16話 ぶくぶくっ

 

さてさて。新サイバトロン基地のアークでは、みんながたるい感じで修理をしていた。なにしろ、大昔の船なのだ、アークは。そして、ライノックスの奮闘にも関わらず、ここにシールドを貼り防御を強化するのは無理だと分かった。そこで。

サイバトロンたちは、ウィドーちゃんの開発した、超小型ステルス潜水艇(といってもボール状の実に原始的なもの)を取り囲んでいた。それなら、デストロンに感知されることなく、いまはコンボイさんの大健闘によって(笑)水の中にある旧サイバトロン基地から、防御システムを回収できるというのだ。出発はいつかと聞くウィドーに、コンボイさんは意外な事を言い出す。中に入るのは、ラットルだというのだ。

ラットルは、抗議もむなしくボールに詰め込まれ、シルバーボルトに宙づりにされてお空を進むことになる。そして、お気軽なぱたぱた犬の声援とともに、ラットル入りボールは落っことされ、ぶくぶくと沈んでいくのだった。ラットルの嫌がることったらなかったが、慣れると案外楽しいらしく、まもなく、水中には『ラットル君愛のテーマ』(謎)が流れ出す。ボールは、水中をすいすいと進んでいった。

さあて。めざすは水中に眠る元基地の、奥深くにある、防御プログラム。ところが、首尾よくボールねずみがそれを見つけたとき、お呼びでない珍客が現われる。水の中ならおまかせの、デストロンのランページがきていたのだ。ところが、この水中パーティーには、さらに飛び入りが近づいていた。デプスチャージだ。ところで、彼らの戦闘は、メガトロンの知るところとなる。「先手・2、8スペード」という謎の遊びをやっていたデストロンたちには、さっそく命令がかかった。話は戻って、カニはとんだ邪魔に怒り、「ミサイルばーんじゃあ」。対するエイ。「寝言は鍋の中で言え。」(笑)

カニとエイがもめてる間に、ラットルはようやっとプログラムの入ったボックスを回収した。そうして、ようやく水の上に顔を出す。待ち構えていたシルバーボルトは、事情を聞いてさっさとボールを引き上げ帰ろうとするが、水上には水上で、デストロンのワスピーターらが待ち構えていた。ところで、なんで「ボール」ごと持ち帰ろうとするのだ。重いではないか。私ならプログラムだけを運ぶぞ。(結局のところ、ボールは二転三転して壊れてしまう。)

さて陸上。というか空中ですかね。ようやく回収したボックスを、デストロンはお見事かっさらって行ってしまう。ついでに、不意打ちをくらってとどめを刺されそうになってたシルバーボルトの前に、カニを陸上に放り上げたデプスチャージが姿を現す。ぱたぱた犬は喜んで、彼に助力を求めるが、エイはカニ以外に関心はなくこれをはねつけた。仕方なく、ねずみと犬はふたりだけでボックスを追うことにする。ボックスは取ったり取られたり、なかなかどっちのものともならない。その頃、気になるのか、エイはサイバトロンたちを追うことに決めた。ところがそれが裏目に出て、エイと勝ち誇っていたねずみ&犬はなんと空中衝突。そのすきに、ボックスはちゃんとデストロンが持っていってしまった。

 

このことがサイバトロン基地で問題にならないはずがない。コンボイさんは怒り、(何故か)デプスチャージが責められることになるが、彼はあいかわらず関心のない態度。コンボイさんはさらにいきり立つが、彼が、(水中で。)ラットルを助けていたと知る。コンボイさんは、責任をとってもらうとして、我々と一緒に戦うんだ、とデプスチャージに手を差し出す。でかい手を眺めたデプスチャージは、考えておこう、などと言い放ちながら、しかし、ちょいとウインクしてみせるのだった。コンボイさんも口の端をやわらげ、デプスチャージはその手に乱暴に自分の手をあわせる。一方、首尾よく防御プログラムを手に入れ、逆にシールドを貼ったデストロン基地からは、メガトロンの笑い声がいつまでも響いていたのだった。

 

抜かしがたいエピソードが多い話なので、長くなってしまったのは、ま、致し方ない。この回でようやくエイの旦那、デプスチャージはコンボイさんの傘下(?)に入る。とはいえ、彼もかつてのタイガトロン並に、基地には寄りつかないようだが。

どうでもいいが、私はどうもこの頃から、コンボイさんより、デプスチャージの方が気に入っているようで、なにかにつけ、コンボイさんのエイに対する態度が「チータスなどとはずいぶん違うよなあ」などと思ってしまう。この回の最後で、両者は和解した感があるが、その後も、コンボイさんはエイにだけは態度が違うような気がしている。ついでに、ここまでエイを責めてるコンボイさん、自分は偶然とはいえ基地を滝壷に落としていることを、自覚しているのかどうか(笑)。

ともあれ、基地がアークに移ったことで、サイバトロンは、相当の戦力を常にそこに残しておかなければならなくなった(守りが薄くなると、アークの奥に眠るトランスフォーマーの先祖たちに、メガトロンが何をするか分からないからだ)。このたび防御シールドの引き上げにも失敗したので、この状況は、今後ずっと変わらない。すばらしく、サイバトロンは不利になってきている。

 

 

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