ひのでやま 標高902m。
日ノ出山は、御岳山から見て日の出の方角に位置しているため、この名前が付いたそうである。
登山やハイキングの観点からは、近くを青梅線が走っていることもあり、いろいろなルートを組み合わせて歩ける楽しみと、
頂上からの眺めの良さが挙げられる。
筆者の働いていた会社の山岳会では、平成元年(1989年)以来、毎年12月ごろの週末に、
日ノ出山の山頂直下にある東雲山荘に一泊して、忘年会を行っている。
この忘年山行の機会を利用して、筆者も日向和田や鳩ノ巣、御岳などに通じるいろんなコースを歩いている。
どれも大して時間がかからないし、その時の気分でコースを選べるのがいい。
日ノ出山の一番の魅力は、頂上から眺める日の出と東京、横浜方面の夜景だと思う。
昼間の日ノ出山しか知らない人はぜひとも夜間や日の出の景色を体験してもらいたいものだ。
2年ほど忘年山行を欠席した後、2002年の忘年会で久しぶりに日ノ出山を訪れたら、
以前と少し様子が変わっているのに気がついた。
頂上では方位盤が新設されて山の同定がしやすくなり、
東雲山荘の近くにあるトイレが改装されてきれいになっていたからである。
また、小屋にはふもとから電気が引かれていた。
小屋自体も建て直されるらしいと噂されていたが、建物は昔のままだった。
なんでも予算不足で実現しなかったらしいが、今の年季の入った昔風の建物が、忘年会に一泊で利用するには味わいがあっていいというのが、
我々の仲間の大方の意見である。
下界と同じように山の上が近代化すれば、山の魅力のかなりの部分が損なわれてしまうだろう。
筆者は、2012年のあと、しばらく忘年会を欠席し、日ノ出山にも遠ざかっていた。
2017年になってまた忘年会に参加して気が付いたのは、宿泊者用の寝具にはすべて洗濯済みのカバーが付けられていたこと。
一回の利用ごとに洗濯するシステムだから、女性の利用者には歓迎されるだろう。
日ノ出山から見た日の出。(写真右) 1997/12/14撮影。
双眼鏡を使えば、東京タワーや新宿副都心の高層ビルも確認できる。
日ノ出山に弱点があるとすれば、富士山の展望である。
日ノ出山の頂上からは、富士山の頭の一部がかろうじて見えるだけである。
冷え切った朝の空気を暖めるかのように太陽の光が輝きを増す。1998/12/13撮影。
御岳山ケーブルカー山頂駅付近から眺めた日の出山。
この時は、12月にしては珍しい大雪が5日前に降ったため、すっかり雪化粧していた。
2002/12/14 15:30撮影。
レトロな感じの小屋内部。
薪ストーブを囲んで話がはずむ。
2002年に小屋が建て直されるという噂があったが、
今のところ昔のままだ。
ただし、電気がふもとから引かれたため、自家発電は使われなくなっていた。
天井からぶら下がっているランプの中身は電球である。 2002/12/14。
1989年に始まった東雲山荘での会社の山岳部の忘年山行も、
2009年には20回目を迎えた。
例によって一泊して親睦を深めた翌朝、20回記念の横断幕を掲げて記念撮影した。 2009/11/29朝、撮影。
山の上での変化に比べ、下界の変化の速度は速い。
2011年12月の忘年山行時には、翌年5月開業予定の東京スカイツリーが見えていた。
この写真は、武蔵御嶽神社境内から撮ったもの(2011/12/18撮影)で、日ノ出山頂上の
右寄り木立の上に塔が顔を出している。
右奥は新宿の高層ビル群。
もう少し左に寄って撮れれば、スカイツリーが日ノ出山頂上のあずまやにちょうど重なるのだが、
そううまくはいかなかった。
(2011/12/19追記)
この写真がもとで、地球の丸味について考察してみるきっかけになった。
その解説文を諸事雑感に載せてあるので、
興味のある方はどうぞ。
(2012/12/18追記)