福井の今庄そば 10/25     
今週、年老いた両親の介護のため急遽、郷里の福井へ帰っていました。2泊3日であわただしく用事を済ませて東京に戻ったので、ふるさとをゆっくり
懐かしむ余裕は全くありませんでした。ここ数年は夏だけの帰省が続いていましたが、年々、帰郷も休暇であるより両親の介護という面が強くなってきています。家族と一緒に帰っても、ぼくは部分的に別行動をとります。
でも故郷を心に呼び戻すきっかけは、思いがけないものだったりします。今回の滞在中、天気がたまたま北陸特有のどんよりとした冷たい雨だったものだから、そうだ、これが福井なんだなあと、妙に感慨深くなったりしました。
福井を出る朝、ようやく空は晴れ上がりました。プラットフォームで電車を待っていたら、今庄そばのお店が目に入りました。ぼくの大好物です。かけそばがたったの250円。
あと10分ほどで電車がやってくる。ぼくは食べるのが遅いし、どうしようか。ほんの少し迷ったのですが、ぐずぐずしていたらますます時間がなくなります。もって帰るわけにも行かない。食べることにしました。かき込んだそばは、時間を気にしながらだったけど、やっぱりおいしかった。ああ、福井の味だ。ほんの少し味わえた「ふるさと」でした。

ハムスターのミケ、死去  10/20    
夜、夕食の準備をしているとき、ついでにハムスターの餌をやろうと思いました。今わが家には2匹います。キャベツをちぎって、ケージの所へ行き、いつものように名前を呼びました。ところが1匹、ロボロフスキーのミケランジェロが、いつもだったらガサゴソと新聞紙やおがくずの中から出てくるのに、何度呼んでも静かでした。注意深くケージの中を見てみたら、隅っこで眠るように死んでいました。今朝まで元気に動いていたのですが。
享年2歳と6ヶ月。天寿を全うしたと言っていいでしょう。最近のわが家のハムスターの中では珍しく長生きしてくれました。僕たち家族は心を込めて言いました。ありがとう。
もう1匹の若いジャンガリアン、ウリちゃんはまるまる太って元気です。ハムスターブームはすっかり過ぎ去りましたが、ぼくたちには欠かせない家族です。

ハナミズキの実  10/18
おととい雑用で近所に出かけた時、団地内を歩きながらハナミズキの並木を眺めていたら、紅葉とともに赤い実がたくさんあちこちの枝に成っていて、鮮やかな色が目に飛び込んできました。
ハナミズキの実ってこんなんだったんだ。ぼくは毎年同じ場所をとおりながら、こんなにきれいなものに目を留めずにいたのです。なんてもったいない話。今度写真に撮っておこう(と言っているうちに自然はどんどん変化するのですが)。
少し前にはキンモクセイの香りがあたり一面に立ちこめていて、
深まり行く秋を感じました。間もなくイチョウや桜といった木々も、すてきな色に染まっていくことでしょう。
妻から聞いた話。今日、この辺の樹木の剪定が一斉に行われていたのですが、ぼくの棟に住むある人が作業をしている人に、あまり枝を切りすぎないように頼んでいたそうです。紅葉が楽しめなくなるから。ほんと、そうですね。

ときどきヘン  10/15   
コンピュータの不具合が生じると時々ハードディスクを初期化しますが、その副作用で予期せぬトラブルが発生します。先月もそうでした。このサイトにも影響が出ていて、ある時文章のあちこちで文字化けしているのを発見しました。な、な、なんじゃこりゃ。
気になって各ページを調べてみたら、予想以上にたくさん出てきて、びっくり仰天。一つずつ直しましたが、果てしない作業にウンザリ。まだ見落としているものがあるかもしれません。
ここを訪れてくださる方、ご迷惑をおかけしました。もしまだ何か変なところを発見したらぜひご一報ください。
最近ほかにもちょっとやっかいなことがあったのですが、疲労感がたまる中で、うれしいこともありました。なくしたと思っていた腕時計が戻ってきたのです。思わぬ所から出てきました。結局うっかりしているのと忘れっぽいのが原因だったのですが(みっともないので詳細は話さない)、とにかくまた戻ってきたので、よかったよかった。
いいことも悪いこともごちゃ混ぜでやってくるのが、ぼくたちの毎日ですね。

