ミズタマソウ

アカバナ科の多年草。 国内では北海道から九州にかけて分布する。
和名の漢字表記は「水玉草」。 その由来は、毛の密生した子房あるいは果実が水玉のように見えるからとも、あるいは、それらが霧に濡れた状態を水玉に見立てたものとも言われる。
高尾山では、主に樹林の日陰になるような環境下で広く見られる。
草丈は数十cm程度。 花期は8月から9月ごろ。 総状花序となって、径が3mmほどの白い花を多数つけ、下から順に開花するようだ。 花が小さいので、注意して歩かないと見過ごすことも多そうだ。 だが、個々の花を仔細に観察すると、なかなか面白い格好をしている。 かぎ状の毛が密生する球状の子房がまず目につく。 子房下位という萼片の下方に位置する構造だ。 白い花弁は2枚でそれぞれは2裂しているので、4枚のようにも見える。 雄しべは2本。 雌しべは1本で雄しべより長く突き出る。 花弁の基部には、薄緑色の2枚の萼片があり、花弁よりずっと大きい。
似た花を咲かせるウシタキソウとの区別点として、ミズタマソウでは節が赤味を帯びることと、ミズタマソウの葉の基部がクサビ形になるの対しウシタキソウではハート形になること、が挙げられる。
2021/8/22日影沢で撮影

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