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社会デザイン〜教育・健康・福祉・アート・環境・宇宙

『スペースダンス・イン・ザ・チューブ』のご案内




社会デザインの6テーマ


教育・健康・福祉・アート・環境・宇宙


現在の社会では、快適な生活を望むなら、それを満たすための技術は用意されており、誰もが容易に豊かさを享受できます。しかし、一方で、コミュニケーションがネットや携帯に依存しすぎると、アートを生み出したり人の感情を読み取ったりする「感受性」が衰えたりしないでしょうか? また、運動不足や、姿勢の悪さなどによる身体の歪みにより、人間が本来動物として生きていく上で重要な身体感覚が失われたりしないでしょうか?

私たちは、現代生活の中で人間の身体に生じつつある深刻な問題に警鐘を鳴らし、「次世代を担う子供たちの教育、一般の人たちの健康開発、年配者のリハビリ、何らかの障害をもつ人たちの自信の回復、アートやデザインの創造と環境への配慮、宇宙に対する想像力の養成」、それらを 以下の6テーマとして、トータルにサポートしていくことを考えました。

@ 「教育」
スペースチューブ体験で、「全身的な身体感覚」を回復させ、自分がリアルな身体的存在であることを体感できます。その上で、リアル(現実)とバーチャル(仮想)の区別と、両者の融合を調整する能力を育て、「21世紀を生きる知恵〜新しい科学的センス」を養うことができます。

A 「健康」
スペースチューブ体験で、個人が大切にする固有の感覚を目覚めさせ、その感覚に根ざした個人のための「新しい身体ケアの方法」を考えさせ、健康開発のための新しい発想を得ることができます。

B 「福祉」
スペースチューブ体験で、何らかの障害をもつ人も、自分が得意にする感覚に覚醒でき、その知覚上の特徴を生かして、自然なやり方で自己の潜在的能力を発見したり、「自信」を高めることができます。高齢者にも、長い人生の中で培ってきた知恵と固有の記憶の蓄積があり、その核心になる感覚を表現すれば、「若者には手が届かない味」を出すことができます。

C 「アート」
スペースチューブ体験で、誰もが即席のダンサーに変身できます。スペースチューブの内部に作用するつよい反力を利用して誰もがダンサーとなり、多様な「姿勢の創造」に挑戦できます。そのセンスを磨けば、人には出来ない自分だけの表現を構成でき、新しい時代のアーティストとして誕生できます。

D 「環境」
スペースチューブ体験で、「身体と環境は一体であり、身体を環境から切断して扱うことはできない」という大切な思想を学べます。21世紀は、誰もが知る通り「環境」がキーワードになった時代です。「身体と環境を一体と考えるアプローチ」から、建築・デザイン・情報の分野に新しいデザインが誕生します。

E 「宇宙」
スペースチューブ体験で、新しい想像力を養うことができます。宇宙の無重力環境では歩行が不要のため、 「足」もやがて「手」になり、「四手人間」が誕生する? 二足歩行をやめた人類は人類と言えるでしょうか? 地上の一重力下で生まれた地球文化は、無重力の宇宙では役立たない? 宇宙で誕生する子供たちと地球の子供たちの関係は? 両者の間に宇宙戦争が始まったりしないでしょうか?

■スペースチューブの4つの特徴

閉じた空間・多様な姿勢・なつかしい感覚・意外性


スペースチューブには、閉じた空間・多様な姿勢・なつかしい感覚・意外性という4つの大きな特徴があります。

@ 「閉じた空間」
スペースチューブは「閉じた空間」です。「閉じた空間」に入ること自体が、洞窟に入る時と同じように面白いです。そして、この空間が「やわらかい空間」であること、「宙に浮かぶ空間」であること、外部が透けて見えるので恐怖感がないことにスペースチューブの特徴があります。子供たちはよくスペースチューブが設置された空間を「宇宙への出発基地みたい!」と表現します。

A 「多様な姿勢」
スペースチューブの中では、バランスの取り方により「浮く」ことができ、「思いがけない多様な姿勢」を形成できます。内部に働く左右と下からのつよい反力を利用して、魚・両生類・鳥・サル等の姿勢の形成に、自分の脳に蓄積された「動物たちの記憶」を頼りに、自由に挑戦できます。

B 「なつかしい感覚」
スペースチューブの中では、自分がどう動くかで「空間のかたち」が決まります。そのため、お母さんの胎内に帰ったような「なつかしい感覚」がします。「ここ」から「向う」へ、 強制されなくても、「なつかしい感覚」に誘われて前方に進みたいと、自然に思えます。そのため、リハビリ用の歩行訓練にも有効です。

