オオカモメヅル

オオカモメヅルは、キョウチクトウ科に属するつる性の多年草で、日本では北海道から九州に分布している。 高尾山でも広範囲に分布しているようで、花期も6月ころから9月あたりまでと長いのだが、花が小さいので注意して見ないとその存在に気づかない。
和名の漢字表記は大鴎蔓。
この名前は、対生する披針形の葉を横から見たとき、カモメが飛ぶ様子に見えたことからと言われる。 「大」は葉が近縁のコバノカモメヅルより大きいからのようだが、実際の葉の大きさを見ると、大小まちまちに見える。
花は直径数mmほどしかなく、細部を肉眼で観察するのは難しい。 そこで、写真に撮り拡大してみると、可愛らしくて面白い構造をしているのがわかる。
右上円内に示した写真で説明すると、花は星状に先端を延ばした淡紫褐色の花冠がまず目につき、毛が密生している。 中心部には淡緑色の蕊柱があり、その周りの5つの暗紫褐色の球体状のものが副花冠らしい。 ただし、花冠の色には変異があるようで、右下円内(2022年9月 4号路で撮影)のように薄緑色の個体も見られる。
2020/9/27 5号路で撮影

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