鷲ガ岳(岐阜県)

わしがたけ 標高1672m。

 2007年8月に焼山の頂上を踏んで、 三百名山も未踏の山は鷲ガ岳と大笠山の2つとなった。 週末の天気を見計らいながら、大笠山をまず登り、 その後、鷲ガ岳と2回に分けて登るつもりで機会をうかがっていた。 ところが8月、9月の週末は他の用事や天気の具合などから出かけられず、 10月の体育の日(月曜)を含む3連休になってしまった。 幸い、この10月の連休は土日の天気が良さそうだったので、 車で出かけて2山をまとめて登る計画を立てた。 土曜日に朝、東京を出発するとなると、 歩行時間の短い鷲ガ岳を初日に登り、 翌日に大笠山に登るしかない。
 10月6日の早朝まだ暗いうちに、 自宅を出発。 中央自動車道を松本まで走り、 安房トンネルを抜けて高山に出た。 9月29日に開通したばかりの中部縦貫自動車道の高山インターチェンジから高速道路に乗り、 高鷲ICまで走って時間を節約した。 高鷲ICからゴルフ場に通じる道を走り、 案内板に従って林道に入る。 最初は舗装されていた道もやがて未舗装となる。 途中で放置されたバスを横目に見てさらに進む。 林道終点には、森林の伐採作業を一人でやっている初老の男性がいた。 そのすぐそばの広場に車を止めさせてもらう。 東京の家から6時間強かかった。 ほかに登山者の車はないのが意外だった。
 10時過ぎに歩き始める。 周りのススキに秋を感じながら荒れた道を登る。 勾配はきつくない。 25分でスキー場からの道を合わせる。 ここから5分でいっぷく平である。 ここには新しい林道も来ている。 藤原頼保の顕彰堂の背後に、 鷲ガ岳の頂上が顔を出している。 厚かった雲もこのころより少しずつ薄くなってくる。 一息入れてから歩き始めると また林道に出る。 この林道を少し歩いてからまた登山道に入ると、 今度は階段状の急坂が待っている。 ここで下山中の小さな子供を連れた家族に出会う。 さっきの林道に車を置いて登ってきたようだ。
 息を切らしながら登ると、 思ったより早く突然頂上に飛び出した。 誰もいない。 10月の3連休中は、 南北アルプスなどに人が集中しているのかもしれない。 ゆっくりと周囲を見まわす。 まず目を引くのは白山である。 北西に30kmも離れているが、 最高点が2700mを超える山体は堂々としている。 その左手前にはこの春に登ったばかりの大日ガ岳が見える。 白山に比べればずっと小ぶりで、 スキー場のゲレンデが目障りでもある。 しばらく頂上で休んだ後、 登ってきた道をゆっくり戻って車を置いてきた林道に下った。 この日は高岡市に宿を予約していたので、 白川郷を経由して富山県へと出た。 時間があったので、以前から気になっていた高岡市内の瑞龍寺にお参りしてから、 予約しておいたホテルにチェックインした。
 翌日はいよいよ三百名山の最後となる大笠山に登るので、 早めに眠りについた。

 歩行記録  2007/10/06 登り 1h20m 下り 1h05m


 林道に車を停めて、荒れた山道を歩き始めるとススキの穂が揺れていた。 紅葉にはまだ早かったが、秋の気配が漂っていた。
 写真はすべてKONICA MINOLTA Dimage A2で撮影。

 鷲ガ岳の頂上。 ほかに誰もいない。
 方位盤の向こうに白山が見えている。 三角点の標石は根元が出ているので、 地面が下がったのだろうか?

 頂上から少し下がった場所からの眺め。 頂上よりここからの方が、遮るものがないので、 白山(右)と大日ガ岳(左手前)がよく見える。
 大日ガ岳は、尾根がずいぶんとなだらかに見え、 スキー場のゲレンデが目障りだ。

 いっぷく平の藤原頼保の顕彰堂。 この前まで林道が来ている。 登りにここを通過したときはまだ雲が広がっていたが、 下山時にはすっかり雲が取れ、 この写真のように青空が広がっていた。

 鷲ガ岳から下山して富山県高岡市に出、 以前から気になっていた曹洞宗の瑞龍寺を見学した。 宿を高岡市に予約していて、 時間に余裕があったのでお参りした次第。 由緒のあるお寺だけに大勢の観光客で賑わっていた。
 仏殿から望む山門。 上層の屋根がたいそう大きく立派に見える。

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