雨の中のツアー


明け方、雨の音で目が覚めた。
日の出は無理なので、また眠ってしまった。
雨の降る中、ボーイが朝食を持ってきてくれた。
「今日はどうする? 今日もジャランジャランか?」
「いや、この天気だとサンセット・ツアーは難しそうだから、他のツアーでブサキ寺院に行くツアーはある?」
というと彼は携帯で連絡を取り始めた。
どうやら反応があった。
「キンタマーニとブサキ寺院のツアーならOKだ。」
「それにするよ。料金は?」
というと彼は私の部屋の部屋に入り、テーブルに置いてあるツアー価格表を持ってきた。このツアーだと指さしながら、「90,000idr(≒1,350円)」
お金を渡すと、「9:00にココに迎えに来るので待っていてくれ」と言って去っていった。レゴンダンスの時と同じで、ボルわけでもない・・・まだちょっとシステムが飲み込めない。
9:00ちょうどにインドネシア人にしては背の高い(175cmの私より高い)兄ちゃんが迎えに来た。
通りの1BOXに行くと、すでにベルギーの女子大生2人が乗っていた。
どうやらツアーメンバーは私を含めて3人・・・つまり最小催行人数である。
車は、途中ツアー会社の前に停まると、ひとり乗ってきた。どうやら会社の人間のようだが、ガイドではなさそうである・・・結局ツアー最後までこの人の役割はわからなかった。たんなる運転手の監督者なのか?
さてツアーなのだが、ルートが良くわかっていない・・・ブサキ寺院に行くまでにあちこち寄るようだが、何処に行くのかわかっていない・・・(^^;;
結局、行ったところを逆にガイドブックで確認するというツアーになってしまった。

最初にUbud郊外のゴア・ガジャ(象の洞窟)というヒンドゥーの遺跡へ。
バリ島に来てシバやクリシュナ、そしてガルーダの神の名前を耳にする。
ヒンドゥー教はインドを中心にした宗教である。それ以外の国ほとんど普及していない宗教である。そして唯一例外と言えるのがバリ島である。

インドネシアの国教はイスラム教だが、バリ島だけがヒンドゥー教である。
そしてもう一つ本家インドと違うのはヒンドゥーの神々を乗せて飛ぶガルーダがここではメジャーな神になっている。

その遺跡なのだが、予備知識がない上に石組みの残骸を見ても感動するものでは無い。
このツアーは、ガイドは付かないので、ほんとに眺めるだけである。

次は、ティエルタ・エンプルへ・・・ドライバーに「次は何処と」と聞くと答えてくれるが、癖のある英語を聞き取りそれをガイドブックで探すのが大仕事・・・(^^;;

この寺のあるタンパシリンという土地は古都であることがわかった。

ここで沐浴やお祈りをしているのを見ると生活のかかわっている寺院であることがわかる。

駐車場に先に戻って2人を待っているとドライバーが話しかけてきた。

「貴方の名前は」

「ogawaだ。貴方は?」

「・・・だ(スミマセン・・・忘れてしまいました)」
というより話していて気がついたのがSMAPの香取慎吾に似ているということ。その印象で名前を忘れてしまった。で結局Mr.KATORI(仮)などと勝手に呼んでいた・・・(写真もピンボケ・・・(^^;;)
「日本の何処に住んでいる」
「大阪に住んで、京都で働いている」
そこで彼が反応した。
「京都か、メグミを知っているか?」(この手の話か・・・)
「京都にはメグミは沢山いるからなぁ〜」と答えると、
「そのぐらいは知っている。知らなくて当然だな。」(なんだ判ってるやんか(^^;;)
ここら当たりになると、2人ともニヤニヤしながら会話をしている。
彼は知っている日本語の単語を並べ始めた。
それでメグミとの関係がわかった・・・彼の発する単語は、関西弁のイントネーションである・・・(^^)
「君の日本語は関西スラングだ、どうやらメグミは君の個人的な日本語の先生だったようだな」と言うと笑いだした・・・こうなればもう友達である(^^)
さて次はキンタマーニである。

