| フロントマルチリンクサスペンション フロントサスペンションには、低中速域はもとより高速 走行時にも高い安定性を発揮して、しかもドライバー のステアリング操作に正確かつスムーズに反応する 高い操縦安定性が求められます。またドライバーに は、路面をグリップしているタイヤの状況を的確に伝 えるものでなければなりません。人と車の密接な関係 を築くフロントサスペンションに、スカイラインは現代の サスペンション技術の項点とも言うべきマルチリンク サスペンションを与えました。このシステムは、上下の アームに第3のリンクを加えることによって、従来、相反 する関係にあった次のような特性を高次元で達成し たものです。●すぐれた高速安定性。キャンバー特 性の最適化、トレール量の最適設定などによりタイヤ の直進性能を向上。路面の荒れや不整に対しても、 ハイマウントアッパーアームのレイアウトがもたらす効 果で際立った直進性と路面からの衝撃吸収能力を 発揮。●高速コーナリング性能。旋回中にボディが 傾く状態でも、タイヤを可能な限り路面に垂直に接地 させ、グリップ能力を最大限に引き出し、抜群のコー ナリング性能を生み出す。●安定した制動性能。ジ オメトリーの最適制御で、激しいブレーキング時にも ノーズダイブを起こさず安定した車両姿勢を保つ。 リヤマルチリンクサスペンション FR(フロントエンジン・リヤドライブ)車のリヤサスペ ンションには、駆動力をいかに確実に路面に伝えるか が求められます。スカイラインの高質な走りの実現の ために開発したリヤサスペンションは、上部にダブル アッパーリンク、下部にAアーム及びラテラルリンクを レイアウトしたマルチリンクタイプ。タイヤから伝わる前 後、左右、上下方向の力をシステム全体で受けとめ、 理想的なタイヤの動きを作り出します。つまりボディと タイヤの相対的な位置関係を正確に保つことでタイ ヤの路面接地能力を高めています。この方法でタイ ヤのグリップカを充分引き出すことによって旋回性能 も向上。しかもサスペンション剛性の高さも加えて、路 面からの不快なショックを抑え、すぐれた乗り心地も 実現しました。リヤマルチリンクサスペンションの採用 によって得られる具体的な特性は、●キャンバーコン トロールによる高速旋回性能の向上。●制動時のト ー変化量を最適制御して自然な走行感覚の実現。 ●上下ストローク時のトー変化を抑え直進安定性を 向上。●加速時のリヤの沈み込み(スカット)、制動 時の浮き上がり(テールリフト)を抑えフラットな乗り心 地を確保。●リヤサスペンションのフリクションを低減 して、なめらかで、しっとりした乗り心地を体感していた だける、など高質な走りの実現のために最もふさわし いサスペンションシステムと言うことができます。 新構造ショックアブソーバー マルチリンクサスペンションの能力をフルに引き出す ため、新機構の2段絞りバルブをもつショックアブソ ーバーを開発しました。低速から高速までしっとりとし た乗り心地が得られる上、不整路面での走行でも高 いロードホールディングを実現しました。 |
位相反転制御4WS。SUPERHlCAS 日産が世界に先駆けて開発した4WS(4輪操舵)技 術HICASをさらに進化させたSUPERHICAS。 このシステムは従来のHICASとは異なり、位相反転 制御方式を採用しています。ステアリングを切り始める と、一瞬タイミングを遅らせて後輪が前輪とは逆方向 (外側)に切れ、車体を積極的にイン側に向けようと作 用します。そして次の瞬間、後輪は前輪と同じ方向(内 側)に向き、安定した旋回運動に移行します。この一 連の後輪操舵の動きはステアリングの操舵角、操舵 角速度、操舵角加速度、車速などの情報をもとにリア ルタイムで行われ、ドライバーの意思に忠実な走りを 生み出します。この後輪のアクティブステア方式は、 走行安定性を飛躍的に高めるばかりか、すぐれた旋 回性能とナチュラルなドライブフィーリングをもたらし ました。4輪マルチリンクサスペンションの高い一性能と あいまって、かつてないシャープな走りとアクティブ・セ ーフティの機能を併せもつ洗練されたシステムです。 ●レーンチェンジや旋回時の走行性能がさらに向 上。素早い身のこなしで狙った走行ラインに期待通り 乗せることができます。●高速走行時の直進安定性 が向上。横風などの外乱に対してもステアリング操作 の安定感が高く、予測や修正など運転中の負担が 軽減されます。●山道やワンイディングロードの走行 などでは、ステアリングの切れが正確で、素早い身の こなしと高い安心感が得られます。●急なステアリング 操作にも瞬時に応答して、収まりも素早いため、緊急 回避時にも安定した車両姿勢が保てます。 FRならでほのスポーティな走りに、高い走破能力が加わった。 電子制御トルクスプリット4WDシステムATTESA E-TS ATTESA E-TS。それは後輪駆動をべースとしながら、 走りに応じて前輪にも電子制御で最適にコントロール したトルクを伝える最新の4WDシステムです。FR(フ ロントエンジン・リヤドライブ)の特徴である、アクセル ワークによる駆動力変化が生み出すスポーツ性を犠 牲にすることなく、走行状態によっては4輪駆動の高い 走破能力を与える。このために後輪へは直結状態で トルクを伝え、その途中にあるトランスファー部で前輪 へもトルクを分け伝達します。そしてトランスファー部の 油圧多板クラッチの押し付け力を変えることで、前輪 の駆動力を変化させています。クラッチを切り離した 状態では後輪駆動、完全に結合した状態ではリジッ ド4駆となり、この間を無段階に変化させます。そのシス テムにスカイラインは前後に4個の車輪速度センサー と車体にG(加速度)センサーを装備し、前後輪の回 転差と横Gを検出して、電子制御でクラッチの圧着 力を制御、前後のトルク配分をコントロールしていま す。例えば、濡れた路面など極めて滑りやすい状態で 後輪のスリップ量が大きな場合は、前輪へのトルク 伝達量をふやします。逆にドライ路面での急なコーナ リングなど、横Gが大きな状態では、後輪が空転気 味であっても前輪へのトルク量をふやさず、前輪の 受けもつ操縦性能をアップします。このような緻密な制 御によって、さまざまな路面状況・走行状態に応じて 高い走破性を発揮する電子制御ルレクスプリット4 WDの特性を実現しました。しかも、このシステムは ABS(アンチロックブレーキシステム)との組み合わ せでも、高度な総合制御によって、ABS本来のすぐ れたアンチスキッド性能と制動性能を発揮。完成度 と安定性能の高さでもさらに進化させたものです。 < |