ファーブル検定  10/12    
仏文学者の奥本大三郎さんは無類の虫好きで、昆虫に関する本をたくさん書いています。で、わが家にも奥本さんの著作がけっこうあります。昆虫関係の本を読んでいると、必ず奥本さんが登場してくるのです。
夏の終わりにテレビで、奥本さんが主催されているファーブル検定というのがあることを知りました。昆虫好きの人が増えてほしいという趣旨なのでしょう。昔はみんなあたりまえに昆虫に親しんでいたものですが、今はへんに怖がったり、気味悪がったりだものね。
息子の良が挑戦しました。ほんとうは娘も虫好きだからやりたかったけど、費用の関係で、今回は見送り。トンボ、カブトムシ、クワガタ、など10種類のコースに分かれ、息子はチョウを選びました。
学校の試験みたいに堅苦しくありません。問題は3つ。1)
チョウを観察し、スケッチしなさい。2)チョウの幼虫と餌について知っていることを書きなさい。3)さなぎとは何ですか。良は全問スケッチ入りで解答しました。わが家で飼っているから描けるんです。
提出して2週間ほどたったおととい(10日)、マスター認定証が届きました。チョウのバッジがもらえたんですよ。良は大喜び。これから『ファーブル昆虫記』を読むのだと張り切ってます。

体育の日と国民的行事  10/10    
昔の体育の日。この日はほぼ毎年天気がいいそうです。今日も東京地方は晴れ。運動不足だから外に出ようかな。
ぼくの世代以上なら、体育の日が東京オリンピック開催日を記念して始まったということを記憶していることでしょう。これを機にテレビが急速に普及して、学校にも教室ごとにテレビが設置されました。授業そっちのけで先生も児童もいっしょに中継を見ていたのを思い出します。今思うと、授業の遅れはどうやって取り戻したんだろうなどとよけいなことを考えるのですが、そんなことは別に気にしなくてすむような時代だったのでしょう。五輪観戦のほうが、勉強なんかより国民としての義務に近かったような気がします。
去年のW杯とは比べものにならない熱狂でしたものね。今、テレビの技術ははるかに発展したけれど、マスメディアが騒ぐほどにみんなが熱狂しているわけではありません。しかし、もちろんそれは成熟した社会の一つの姿でもあるのです。

存在感のない父親  10/6   
日曜(5日)夜に放映されていた少年犯罪に関するNスペを、最後のほう20分ほど見ました。その中で10代の若者へのアンケートが紹介されました。犯罪に巻き込まれたらあなたは誰に相談するか、という問い。
トップは「友人」で40%近く。次が「母親」で30%弱。3番目が「だれもいない」22%(どれも正確な数字では記憶していません)。何より一番忘れられない数字が「父親」の4%という回答でした。この数字
だけはしっかり脳裏に焼きついています。あまりにも情けない数字だったから。
父親が頼りにされていないというのではなく、そもそもコミュニケーションの相手として考えられていないということですよ。「だれもいない」という答えのほうがはるかに上回っているというのが、日本人の寂しい状況をよく表しています。
でもぼくが子どもだった頃の自分の父親との関係を思い出すと、それはちょっと納得ですね。ってことは、日本の親子関係は30年たってもあんまり変わっていない?

同窓会メーリングリスト  10/4
先日、ぼくの小・中・高校時代の友人から、中学3年のクラスのメーリングリストに参加しませんか、という誘いがEメールでありました。高校のほう(こちらは学年)にはもう2年ほど前から入っているのですが、今度はクラスです。
大学時代からずっと東京で暮らしているものだから、昔の友達にはあまり会う機会がありません。特に社会人になってからだと、みんな時間が取りにくくなります。そういうとき、インターネットは便利ですね。
去年もぼくの大学時代の友人から、ほぼ20年ぶりくらいにメールをもらったんです。インターネットで名前を検索してアドレスを知ったらしい。
でも、情けないことに、コンピュータの不具合でメールソフトのデータが時々消えてしまいます。みなさん、これを見ていたらどうぞ一言連絡を。今度から紙にアドレスを書いて保存しておかなくてはいけないと痛感。コンピュータ時代でも、紙という伝統的な方法は有効なのです。

山本周五郎の『さぶ』  10/2
最近フィクションをほとんど読まなくなった、とぼくはToshi Talks で言いましたが(9/17)、そんなぼくが先日突然、一冊の小説にはまってしまいました。山本周五郎の『さぶ』です。これはおもしろかった。文庫で430ページの長編なのですが、2日に分けて計8時間ほどで一気に読み切りました。
好みがすっかりおやじになったって? いやいや、この本、じつは中2の娘が学校の国語で試験の課題図書として買ったものなんです。ぼくは今までこの作家の小説は読んだことがなく、黒澤明のいくつかの映画で間接的に知っていただけ。
中学の授業で、こういう時代小説?どういうところが中学生向けなの?……何となくミスマッチに思えて、謎を解明しようと夜中に読み始めたのですが、そのままやめられなくなりました。まるでNHKの金曜時代劇を見ているような感じでした。役者は誰がいいか、と想像しながら読むのも楽しみでした。
これは若者の成長の物語なのです。初版が昭和38年(1963)。小説の底流にある倫理観は大切なものだとぼくは思うのですが、今の社会から急速に失われつつあるのだと実感しました。でも
決して甘ったるい理想主義でないところがすばらしい。楽しめました。

9月の「ごあいさつごあいさつ」