バリ島屈指の景勝地のはずだが、1時間走らせていくと、予想通りガスが出ていて白い世界であった。

朝から雨なので山はダメだろうと予想していたらその通りであった。

ベルギー人の二人は、ガスを吹いているところを写真に撮るなどお茶目である(^^)
またどこからか絵を売りに来たり、ご丁寧に日本人が書いた「安く買えて感謝します・・・」なんていうノートまで持っている。

次はコーヒー園。
当然観光ようであり、試飲して販売なのだが。
そのコーヒー豆が高い。
例の2人は、ハッキリと言っていた。
「スーパーマーケットだと、この半額で売っている。だから私はココでは買わない」
ハハハ・・・その通りである。
一人は私に向かって笑いながら親指をたてた・・・ナイスアクションである。

結局何も買わずに、本命ブサキ寺院へ。
さすがにMr.KATORI(仮)も「ここのローカルガイドは気をつけろ。」と言って対応の仕方を教えてくれた。
実は、私もココのガイドのことは、あづま川さんのWebページでも読んでいたし、ガイドブックにもちゃんと書いてある。

参道の入り口で車を降りると、自称「グッドガイド」というローカルガイドが群がってくる。
「No」と言って無視していくと、「おまえは神にたたられる」などと無茶苦茶言ってくる(^^;;
途中でフルーツ売りのおばちゃんを写真に撮ったら、しっかり撮影料を請求された・・・仕方がないので1000idrを払うハメになってしまった・・・(^^;;

寺院の広場に付くとまたガイドが寄ってくる。
「中で行われているヒンデゥーの儀式を見るには私と一緒でないとダメだ」
確かにその通りだろうが、私は儀式を見たい訳では無いので断った。

不思議そうに「おまえは何のためにここに来たんだ」などと言ってくる・・・まぁ無理もないか・・・雰囲気を感じたいと言っても理解してもらえないだろう。

さすがに諦めて、次のカモを探しに行ったみたい。
大きな寺院で周りを歩いているだけも時間がかかる。
しかし、ガイドがいないと建築物に何が祭ってるあるのが判らないのが難点である。

1時間ほどでまた出発。
ツアーの契約しているレストランで高くてたいして旨くない昼食。
途中ライステラスの展望台。
さすがに見事である。晴れていればもっと良かったのに。

Mr.KATORI(仮)と付き添いの2人が話しかけてきた。
「ライステラスは、日本語で何と言うんだ?」
「メグミから教えてもらわなかったのか・・・」というと苦笑いしていた。
「ライステラスは棚田(たなた)、ライスフィールドは田圃(たんぼ)、日本人はちゃんと使い分けるから間違えないこと」
2人はちゃんとメモを取っていたが、その前に日本語でガイドできなきゃ客がつかないと思うのだが・・・
ツアーの最後はスマラプラ王宮。

仲良くなったベルギー人が言ってくれた。
「あなたはいつも写真を撮っている、あなたの写真を一枚撮ってあげようか」

「ありがとう。じゃ、これで」とContaxT2を渡して撮ってもらった。
後日、写真は残念ながらピンボケであったが・・・気持ちが嬉しかった(^^)

ここも現地でガイドブックで追っかけて知識を仕入れた。
Ubudへ戻る道すがら、おきゃんで陽気は2人はMr.KATORI(仮)に聞いた。「
明日は天気になるかな、晴れて欲しいな。」
さすがに2日間降り込まれると気持ち判る、私も同感である。
まぁ、だれも答えられないのだが。
最後、車を降りるとき、
「今日はありがとう。それじゃ京都のメグミによろしく。」と言った。
笑いながら握手をして別れた・・・洒落のわかるヤツだ(^^)

晩御飯を食べに行くとき、道が車で溢れていた。

中心部のグランドでサッカーの試合をやっていた。
雨の中すごい人出である。

私も暫く見ていた。どうやら白いユニフォームのチームがUbudのチームみたいだ。
面白いのが観客席なんて無いからグランドで見ているが、ラインのところで見ているのでボールが観客に当たるし、スローインやコーナーキックが観客の中から蹴り出されてくる。監督や控えの選手も観客もグシャグシャである(^^;;





最後まで試合を見て、晩御飯を食べに言った。

そしていつものBarへ・・・雨は止みそうにない・・・

 
タナロットのサンセット

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