第27回
『食べるな、危険!』 日本子孫基金/編 講談社、2002、\1300+税
わが家ではもう15年以上、食料を主に生協で購入している。結婚当初から妻は食べ物に気を使っていた。ぼくもその影響でかなり関心を持つようになったが、最近この本を読んで、ぼくたちのまわりにある食べ物がここまで危なくなっているのかと、愕然とした。この本では、肉類、魚介類、野菜、などから加工食品、調味料に至るまで、あらゆる種類の食品がどんなふうに生産・販売されているかが報告されている。そしてそれら食料のほとんどが、人体に危険な薬品に汚染されていることが明らかになる。少し前の『買ってはいけない』に似ているが、企業を個別
に批判する方法は採らず、食品ごとに包括的に扱っている。
もちろん恐ろしい現実だけでは気が滅入ってしまうし、手をこまねいているだけでは何も変わらない。各項目の後には具体的な「選び方」がついていて、これからの購入の際の良い指針になる。また巻末には表示の見方・読み方、ラップの選び方・使い方、スーパーの選び方が掲載されているのもありがたい。
それにしても、 物質的な豊かさや便利さの代償として、わたしたちは自分たちの命を払っているのだと思う。前回の『あてになる国のつくり方』で力説されているように、ここでもフツー人が「だまされていたのだ」とか「知らなかった」と言って済まされる時代ではなくなっているのだということを痛切に感じる。生きるためにわたしたちは、いろんなことに関して自衛していかなくてはいけなくなっている。
ところで、この本でビールが取り上げられていないのは、何かの事情があるのだろうか?
12/12/2002
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