C 「意外性」
スペースチューブの面白さは、「見た目では想像できない感覚」を体験できる「意外性」にあります。この「意外性」もスペースチューブの大きな特徴です。現代社会では、「全身的身体感覚」を回復させることは、口で言うほどには容易なことではありません。そのために、「意外性」を入り口にして、現代人の硬直した「感覚の扉」を開くことが必要なのです。

■『4つの部屋』

バランスと姿勢の部屋・闇と光の部屋・癒しと思索の部屋・リアルとバーチャルの部屋


体験型展示においては、スペースチューブにより、バランスと姿勢・闇と光・癒しと思索・リアルとバーチャルをテーマとする『4つの部屋』を構成します。

@ 「バランスと姿勢の部屋」
スペースチューブに身体をゆだねることで、失ったバランス感覚を回復できます。内部に働く左右と下からのつよい反力を利用して身体を浮かせ、魚のように、宇宙遊泳のように、胎児のように、未知の生物のように、多様な「姿勢」をとって遊べます。

A 「闇と光の部屋」
闇の中でスペースチューブを体験すると、宇宙空間にたった一人で放置されたような感覚を味わえ、全身的な身体感覚に目覚めます。また、一面のあふれる光の中では、空間の内と外の境界が溶けて無くなり、「内部=この世」と「外部=彼岸」が連続しているような感覚になり、「死」に対する恐怖を忘れます。

B 「癒しと思索の部屋」
スペースチューブの中で一番楽な姿勢をとっていると、生活の中でムリをしていた身体の部分を知り、その歪みを矯正できます。また、その姿勢で安らぎ、ゆっくりしていると、大切にしていた記憶が蘇ったり、普段は途中で停止してしまう思索を持続できたり、想像力を刺激して新しい英気を養うことができます。

C 「リアルとバーチャルの部屋」
スペースチューブの中の空気圧を利用して人工音を発生させ、さらに、カメラとプロジェクターを使用して体験者の体験映像をスペースチューブに投影します。体験者は、自分の動きの変化を音として聞き、自分の映像にリアルな自分を重ねて遊びます。その動き方の違いにより、これまで経験したことがない不思議な感覚を構成できます。

◎スペースチューブ体験〜姿勢の形成とは?

スペースチューブの中では誰もがダンサー!

  

 スペースチューブの中では、誰もが即席のダンサーに変身します。スペースチューブの内部につよく作用する反力を利用することで、体験者は自分の体重を少し軽くでき、浮くこともでき、ダンサーのように自由にからだをあやつり、日常では出来ない動きの数々を試みることができます。その楽しさに、子供たちはいち早く気づきます。この楽しみに目覚め、自分も独特な動きの世界を表現できることを発見した子供たちは、何度でもリピーターになり、飽きることなくスペースチューブで遊んでいます。

◎スペースチューブ体験〜情報がつくりだすものとは?

リアル(現実)とバーチャル(仮想)の分別能力を身につけよう!

  

さらに、体験者は、ビデオカメラによって撮影されスペースチューブに投影される自分の映像に、内部から触れることができます。右手に右手を重ね、左手に左手を重ね、外部から見られた自己に内部の自己を重ねていくと、スペースチューブが隔てる内部と外部の境界が溶け、自分が限りなく外部に向って吸収されていく感覚を体験できます。

その感覚は、神秘的な癒しの体験に近く、この世とあの世を往来するような感覚で、「死」を忘れてしまったと言われる現代人が最も求める感覚の内の一つかも知れません。記憶の中に存在している自分の一番会いたい人が、向こうからやって来るような感覚にも似ています。

そして、この様子は、外から見ている見学者にとっても奇妙なものです。見学者は初め、体験者をスペースチューブの右側にスポットライトで照らし出される影絵として見ています。次に、体験者がビデオカメラによりスペースチューブの左側に投影されると、リアルな体験者は右側にいると認識していても、つい左側を見てしまいます。

これは脳のいたずらです。脳にとってはリアル(現実)とバーチャル(仮想)の区別は必要なく、情報量の多いものがリアルです。

現在のビデオカメラの精度は高く、人間の目よりも遥かに高い精度で体験者の姿を捕らえます。そのため、脳は躊躇せず、スペースチューブの左に投影される体験者を見るのです。ここに、意識との乖離が生じています。意識はあくまでも、右側の体験者をリアルとみなして右側を見ています。したがって、最後にスペースチューブの中の体験者がバーチャルな自己の映像にリアルな自己を重ねると、見学者は思わず心の中で驚きの声をあげてしまいます。

こうして、体験者と見学者は、脳の即物的な判断と、脳のもう一つの機能である意識の判断が、互いに分裂する場面に出会うことができます。そして、脳の即物的な判断も間違いではなく一つの事実であること、そのためどちらかを選択するのではなく、リアル(影絵〜現実)とバーチャル(映像〜仮想)の両者を分別する必要があることを学ぶことができます。
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