更地のままとは・・・
1997年、1998年と香港に来るたびに行っていた場所である。(→「何が変わるか香港返還」「香港電脳夜總会 」をご参照ください。)

明るい光の中に存在する寂寞とした空間。
道路を隔てたビルが眩しい。

一駅隣の黄大仙へ。
古い香港が存在している場所・・・駅を出ると参道がではなく、ドーンとショッピングモールができていた・・・そこを抜けるとお寺がある。

相変わらず多くの人がお参りしている。

街は変わっても、信心は変わらないんだな。
若い人達もお参りしている。

占いのコーナーでは、旅行者が占ってもらっている。

ちょっと線香の匂いを染み付かせて駅へ戻る。

ふたたび地下鉄へ。
路線図を見て考えた。
「行ったことのない駅で降りてみよう」と。
黄大仙から太子で乗り換えてチェンワン方面へ向かった。
深水歩など知っている場所を過ぎ、何駅かめの茘景駅が地上に出たので降りてみた。
駅を出ると山の中腹という場所で、平地がほとんど無い。
海側は、貨物の積み出しの港そしてその間はビルと道路である。
情緒のかけらも無いと街と思われたが、駅に沿った集合住宅の間の空間は老人達が多く集まっていて賭け将棋やポーカーなどやっている。
いかにも「香港」という光景だが写真となると「揉め事」の原因となりやすいので、カメラはださずじまいであった。特に香港の年輩の方は写真を嫌がる方が多い。
逆光に浮かび上がる港のシルエットは、いままでの香港で見たことのない光景である。
「まだまだ知らない風景があるんだ」

ちょっと満足して尖沙咀に戻った。






夜、ひさびさにビクトリアピークに行き、その後ヨンキー酒家でゴハン(→香港食堂をご覧ください)
ひさびさの香港・・・結局、マカオにも離島にも行かなかったけど、街歩きを楽しんだし、美味しいモンもたくさん食べたし・・・まぁ、良しとしましょう。
カメラもT2とデジカメだけという身軽さだったので、一眼レフの重さを感じなく歩けたし。

転がる石に苔は生えない・・・と評された香港・・・これからも変わり続けるだろう。
それを見に、また来るさ・・・この街には・・・何度でも。

2003.12.26〜29



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