イワタバコ

イワタバコ(岩煙草)は、葉がタバコに似ていることからついた名で、イワタバコ科の多年草である。 日本国内では、福島県以西の本州、四国、九州、沖縄にかけて分布し、日陰の湿った岩場などを好む。 花は、花径が1.5cmほどで、紫の星形に見える。
筆者の知る産地として、高尾山のほかに鎌倉がある。 鎌倉では東慶寺境内の群落が有名で、高尾山では琵琶滝や蛇滝が知られている。 ところが、鎌倉と高尾山では、花の時期に大きな違いがある。 鎌倉の東慶寺では、6月中旬には満開になるのに対し、高尾山山麓では梅雨明けのころ、つまり7月中旬以降になる。 気候条件が異なるとはいえ、一ケ月もの開きがある。 高尾山の場合、蒸し暑い季節に咲くので、沢のそばでこの花を見ると、いっとき涼しさを覚える。 花期の異なる産地のイワタバコを集め、次々と咲く花を愛でるという楽しみ方もあるそうだ。
蛇滝では、シロバナイワタバコも見かけたことがある。
写真は琵琶滝で撮影したもの。
2018/7/22撮影

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